多治見市
完全公開・第三者機関による処分場候補地の選定
一度は住民からの反発により白紙撤回した一般廃棄物最終処分場計画だが、完全公開の調査委員会および選定委員会の開催、定期的な広報への掲載など、徹底した住民への情報公開の中での手続きを経て、住民の理解、同意を得るに至る。
事例本文
■完全公開の調査委員会
多治見市は、市が策定した
一般廃棄物最終処分場計画に対し、
周辺住民から反発の声が上がったこと(1997年)を受けて、
それまでの計画・手法を検証するために「調査委員会」を設置した(1999年)。
この委員会は専門家と地元住民により構成され、完全公開によって審議が行われた結果、
市の計画は「妥当ではない」と評価した。
この結果を受け、計画を白紙撤回し、改めて専門家による第三者機関として
「新処分場適地選定委員会」を設置(2000年)した。
この委員会も完全公開の中で行われ、市内全域から市有地などの候補地を絞り込んでいった。
その結果、建設が十分に可能な3候補地に絞り込まれ、最終報告として市に提示された(2002年)。
この報告にある3候補地は、甲乙をつけられないものと判断されたので、
最終的には
市長の判断により最終候補地が選定された(2003年)。
この場所は、市が前述の調査委員会の評価を受けて、白紙撤回した場所そのものであった。
■反対していた住民が、ごみ減量施策に参画
この間ごみ減量の取り組みは大きく進展を果たす。
新
最終処分場の候補地となったことは建設に反対した地元住民にとって、
最終処分場自体の必要性や
規模等についても考えるきっかけとなり、その後、多治見市のごみ
政策の基本となる
23分別収集のモデル地区に手を上げるなど、住民の積極的な
環境行政への参画もすすんだ。
この他にも新方式の焼却場の導入により処分場規模が大幅に縮小されたことや、
前述のとおり完全公開の中で議論が進められたことなどから、地元の反発は前回ほどではなく、
数回の地域説明会を経て地元同意を得るに至った(2005年)。
その後、2006年から2010年にかけて、地元住民、学識経験者や
市民団体、
一般公募の計12名で構成された新
最終処分場建設検討委員会が8回行われ、
処分場建設計画についての情報共有や質疑応答、住民からの提案などが行われた。
クローズドシステムが採用された処分場は2007年に工事が着手され、
2010年6月から供用が開始されている。
この事例は、議論の過程を公開したことによって、住民がごみ減量に関心を持ち、候補地周辺住民が
最終処分場の必要性を理解することと、処分場の形態について、周辺
環境の影響をできるだけ小さくする
クローズドシステムを採用することにつながった例である。
自治体情報
自治体名 |
多治見市(外部リンク) |
都道府県名 |
岐阜県 |
人口 |
112,595人 |
部署名 |
環境課廃棄物対策グループ |
TEL |
0572-22-1111(内線1335) |
FAX |
0572-25-8222 |
E-mail |
|