PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、生産技術における品質管理などの継続的改善手法。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。PDCAサイクルは、主に日本で使われ、Aのみが名詞のActionといわれる。
PDCAの提唱者といわれるデミングは、晩年までCheckはHold Backという停止を意味することから好ましくないと主張していた。PDCAはシューハート・サイクル (Shewhart Cycle) またはデミング・ホイール (Deming Wheel) と関係無いとも証言をしている。没年には、Checkを研究を行うStudyに置き換えPDSAサイクルとすべきであると主張した。
第二次世界大戦後、日本において、統計的品質管理をウォルター・シューハートの弟子エドワーズ・デミングが日本科学技術連盟(日科技連)にて講演した。この講演を聞いた日科技連の幹部がPDCAを提唱したとされる。
PDCAサイクルという名称は、サイクルを構成する次の4段階の頭文字をつなげたものである。
この4段階を順次行って1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように1周ごとに各段階のレベルを向上(スパイラルアップ、spiral up)させて、継続的に業務を改善する。この手順に従う活動は本来的に、統計的品質管理(クオリティ・コントロール、QC)として工場でのQCサークル運動のツールであったが、多くのビジネス関係者がより広い経営活動一般に適用しようとしたため、PDCAの欠点や問題点が指摘されるに至っていた。この解決のために、戦略の一般理論であるOODAループが提唱されている。
PDCAサイクルの考え方は、品質管理システムである ISO 9001、ISO 14001、ISO 27001、JIS Q 15001 などに用いられている。
また、労働安全衛生マネジメントシステムでは、これらのISOと同様なPDCAサイクルを活用して危険の元凶となる事柄を特定し、リスクアセスメントを行うことでリスク低減を継続的に実施している。
しかし、変化の激しいVUCAの今は、PDCAの問題点や致命的欠点が指摘されている (「PDCAサイクル」:問題点と致命的欠点)。