三島市
みんなでつくろう小さなダム 森の小さなダムづくりで地下水涵養
市東部に広がる箱根西麓森林から間伐した丸太で小さなダムをつくることで、地下水涵養力を向上するとともに、活動を通して市民の節水意識の向上にも役立てる。
事例本文
富士山や箱根山などに水脈を持つ豊富で良質な湧き水により、
「水の都」ともよばれる三島市。
市内では数か所から水が湧き出しており、それらがせせらぎとなってまちを潤わせている。
しかし、1960年代後半以降、
地下水使用量(生活・
工業用水など)の増加や
都市化の進行(道路・河川整備、
水田の減少など)などの理由から減りはじめ、
当時の水辺の
風景を見ることができるところも減少傾向にある。
市東部に広がる箱根西麓などの森林の面積は、市の面積の約4割を占め、
その約7割が
人工林である。
本来、森林が持っている働きを十分発揮させるためには、
人工林において枝打ちや
間伐などの管理を継続して行う必要があるが、現在は放置された状態の場所が多い。
そこで、
地下水涵養力を高めるため、
間伐した丸太を2、3段積上げた
小さな
ダムをつくる取り組みを始めた。
ダムには、雨水の流れをせき止めることによる流量調整、
溜まった雨水を少しずつ地下にしみこませることによる
地下水涵養、
土砂の流出を防止によるがけ崩れ防止や洪水防止といった、
森林の働きを高める効果が期待できる。
これまで
市民ボランティアや小
中学校の
総合学習等の協力により、
2012年3月現在、729基の森の小さな
ダムが設置されている。
本事例が
環境首都コンテストの先進事例に選ばれた2004年7月当時は335基であったから、
着実にその数も増えつつある。
また、活動を通して、
市民の
地下水保全に対する理解の浸透や
節水意識の向上にも役立っている。
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