児童館

児童館(じどうかん)とは、児童福祉法第40条に規程されている児童厚生施設の一つ。

概要

児童館は児童(児童福祉法上0歳〜18歳未満の子ども)に健全な遊びを与え、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的として設置される屋内型児童厚生施設 児童館とは - 一般社団法人児童健全育成推進財団 児童館について - 厚生労働省。屋外型児童厚生施設は「児童遊園」という。

児童館にはその種類によって、集会室、遊戯室、図書室、静養室のほか、育成室、相談室、創作室、パソコン室などが設けられており、専門の指導員(児童の遊びを指導する者、かつての「児童厚生員」に相当)によって季節や地域の実情などに合わせた健全な遊びの指導が行われている。

地域の実情に応じて、子ども会や母親クラブなどの地域組織活動の基地としてその育成指導を行うとともに、放課後児童クラブ放課後児童健全育成事業、いわゆる学童保育)を併設することもあり、地域の子育て環境づくりや放課後児童の居場所づくりを担っている。

自治体によっては、が設定する「放課後子ども総合プラン放課後子ども総合プランについて - 文部科学省厚生労働省 放課後子ども総合プラン連携推進室(2018年9月5日閲覧)に則り、体験の場」交流の場」遊びの場」の3つの児童館等の機能に加えて、学びの場」の機能を併せて、放課後子ども教室文部科学省所管)として児童館等を位置付けているケースもある(同プランにおいて、「放課後児童健全育成事業」(厚生労働省所管)については、「遊びの場」と「生活の場」の二つに位置付けられている)。

歴史的発達

日本における児童館的な活動は、古くはセツルメントの児童クラブにその原型をみることができる。セツルメントは明治末期に始まり、大正、昭和にかけて主として大都市に発達したが、その中でさまざまな状況にある子どもたちに遊びをとおして集団的、個別的に指導を行っていた。

1948年(昭和23年)に児童福祉法が施行され、児童館は法律に位置づけられるに伴って、地域における子どもの余暇活動の拠点として、不特定多数の地域の子どもたちに対して、健全な遊びを提供し、健全育成活動を行う場として社会的に認知されるようになっていった。1951年(昭和26年)には「児童厚生施設運営要領」が厚生省(現:厚生労働省)児童局によって編纂されて、児童館運営についての基本方針が提案された。

児童館の発展において画期的な要因となったのは、1963年度(昭和38年度)において市町村立の児童館について、その設備及び運営費に対し省令的な見地から国庫補助制度が創設されたことにある。国庫補助対象については、設置及び経営主体、機能、設備、職員配置などについて基準が示され、以後に設置される児童館の水準に影響をあたえた。

現在では、全国に約4,600(2014年(平成26年)現在)を数える施設数となり、児童福祉施設としては保育所に次いで多い施設となっている。

役割

児童館は屋内型の福祉施設であるが、その活動は建物内にとどまらない。地域児童の健全な発達を支援するための屋内外の地域活動をはじめ遠隔地でのキャンプなど、必要な活動の一切を含んでいる。

児童館は、子どもたちに遊びを保障する活動を行っている。遊びは、子どもの人格の発達を促す上で欠かすことのできない要素であり、遊びのもつ教育効果は他で補うことができない。子どもたちは遊びを通して考え、決断し、行動し、責任をもつという自主性・社会性・創造性を身につける。

また、子どもの生活が安定する環境が整備されるためには大人の理解と協力が不可欠であり、親のグループやジュニアボランティアを育成するとともに、諸機関や団体との連携を図る中で、子どもにやさしい総合的な福祉の町づくりを目指している。

子育て家庭の子どもたちが安定した放課後を過ごせるように、登録制で毎日学校から直接来館する放課後児童クラブ事業や、育児不安に陥りがちな子育て中の母親を支援する午前中の幼児クラブ活動などは、まさに児童のデイサービス事業と言える。また、不登校いじめへの対応、虐待など深刻な児童問題の早期発見の場としても期待されるほか、家庭や学校、児童相談所と連携しつつ、子どもが自立できるよう支援する活動も増加している。

職員

これら機能を発揮するために、児童館には、専門職員(児童の遊びを指導する者、かつての「児童厚生員」に相当)が配置されている。

ただし、児童の遊びを指導する者任用資格を有しているだけでは児童館の専門性が担保できないとも言われており、一般財団法人児童健全育成推進財団(通称・育成財団)では、認定児童厚生員資格制度認定児童厚生員資格制度 - 一般財団法人児童健全育成推進財団を設けており、より専門性を身に付けるよう、現職の児童館職員に対して、児童厚生二級指導員以上の資格取得を推奨(二級指導員については、概ね採用から3年以内資格取得のご案内 - 一般財団法人児童健全育成財団を目安としている)している。

種別と機能

児童館の種別と機能については、厚生労働事務次官、雇用均等・児童家庭局長通知によって、示されている。
  1. 小型児童館
  2. : 小型児童館は、小地域を対象として、児童に健全な遊びを与え、その健康を増進し、情操を豊かにするとともに、母親クラブ、子ども会等地域組織活動の育成助長を図る等児童の健全育成に関する総合的な機能を有する施設。
  3. 児童センター
  4. : 児童センターは、小型児童館の機能に加えて、遊び(運動を主とする)を通じての体力増進を図ることを目的とする事業・設備のある施設。また、大型児童センターでは、中学生、高校生等の年長児童に対しての育成支援をおこなう。
  5. 大型児童館
  6. : 大型児童館は、原則として、都道府県内や広域の子どもたちを対象とした活動を行っている。特に3つに区分されている。
    • A型児童館
    • : 都道府県内の小型児童館、児童センターの指導や連絡調整等の役割を果たす。
    • B型児童館
    • : 豊かな自然環境に恵まれた地域内に設置され、子どもが宿泊をしながら、自然を生かした遊びを通じた健全育成活動を行っている。そのため、宿泊施設と野外活動設備がある。
    • C型児童館
    • : 児童館全ての機能に加えて、芸術、体育、科学等の総合的な活動ができるように、劇場、ギャラリー、屋内プール、コンピュータープレールーム、宿泊研修室、児童遊園等が付設され、子どもたちの多様なニーズにこたえている。2018年(平成30年)時点では、日本国内ではこのタイプは存在していない。

脚注

参考文献

  • 児童健全育成推進財団編著『児童館 理論と実践』児童健全育成推進財団 発行年:2007年
  • 児童健全育成推進財団企画編集『児童館・放課後児童クラブのための安全対策ハンドブック』児童健全育成推進財団 発行年:2013年
  • 児童健全育成推進財団企画編集『児童館・放課後児童クラブテキストシリーズ1 健全育成論』児童健全育成推進財団 発行年:2014年
  • 児童健全育成推進財団企画編集『児童館・放課後児童クラブテキストシリーズ2 児童館論』児童健全育成推進財団 発行年:2015年
  • 児童健全育成推進財団企画編集『児童館・放課後児童クラブテキストシリーズ3 安全指導・安全管理』児童健全育成推進財団 発行年:2017年

関連項目

外部リンク

Category:セツルメント

wikipediaより

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