新しい公共

新しい公共(あたらしいこうきょう、)とは、公共サービスを市民自身やNPOが主体となり提供する社会、現象、または考え方。

これまでの公共サービスは、行政が管理的に提供する立場、市民は供給される立場であった。新しい公共では市民も公共サービスの提供者となること、行政は市民に場を提供し、信頼し、権限を移譲することが求められる。経済学的には自由主義を基盤に、金融中心のから、達成感やソーシャル・キャピタルの集積によって市場を形成するボランタリー経済学への価値観の大きなシフトが底流にある。

概要

新しい公共という価値観の発展には市民側・行政側それぞれの思惑がある。

市民側のニーズとして、一律で提供される公共サービスへの不満がある。首長や議員の選挙によってかろうじて意思表明ができるものの、市民の個々に関心のある公共サービスのニーズについて行政の提供するものが自然に合致する仕組みにはない。そこで、ニーズのある市民が作った活動を、行政が裏方となって公共サービスとして提供される社会を目指そうという考え方が生まれた。

もうひとつの背景として、先進国の経済伸張の加速度が減衰するにしたがって欧州諸国を中心に福祉国家を目指した国の財政が悪化してきたことがある。行政が多くの福祉を担う国家の形に限界を感じた「新しい公共」に基づく社会デザインは社会自由主義と呼ばれ、イギリスにおいては2010年に連立与党となった自由民主党_(イギリス)にその潮流を見る。国家が企業経営の考え方を取り入れて「新しい公共」をつくる動きを新公共経営New Public Management:NPM)という。象徴的には1970年代の不況のおりの英サッチャー政権で「小さな政府での高い福祉」を志向し、新公共経営の源流となった。

日本における新しい公共

京町衆

象徴的なものとして京町衆が挙げられる。日本初の小学校である京都市の番組小学校は公共の担い手として地域の商店主など町衆が大半の額を寄進をし建設が行われた。当時の番組小学校には現在の警察署のような機能もあり、新しい公共の拠点であった。京都市中京区京都国際マンガミュージアムは番組小学校であった旧・龍池小学校の校舎を再利用したもので、小学校からミュージアムの改修に際しても京町衆からの出資があり、新しい公共の機能を未だに保っている。

京都市は様々な政策名で新しい公共を推進してきた。門川大作・現京都市長も政令指定都市としては最も多くの審議会の委員を公募で選任しているほか、「京都市未来まちづくり100人委員会」「未来の担い手・若者会議U35」など新しい公共のための専門家でない市民が主体の審議会も設置している。横浜市などさまざまな自治体がこのような新しい公共の拡大に追随している。
  • しかし京都市は、2005年度以降、同市内の廃校約30校について、再生案を示すことができなくなり、2011年11月になって民間活力を導入して事業計画のアイデアと資金を募る計画を立てていることが判明し、これまで学校の再生などに携わってきた京町衆からは、「学校の歴史を知らない余所者に事業を託したくない」とか、「事前の説明が全く無かった」など、批判や反発の声が多数出ているよそさんには…レトロ廃校舎民活に京都町衆反発 読売新聞 2011年11月17日

その他の例

新しい公共はそもそも全く新規の概念ではなく、日本にみる自治的に消防団自警団などもこの担い手である。日本には地域コミュニティの運営に古くより機能している新しい公共の仕組みが数多くあり、「コミュニティに力のある国」としてWHOにも注目されている。

民主党政権における「新しい公共」

脚注

関連項目

外部リンク


Category:公益法人

wikipediaより

このキーワードに関連するベストプラクティス

詳細検索:条件をk選択して検索できます。

google地図から検索:Google Mapから検索できます。 google画像から検索:事例ごとの画像で検索できます。
環境首都コンテスト全国ネットワーク
辞令を動画でみる:公益財団法人ハイライフ研究所