インターネット

インターネットは、 Internet Protocol を用いて接続されたコンピュータからなる、世界規模の情報通信網である"日本でインターネット、 英語では大文字で始まるThe Internetのほうは、 もっと限定的です。 これはIPという約束に従って接続された、 世界規模のコンピュータネットワークを意味します。" JPNIC. インターネットとは. JPNIC公式HP. 2023-01-03閲覧.

ネットとも呼ばれる精選版 日本国語大辞典 「ネット」

概要

インターネットIP を用いた広域コンピュータネットワークである。すなわち、各コンピュータに割り振られたIPアドレスを宛先とした通信方式により形成される、世界規模の情報通信網がインターネットである。

コンピュータネットワークの観点からは、MACアドレス等で通信可能なLAN(ネットワーク)同士をIPで結びつけたWAN(ネットワークのネットワーク)がインターネットである。LAN間の通信交換さえ成立していればIPを用いたネットワーク同士の相互接続が実現する、すなわちインターネットへ接続できる。

インターネットの成立により全世界レベルでのコンピュータ間通信が容易になった。その結果、インターネット上で様々なアプリケーションが展開されている。初期のファイル転送電子メールハイパーテキスト文書 (Web) など単純なものから、P2Pファイル共有音声通信ウェブアプリケーションメディアストリーミングなどへと高度化していき、その発展は未だ続いている。

表記

英語では「the Internet」と定冠詞をつけ大文字で表記するのが正式の(英語の文法ルールに一番合致した)表記であるWordReference, Internet / the Internet - definite article。Internetそれ自体だけを指す場合は定冠詞をつけるがJakub Marian's, Language learning, science and art.、Internetを他の普通名詞の前に配置する場合は、Internetという名詞をあくまで形容詞的に用いている表現なので、定冠詞はつけない(たとえばインターネット・アクセスは「Internet access」と定冠詞抜きで表記する。)

「インターネット」の語の起源は、もともとは一般名詞の「インターネットワークinternetwork)」で、本来の意味は「ネットワーク間のネットワーク」や「複数のネットワークを相互接続したネットワーク」であったが、その後、通常は固有名詞として、ARPANETを前身とし、唯一の世界的規模のネットワークを指すようになった。特に日本語で「インターネット」と呼ぶ場合は、この固有名詞の意味である場合が大半である。現在でも英語圏の教科書辞書では「the Internet」と表記するのが正しい「メディアリテラシ」(Computer Science Library 15)p68 植田祐子・増永良文著 サイエンス社 2013年8月10日初版発行。ただし、英語圏の報道メディアの一部では、2016年あたりから、小文字で始まる「internet」を採用しようとする動きもある。つまり、「the Internet」とするか「internet」とするか、表記揺れはある。

仕様・基幹ネットワーク

仕様公開者・関連団体

インターネットには、教育機関や企業などの組織、あるいは個人が運用する仕様の異なるネットワークが接続している。IETFが、通信技術の仕様を公開することで、多種多様なネットワーク間の通信方式の差異を緩和し、相互接続が可能な状態を維持している。併せて、複数の通信経路をまとめる基幹ネットワークが敷設されている。基幹ネットワークは光ファイバーや、電線無線通信と、それらをまとめる電子機器により構成されている。

このように、インターネットは通信方式と電子機器の総称であるため、実社会でいう「責任主体」は存在しない。そのため、インターネットに供給する情報について、社会的、あるいは法的な義務を負い「責任主体」となるのは、インターネットに接続している教育機関や企業などの組織、あるいは個人である。

インターネット全体の「管理主体」と誤認されやすい団体として、ICANNIETFW3Cなどの非営利団体がある。これらの団体は、世界全体のIPv4/IPv6アドレスの維持(ICANN)、通信技術(通信プロトコルなど)の研究と発表(IETF)、情報の形式の研究と標準化(W3C)を行っており、インターネットを管理する団体ではない。

しかし、ICANNIETFW3Cのいずれも、運営費を私企業から得ていることから、完全には非営利・中立の団体とは言えない。また、ICANNは、かつて米商務省と強い関係を有しており、国際的にも中立とは言い難かった。この米商務省との関係は、契約期間の満了に伴い終了している

プロトコル

インターネットは Internet Protocol (IP) に基づいている。IPは隣接する機器同士を繋ぐリンク層の上に構築される、ネットワーク通信プロトコルである。IPは下層のプロトコルと独立しているため、物理的な通信形式が導線・光ファイバー無線のいずれかを問わず機能する(参考: インターネット・プロトコル・スイートOSI参照モデル)。ゆえに各LAN内の通信方式が異なっていても、その橋渡し機器/プロトコルさえ用意しておけばIPを用いて透過的にインターネットに接続できる。

IPはインターネット以外のネットワークでも利用される。IPを用いたLAN(例: 社内ネットワーク)をイントラネットと呼ぶ。複数のイントラネットを相互接続したものはエクストラネットとも呼ばれる。

IPアドレス、ドメイン名

IPアドレスとは簡単に説明すると、ネットワーク上の機器を区別するための番号。32桁のビット列(0または一の数字)から成り立っている。

IPアドレスを詳しく説明すると、基本的に通信するコンピュータごとに(厳密には機器のインターフェイスごとに)唯一無二の「IPアドレス」と呼ばれる固有番号を割り当てられることが通信時の前提となっており「インターネット」p59-60 村井純 岩波書店 1995年11月30日第1刷発行、IPを採用するインターネットにおいても、接続する各組織に対して固有のIPアドレスの領域(範囲)がそれぞれ割り当てられる。各組織はそれぞれに割り当てられたIPアドレス領域の中の固有の番号を、所有する各コンピュータに割り当てる。

IPアドレスは数字の羅列で人間にはわかり難いというデメリットがあり、一般には英数字を使用した名前(ドメイン名)をIPアドレスに対応させて用いる「メディアリテラシ」(Computer Science Library 15)p80 植田祐子・増永良文著 サイエンス社 2013年8月10日初版発行。例えば、「ja.wikipedia.org」というドメイン名は「198.35.26.96」というIPアドレスに対応する。インターネットに参加する各組織(研究機関、教育機関、企業、プロバイダ (ISP) 、協会・団体、政府機関その他)に対して、識別子として(広義の)ドメイン名が割り当てられており、各組織は所有する各コンピュータに対してホスト名を割り当てる。ホスト名とドメイン名をドット(.)でつないだものが各コンピュータの固有名(FQDN)となる。

接続先ホストにはIPアドレスを割り当てる必要がある。また、IPアドレスをDNSによって(狭義の)ドメイン名の資源として定義し供給することで、ドメイン名をIPアドレスを代替する記法として用いることもできる。

また、1980年代から使用されているIPアドレス(IPv4)が、2011年2月3日に枯渇した(IPアドレス枯渇問題)。これを想定してIPv6の開発が始まり2011年に実用化された。World IPv6 Launchしかし、日本では、各企業が通信機器を交換する費用を用意できなかったことや、IPv6を扱える技術者が少ないことが普及の妨げとなり、2012年以降においても外資系企業のバックボーンでの利用に留まっている。

2016年現在、日本でのIPv6の普及と利用は、日本のITに関する技術力の低さと研究開発に対する投資の少なさにより、欧米諸国に比較して大きく立ち後れている。State of the Internet IPv6 Adoption Visualization - Akamai

アクセス

インターネットへのアクセス(接続)は、一般にはインターネット・プロトコル技術を搭載したインターネット端末を使用して、インターネットサービスプロバイダ経由で接続する。また独自ネットワークやイントラネットから、ゲートウェイなどを経由して接続できる場合もある。初期のインターネットでは、使用言語は英語文字コードASCII、文字はラテン文字で、接続デバイスは各種のコンピュータが大多数であった。

1990年以降のインターネットの世界的な普及により、現在では各種のコンピュータに加えて各種の携帯電話ゲーム機家電、産業機器などがインターネット端末機能を持つようになった。接続形態も従来の有線ダイヤルアップ接続に加えて各種の無線通信が一般化した。ユーザインタフェースもグラフィカルユーザインタフェースマルチメディア対応を含んだものも普及した。またコンピューティングの利用形態としてSaaSクラウドコンピューティングなどの表現や概念が普及する基盤ともなった。これらと並行して、各種の国際化と地域化多言語化、他のネットワークや技術との相互接続や相互運用性などが進んだ。

利用

インターネットの成立により全世界レベルでのコンピュータ間通信が容易になった。その結果、インターネット上で様々なアプリケーションが展開されてきた。人が触れるアプリケーションの例としてファイル転送電子メールハイパーテキスト文書 (Web)P2Pファイル共有音声通信ウェブアプリケーションメディアストリーミングが挙げられる。さらにWeb上では検索エンジン電子商取引SNSなど膨大な種類のサービスが提供されている。

インターネット成立により、ウェブブラウザ上で閲覧する電子書籍電子ジャーナルの利用も進み、電子書籍は1971年に開始されたプロジェクト・グーテンベルクを嚆矢とし、1995年にはオランダで電子ジャーナルの刊行も開始され、1990年代後半からは図書館や博物館、大学などによる資料や論文のインターネット上での公開も広く行われている「図書館概論」p191-192 宮沢厚雄 理想社 2011年9月10日第1版第1刷。また、インターネット上の情報そのものを保存するウェブアーカイブ事業も始まっている「図書館概論」p193 宮沢厚雄 理想社 2011年9月10日第1版第1刷

様々なアプリケーションで同様に必要とされる処理を共通化するために、Internet Protocol 上で利用される様々なプロトコルも提案されてきた。IP直上にはTCPUDPQUICなどのトランスポート層プロトコル、その上にはHTTPSMTPなどのアプリケーション層プロトコルが定義される(表参照)。他にもネットニュース (NNTP)、チャットIRC)などが標準化されている。これらのプロトコルの定義の多くは RFC として公開されている。


表. アプリケーションとプロトコル
アプリケーション
プロトコルスタック
-

課題と対策

インターネットはクローズドな学術機関専用のネットワークからスタートしたため、プロトコルにはセキュリティに関する仕組みが十分に組み込まれていなかった経緯があり、不正アクセスサイバー攻撃などの問題が頻発する結果を生んでしまっている。https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252130.html

個々のサーバーの設定の工夫や、OSメーカによるサーバーのセキュリティ対策、アプリケーションレベルでの対策、ネットワーク機器のセキュリティ対策など様々な試みが続けられているが、犯罪者側のスキルも上がり、巧妙化し、「いたちごっこ」が続くばかりで、また個人によってだけでなく集団レベル国家レベルでもインターネットの場での犯罪は増すばかりである。最近では、現行のインターネットの仕組みを根本から見直し、セキュアなネットワークを目指した新しい仕組みの構築を探る動きもあるが、今のところさほど成果は出ていない。

また、オンライントラッカーやWeb広告に関する問題も指摘される。トラッカーは利用者がインターネットでどのような行動を取っているか(検索履歴、閲覧履歴、入力内容)などを明示的な同意なく収集するプログラムであり、主にビッグ・テックなどの巨大企業のビジネスを支えているとされている。これらの企業はトラッカーで得た情報を用いて広告や検索結果をユーザーに合わせてカスタマイズして利用者の利便性を向上させようとしているが、これらをプライバシーの侵害、私生活の監視だと感じる者もおり、このようなトラッカーをブロックするウェブブラウザなどもリリースされている。

Web広告はテレビラジオなどと並ぶほど広告費が高くなるなどの進展を見せているが、近年(2020年代)のウェブ広告からは広告がウェブページの見栄えを悪くする、利用者を詐欺に誘導する、違法な商品の宣伝に用いられる、マルウェア的な振る舞いをする(アドウェア)、利用者が本来のコンテンツを見るのを妨げるなどの問題点が見られるようになっており、利用者が目障りな広告をブロックするための広告ブロッカーなどのソフトウェアも登場した。しかし、それに対して広告を発信する側が対策をし、その対策さえも乗り越えて広告をブロックするソフトウェアが少し経ってから流通するなどまるで"いたちごっこ"のような状態になっている。

また、画像や動画などを含む広告が増大することで無線パケット通信料金が高額になる、読み込み時間が長くなるなどの弊害も見られる。これらの問題により利用者が広告を嫌がるため広告の効果が薄れ、広告を出す企業は更に広告にかける労力などを増やす。するとまた広告を不快に感じる利用者が増えるという悪循環が起こっている。

歴史

1960年、インターネットの前身ARPANETに直接影響を及ぼした概念であるJ・C・R・リックライダータイムシェアリングシステムが発表されるMan-Computer Symbiosis 「人間とコンピュータの共生」 1960年3月

1969年10月29日、後のルータの原型となったIMPを用いてUCLAスタンフォード研究所(SRI)間が接続されインターネットが40周年 最初に送られたメッセージは「LO」 - ITmedia News40th Anniversary of the Internet / UCLA Spotlight、同年12月5日までにUCサンタバーバラユタ大学が接続され4つのノードのインターネットが実現された。これがARPANETであり、インターネットの技術的起源とされる「図説 日本のメディア」p181 藤竹暁編著 NHK出版 2012年9月30日第1刷発行

1983年、ARPANETがプロトコルをそれまで利用していたNetwork Control ProgramからTCP/IPに切り替えるそのため別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.93.には、1980年代サブカル・流行一覧にインターネットの誕生が紹介されている。

1984年9月、村井純がテープメディアの物理的な配送の代わりとして電話回線を用いた300bpsの速度の回線で慶應義塾大学東京工業大学を接続した。同年10月に東京大学が接続され、日本のインターネットの始まりであるJUNETに拡大する。インターネット 歴史の一幕:JUNETの誕生 - JPNIC ニュースレターNo.29これはインターネットの研究をするため、3大学での研究を重ねる意図もあった『インターネットの秘密』24ページ。

1986年、アメリカの「全国科学財団」による学術研究用のネットワーク基盤NSFNetが作られ、インターネットのバックボーンの役割がARPANETからNSFNetへ移行する「図説 日本のマスメディア 第二版」p257 藤竹暁編著 NHKブックス 2005年9月30日第1刷発行

1988年、アメリカで商用インターネットが始まる。同年、日本でWIDEプロジェクト開始「インターネット」p155-156 村井純 岩波書店 1995年11月30日第1刷発行

1989年、商用ネットワークとNSFNetとの接続が開始される。

1990年、スイスの素粒子物理学研究所・CERNの研究員であったティム・バーナーズ=リーは、当時上司だったロバート・カイリューらの協力によりWorld Wide Webシステムのための最初のサーバとブラウザを完成させ、世界初のウェブページが公開された。

1992年、米国ではWindows 3.1 for Workgroupの発売もあり(日本語版は発売されていない)、一般にもインターネットが普及する。

1994年7月、アメリカのタイム誌で、「インターネットは核攻撃下でのコミュニケーションの生き残りを想定して開発された」"BATTLE FOR THE SOUL OF THE INTERNET". TIME, 1994年7月25日。という記事が掲載される。以降、ARPANETは核戦争時のための軍事ネットであるという俗説が流布するようになる。一方、ARPANET立ち上げ時のIPTO責任者であったロバート・テイラーは、この記事に対して事実とは異なる旨、正式な抗議をタイム誌に対して行った。

1995年、NSFNetは民間へ移管された。

1999年にInternet of Things(IoT)という用語が提唱された。

1999年にはADSLによるインターネットへの接続サービスが開始される。

2000年から2010年に掛けて、インターネットに接続される計算機やセンサーが加速度的に増えるに従って、インターネットを介して膨大な実世界データが収集可能となり、そのような巨大知のデータを処理する専門の職業まで現れた。(データサイエンティスト)

2001年にはFTTHCATV無線通信によるインターネットへの接続サービスが開始される。

2002年から2005年に掛けて、友人紹介型のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が提供され始める。

2004年にWeb 2.0の概念が提唱される。

2005年は、2010年代に一般的な日常生活で使われるようになる様々なサービスが提供開始した時期である。Google マップのサービス提供開始、iTunes Music Storeの日本へのサービス提供開始、2005年末にはYouTubeがサービスを提供を開始した。特にWebサービスに関わる重要な出来事が集中している。

1998年末にはドリームキャストが、2004年末にはニンテンドーDSが、2005年末にXbox 360が、2006年末にはPlayStation 3Wiiがオンライン機能を標準搭載し発売され、家庭用ゲーム機でもオンライン対戦の一般化が進んだ。

2005年からネットレーベルの音楽業界への台頭が始まる。

2000年代後半には動画サイトやSNSなどが流行し、インターネットにおけるコミュニケーション活動が活発化した。スマートフォンの普及もこれを後押しした[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30954390V20C18A5EA4000/ ネット利用、スマホがPCを逆転 総務省調査]</ref>。

2020年新型コロナウイルスのパンデミック対策として世界的にテレワーク化・リモート化が推進された。

社会的影響

WWWが発明された1990年から2010年までの20年間に、インターネットは学術ネットワークから日常生活のインフラへと変革を遂げた。それに伴い情報の流通量の激増と取得コストの大幅な低下が起き、世界の在り方そのものが大きな変革を遂げ、ユビキタス社会となった。この変革はIT革命デジタルトランスフォーメーション(DX)などと呼ばれてきた。

グローバリゼーションの加速

1990年代からグローバリゼーションの急加速は、インターネットや情報技術の進歩による部分が非常に大きい「グローバリゼーションと開発の主要課題」p34 大坪滋(「グローバリゼーションと開発」所収)大坪滋編 勁草書房 2009年2月25日第1刷第1版発行

たとえば文化的グローバリゼーションに関しては、2007年より動画共有サービスYouTubeニコニコ動画など。、2010年よりSoundCloudなどの音声ファイル共有サービスを用いて、国境を越えて音楽を発信したり発見したりすることが活発化した。一般のリスナーでも音楽関係者でも、国境や文化圏を越えて異ジャンルの音楽に触れることができるようになり、隔たっていた様々な音楽の融合も加速した。政治的グローバリゼーションでは、国境の向こう側の政治的状況もよく伝わり、容易に連絡も取り合えるので、自国の状況も他国と比較しつつ把握できるようになり、グローバル規模での民主化も促進された「Next教科書シリーズ 政治学」p158-159 山田光矢編 弘文堂 2011年3月15日初版1刷。2010年から2012年にかけてのアラブの春において、インターネットによって連絡を取り議論を深めていった市民が独裁政治を倒したのは、ひとつの例である「中東・北アフリカの体制崩壊と民主化 MENA市民革命のゆくえ」p242-243 福富満久 岩波書店 2011年10月18日第1刷発行。なおこの政治的グローバリゼーションは民主化の方向にばかり進んだわけではなく、例えばイスラーム圏のイスラーム教徒同士も国境を越えて容易に交流できるようになり、それを利用してISIL(イスラム国)などの原理主義軍事勢力がグローバル規模で戦闘員の募集を行うなどの弊害も起こった。

検閲と監視

OpenNet Initiative "Summarized global Internet filtering data spreadsheet" , 8 November 2011 and "Country Profiles" , the OpenNet Initiative is a collaborative partnership of the Citizen Lab at the Munk School of Global Affairs, University of Toronto; the Berkman Center for Internet & Society at Harvard University; and the SecDev Group, Ottawa"Internet Enemies", Enemies of the Internet 2014: Entities at the heart of censorship and surveillance, Reporters Without Borders (Paris), 11 March 2014. Retrieved 24 June 2014.330Internet Enemies331, Reporters Without Borders (Paris), 12 March 2012




インターネットが急速に普及する一方で、権威主義国家を中心にインターネットへのアクセスの一部制限や検閲をする国家も目立ってきている。2019年の調査では、世界のインターネットユーザーのうち71%は国家によってインターネットの利用時に拘束されるリスクがあるとされる「デジタル化する新興国」p170-172 伊藤亜聖 中公新書 2020年10月25日発行。こうした検閲で特に知られるのは中華人民共和国であり、ネット上での言論や発言には強い監視と規制が加えられ、監視カメラ網やネット利用履歴による社会信用システムを通じて市民に対する介入をさらに強めている「デジタル化する新興国」p174-179 伊藤亜聖 中公新書 2020年10月25日発行

従来型メディアの位置づけの低下

インターネットの普及は従来の産業にも変化をもたらした。ネット普及により大きな影響を受けた産業の一つとして、マスメディアが挙げられる。新聞テレビといった従来型のマスメディアはネット利用の急増に伴って、相対的位置付けの低下が徐々に進行している。日本を例にとれば、1995年から2010年にかけてインターネットの利用が激増する「メディアと日本人」p70-71 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷一方で、テレビ視聴時間は微減「メディアと日本人」p54 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷、新聞「メディアと日本人」p64 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷・ラジオ「メディアと日本人」p79 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷・雑誌「メディアと日本人」p87 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷は減少傾向にある。アメリカやヨーロッパにおいては特に従来の紙による新聞の販売が漸減しており、2009年ごろから新聞社の規模縮小や廃刊が続いている「メディアとジャーナリズムの理論 基礎理論から実践的なジャーナリズム論へ」p210 仲川秀樹・塚越孝著 同友館 2011年8月22日。オンライン中心の社会となった結果、従来のマスメディアもオンラインメディアへと変化しつつある。

一方で、従来型メディアを通さないソーシャルメディア上のニュースは正確性を担保するシステムがないため信頼性が低く、受信者は発信者の信頼性によって正確性を測る傾向があるhttps://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd114120.html 「令和元年版情報通信白書 第1部 特集 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0 第4節 デジタル経済の中でのコミュニケーションとメディア」日本国総務省 2025年1月11閲覧。また、ソーシャルメディア上ではフェイクニュースが急速に蔓延するようになり、2019年の調査では世界のインターネットユーザーのうちおよそ65%がフェイクニュースを閲覧した経験があるとされている「デジタル化する新興国」p180-182 伊藤亜聖 中公新書 2020年10月25日発行。こうしたフェイクニュースの蔓延を受けて、さまざまな機関でファクトチェックが行われるようになってきている「よくわかるメディア法 第2版」p78 鈴木秀美・山田健太編著 ミネルヴァ書房 2019年5月30日第2版第1刷発行。これに関連し、2019年末からの新型コロナウイルス感染症の世界的流行においてはインターネットを介して急速な誤情報・偽情報の拡散が起き、世界保健機関はこれをインフォデミックと呼んで対策を取るとともに警戒を呼びかけた「デジタル化する新興国」p218 伊藤亜聖 中公新書 2020年10月25日発行

平和の促進

オーストラリアに本部を置き、米国、オランダ、ベルギーに支部を持つ経済平和研究所(Institute for Economics and Peace)の2023年版「積極的平和報告書要約(Positive Peace 2023 Briefing)」によると、インターネットの普及率は世界平和指数と0.64と強い相関関係がある

認知症の予防

専門家は、1日約2時間のインターネット利用が認知症予防に役立つ可能性がある一方、1日6〜8時間の過度のインターネット利用は認知症予防につながらないと主張している

普及と情報格差

普及初期、世界的に常時接続環境が提供されているのは都市部が中心で、先進国でも山間部や離島などでは不十分なものだった。さらに発展途上国に至っては通信も電力も存在していない地域があり、情報格差が問題になっていた「メディア学の現在 新版」p128 山口功二・渡辺武達・岡満男編 世界思想社 2001年4月20日第1刷。その都市部や先進国でも当初、パソコンが高価だったことや操作体系が複雑だったことから、未来学者のアルビン・トフラーは、パソコンスキルの有無や経済力で情報格差が生じると予想していた(後に「誤算があった」として、パソコンの低価格化などにより誰にでも広く普及すると修正した)。

その後、発展途上国でインターネットは急速に普及した。1995年時点でインターネットユーザーの84%はOECD加盟国住民だったが、2009年にはこれが50%を割り、その後も発展途上国住民のインターネットユーザーに占める割合は高まり続けている。利用率についてはいまだ先進国と発展途上国の間に格差はあるものの、インターネット普及を前提とした途上国におけるベンチャー企業の勃興も広く見られるようになってきた「デジタル化する新興国」p22-25 伊藤亜聖 中公新書 2020年10月25日発行

2017年、日本の内閣府の0歳から満9歳までの子供の保護者を対象とした青少年のインターネット利用環境実態調査によると、全体の39.2%の子供がインターネットを利用していて、0歳児で3.1%、2歳児で28.2%、5歳児で36.8%、9歳児で65.8%、と利用する割合が増えており、平日1日当たりの利用時間は平均で1時間余りとなった低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査 - 内閣府0~9歳児の約40%がネット利用 内閣府調査 | NHKニュース

一方で、インターネット普及の割合が増えれば増えるほど、逆に高齢者の一部などのインターネット未利用者にとっての情報格差は、より一層深刻な状態になっている「図説 日本のメディア」p204-205 藤竹暁編著 NHK出版 2012年9月30日第1刷発行。インターネットへのより平等なアクセスを持つ国は、より高いスキル能力を持つ国でもある。ドメイン全体での国のスキルの習熟度とインターネットを使用している人口の割合の間には、有意な正の相関関係(65%)がある

テレワークの普及

1990年代後半からは自宅でPCとインターネットを使って仕事を行うSOHOが、2010年代からは場所を選ばないノマドワークが流行したが、あくまでも特殊な働き方の1つに過ぎなかった。しかし、2020年新型コロナウイルスのパンデミック以降は直接の対面を避けて働く人が大幅に増え、場所を問わない働き方全てがテレワークとして集約され普及した。今後は全ての分野で急速に遠隔化が進むと予想されている。

脚注

注釈

出典

関連項目

  • パソコン(PC)
  • - 世界的な基幹ネットワーク・インフラを提供するネット会社。
  • - ある一国を排除する形のインターネット
    • (ドゥームサーフィン) - ネガティブな情報を集めることに時間をかける状態。ネガティブな感情の時に、よりネガティブな情報を集める傾向などが報告される。

外部リンク

Category:民生転用技術

wikipediaより

このキーワードに関連するベストプラクティス

詳細検索:条件をk選択して検索できます。

google地図から検索:Google Mapから検索できます。 google画像から検索:事例ごとの画像で検索できます。
環境首都コンテスト全国ネットワーク
辞令を動画でみる:公益財団法人ハイライフ研究所
サイトポリシー | サイトマップ | 個人情報保護方針 | アクセシビリティ方針