水俣市
地区環境協定制度
自然と共に暮らしていくための地区の「生活ルール」を、住民(全世帯)の合意で決める。
事例本文
「水俣再生を
環境から始めるために、水俣の海・山・川を守り伝え、
自然と共に生きる暮らしづくりをすすめ、住んでいる地区の
環境を
よりよくしていくことから始まる。」
その理念に基づき水俣市は「地区
環境協定制度」を、1997年に導入した。
現在、市内26地区のうち、薄原、石坂川、久木野、古里、大川、越木場、頭石、長崎の
8地区が地元住民間で協定を結んでいる。
協定締結を希望する地区は、地元住民が主体となり、
市の現
環境モデル都市推進課や企画課職員が事務局的役割、
それにアドバイザーを加えた作業スタッフをまず組織する。
次に、住民たちが地区の「あるもの探し」や「水の経路図」づくりを進めて資料を作成し、
昔と比べて住んでいる地区がどのように変化したかを再確認し、
地区の現状(今)を知る作業を開始する。
その上で、自然を守るためにはどうすればいいのかを繰り返し話し合い、
「地区づくりへの思い」を共有したうえで、その実現のための具体的な方法や
指針案をまとめ、さらに話し合いを重ね、地区全体の行動とするための住民間の
「合意づくり」に取り組んでいく。
自然と共に暮らすために昔からあった「生活ルール(約束事)」を
地区の住民自身が改めて現状に合った形に話し合いで決め、
成
文化して守り伝えようという制度である。
住民同士で協定を結ぶには、地区全員の合意が前提であり、
1地区の協定締結までに3年程度の時間をかけている。
話し合いを重ねることで、住民同士の協力精神が高まり、難色を示す住民に対しては、
役割分担や協力の申し出が自発的に出てくるという。
協定を締結したのは川の上流地区が多く、川下の人々への思いやりが背景にあり、
これこそ「もやい直し」の精神が地域に定着しつつある証である。
なお、同市にて元気な村づくりとして推進されている「村丸ごと生活博物館」は、
この地区
環境協定を締結していることが前提条件になっており、
現在4地区が指定されている。
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