ニセコ町
町の事業予算に住民提案枠

(1)住民が関わることの少ない予算の分野において、具体的な仕組みづくりを行い、まちづくりへの参加意識の醸成を図ると先進的事業。
(2)提案から町長への答申に至るまでの過程は住民参加によって行われる。

事例本文

自治体の仕事は、全て予算化されることによって実施されている。
その予算策定過程に住民の参加を可能とする社会的な仕組みは、
パートナーシップが進んできた現在においてもあまりない。

その希な先進事例がニセコ町で2005年度〜2007年度に実施されていた
町民提案予算制度である。
この制度は「昨今の厳しい時代だからこそ、町民が夢を持ち、
進んでまちづくりに参加していただくことが必要ではないか」と考え、
住民税1%相当の使い道を町民自らが提案し、選ぶ制度である。

提案から予算化までの流れは、
住民からの提案を募集⇒町民予算検討委員会で提案内容を検討
⇒検討委員会で町長に提案する事業を選出⇒町の予算案に入れて議会に提出
⇒町議会で審議⇒予算化⇒事業執行、となっていた。
なお、ニセコ町の2007年度の住民税1%は100万円である。

この制度で2005年度には、子どもに本の楽しさを知ってもらうという目的で
絵本の読み聞かせ会(70,000円)
2006年度には、ニセコ春の音楽彩オリジナルソングコンテスト(400,000円)
スポーツ講演会(50,000円)、出前ピアノコンサート(121,300円)が採択され実施された。
なお、2007年度は、一件の事業が提案されたが不採択となった。

この住民提案の採択を検討する予算検討委員会のメンバーも町民で構成されており、
町民が提案した事業を別の町民が、ニセコ町民が夢を持てる事業であること、
将来のニセコを見すえた人づくり、地域づくりにつながる事業であることを重要視して
採択すべきかどうか考えるという、ユニークな制度である。

そのため、町への一般的な事業要望は、この制度になじまないとされ、
予算検討委員会での検討の結果、不採択になっている。

現在でも多くの自治体の参考になる事例であるが、2008年度から休止となっている。

自治体情報

自治体名 ニセコ町(外部リンク)
都道府県名 北海道
人口 4,823人
部署名 企画環境課経営企画係
TEL 0136-44-2121
FAX 0136-44-3500
E-mail kikaku@town.niseko.lg.jp
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