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ドングリあるいはどんぐり(団栗、無食子、)とは、広義にはブナ科の果実の俗称。狭義にはクリ、ブナ、イヌブナ以外のブナ科の果実。最狭義にはブナ科のうち特にカシ・ナラ・カシワなどコナラ属樹木の果実の総称をいう。
ドングリは、一部または全体を殻斗(かくと、)に覆われる堅果であるが、これはブナ科の果実に共通した特徴であり、またブナ科にほぼ固有の特徴である。
ブナ科の果実には、「どんぐり」以外の固有の名称を持つものもある。クリの果実は「栗」もしくは「栗の実」と呼ばれる。「椎(しい)の実」、「楢(なら)の実」の語もある。ブナの果実は「そばぐり」と呼ばれることもある。
どんぐりの殻斗(一番外側の固い皮)とそのすぐ下の渋皮(しぶかわ)の内側、つまりどんぐりの大部分は種子である(体積・質量の大部分は種子)。どんぐりから芽が出て、コナラの樹木へと育つ。
樹種により形状は多様であるが、ドングリに限らずブナ科の果実の共通の特徴として、先端はとがり、表面の皮は硬く、上部はすべすべして茶色、下部はぶつぶつした薄めの褐色である。果実の下部または全部を覆うおわん状・まり状のものは殻斗である。ドングリの殻斗は俗には「ぼうし」「はかま」などと呼ばれる。殻斗は総苞片が集まり、癒合変形、乾燥したものであり、ブナ科とナンキョクブナ科殻斗を持つなど、ブナ属に酷似する果実をつけるナンキョクブナ科はブナ科に近縁である。かつてはブナ科のナンキョクブナ属に分類されていた。の果実特有のものである。このことから、かつてブナ科は殻斗科と呼ばれた。ブナ科の堅果は、他の堅果と区別して殻斗果またはどんぐり状果と呼ばれる。
ドングリのイメージとして、細長く、下部をぶつぶつとした殻斗が覆う、というものがしばしば見られるが、クヌギではドングリは丸く、殻斗は毛が生えたようになっている。クリまたスダジイなど殻斗がドングリ全体を覆うものもある。クリの殻斗はトゲが生え、「イガ」と呼ばれる。
内部の種子の大部分を占める子葉はデンプン質に富み、人間を含む動物の食料になる。日本の古典的な玩具(独楽など)の材料にもなった。
ドングリからその樹種を判別することは可能だが難しく、木自体を見る方がはるかにやさしい。ただし、属の見分けは比較的やさしい。以下は日本に自生するものの見分け方である。