水文学において涵養(かんよう)、または地下水涵養は、地表水(降水を主としてほかにも、湖沼水・河川水、貯水池・雨水浸透ますなどの水、その他)が地下浸透して帯水層に水が供給されること※p.11(コマ番号では18/43)。その供給源を涵養源くらしと農業用水 農業用水の多面的役割 9.水源かん養、供給元となっている河川域を涵養域(英語 recharge area)『自然地理学事典』p.162という。
対義語としては「流出」あるいは「湧出」を用いる。涵養の起こる場所は「涵養域(かんよういき)」といい、対して、流出・湧出の起こる場所は「流出域」もしくは「湧出域」という。、中国語では「地下水補給」などという。現代日本語の公文書等では「涵」の字を「かん」とし混ぜ書きすることがある(用例:水源かん養保安林)。英語では "groundwater recharge" などという。
河川や湖沼といった地表水・表流水に水が加わってもそれを「涵養」とは呼ばない。
一般に、自然に水が沁み込むのと同じように、無理をしないで少しずつ教え養うことを涵養と言う。「涵」の字義は「ひたす(浸す)」。初出は『陳書 沈炯伝』真愚稿(1422年頃か)。用例を挙げるならば、「徳性を涵養する」「読書力を涵養する」。。なお、現代日本語において、「涵」の字は常用漢字表外字のため、公文書等では交ぜ書きで「かん養」と表記する。
帯水層への自然状態での涵養量が少なく、地盤沈下や、河川基底流量減少、湧水枯渇などの対策を行うため、人為的に帯水層への涵養を行うことがある。
人為的な涵養方法は、以下の方法がある。直接測定することができないため、地表の水量の時間変化を測定し、その量から蒸発散量を差し引くことで推定している。