- ホーム
- | ベストプラクティス一覧
- | プロジェクトの趣旨・目的
- | 実施主体の概要
- | リンク集
- | お問合せ
- | 地図から検索
- | 画像から検索
- | キーワード検索
自動販売機(じどうはんばいき、)とは、不特定多数の人間が通貨(貨幣)もしくはそれに代替するカードなどを投入して対価を払うことで自動で商品(物品)の購入やサービスの提供を受けることができるようにした機器。自販機(じはんき)とも略される。乗車券や食券などの券を販売する機械については「自動券売機」とも言う。
代金を投入し、機械を操作すれば、商品を受け取り、釣りを用意する機構が伴う機械では釣り銭を受け取ることができる。
商品の販売者の側から見れば、自動で販売を行ってくれる機械である。人手不足や人件費高騰の対応策として効果があり、休日や夜間も営業できる利点がある。
世界最古の自動販売機は、アレクサンドリアのヘロンの著書に記述されている古代エジプトの聖水販売機だったとされる。近代の、硬貨で煙草が買える自動販売機としては1615年のイギリスのものが現存している。日本では、1890年に、小野秀三、俵谷高七それぞれが自動販売機の特許を得た(詳細は節「歴史」を参照)。
自動販売機の操作機構としては、硬貨の重量や購入者自身の操作による機構で作動する手動式のものも存在するが、現代の自動販売機は多くは電気式である。その内部的な機構は一般的に、「金銭装置」「指示装置」「貯蔵・加工装置」「販売装置」から構成されている(詳細は節「構成と構造」を参照)。
現金決済のほか電子マネーなどのキャッシュレス決済が可能な機種もあり、現金の場合には金銭の投入後に商品を選択し、電子マネー等のキャッシュレス決済の場合は商品選択後にICカード等により決済を行う。購入時にポイントを加算する機能を持つものもある。また最近では、災害時に飲料を無償で提供する機能や、自動体外式除細動器(AED)の収納、無線LANのアクセスポイント機能など、特殊な機能を追加したものもある(詳細は節「多機能化」を参照)。
自動販売機は、消費電力の大きさ、光害問題、未成年の喫煙や飲酒への影響、窃盗問題などさまざまな問題に直面してきたが、問題に対処すべく対策が打たれてきた。現在もキャッシュレス決済に対応した機種の開発や導入が行われている(詳細は節「問題点と対策」を参照)。
世界初の自動販売機は、古代エジプトの寺院に設置された聖水を販売するための装置である。この装置は完全自動で5ドラクマ硬貨を投入すると、硬貨の重みで栓が開き、蛇口から水が出る構造であった。この記述図解はアレクサンドリアのヘロン著『気体装置(Pneumatika)』にある(原本は失われているが、1587年の写本がフィレンツェ国立中央図書館に所蔵されている)。しかし、ヘロン自身の発明なのか彼の師の発明を記述したものかは分かっておらず、この装置の発明者は不明である。また、どのくらい広く用いられていた装置なのかもよくわかっていない。
現存している最古の自動販売機は、1615年のイギリスの煙草自販機で、居酒屋や宿屋に設置されていたものである。箱の上部の硬貨投入口から半ペンスコインを投入すると蓋が開いて商品を取り出すことができる仕掛けであるが、蓋が開いたあとは手動で閉じる必要があり、宿の主人や使用人が蓋を閉めていたため実用的なものではなかった。
イギリスでは1857年にデンハムの郵便切手自販機に対して、初めて特許が付与された。
アメリカ合衆国では1884年にフルーエンの自動引出装置に対して特許が与えられた。
1888年にはトーマス・アダムスが自社製のガムを販売するための機械を開発して駅に設置した。また、販売を促進するゲーム性を自動販売機に追加するアイデアは、1897年にPulver Manufacturing Companyによって小さなフィギュアのおまけつきのものが設置された。このアイデアは売買活性機(trade stimulator)として知られる新しい仕組みとして広まっていき、スロットマシーンやピンボールの誕生につながることになる。
1925年にはウィリアム・ロウによって異なる価格の多品種の商品を販売できる煙草自動販売機が開発され、一般にはこれによって近代自販機の歴史が始まったとされている。
日本では、物品の販売機ではないが、1876年(明治9年)に上野恩賜公園内にあった新聞縦覧所に自動体重測定器が設置された記録があるものの、製造者や設置期間などは不明である。
物品販売の自動販売機としては、1890年(明治23年)、小野秀三による自動販売機の特許(1888年3月出願、特許第848号)と俵谷高七による自動販売機の特許(1888年12月出願、特許第964号)の2件の特許がなされた次代に継がれるものづくり 第2回 -「自動」を生んだ創造力 ヤマザキマザック、2017年5月19日閲覧。このうち俵谷高七は、郵便局からの依頼を受けて器具類を製作していた長州藩(現・山口県)の下関の指物師で、1890年の第3回内国勧業博覧会への出品を果たした。俵谷の自動販売機にはすでにスラグリジェクター(偽貨排除)やコインリターン(売切時の硬貨返却)の機能が搭載されており、当時の欧米の機器にも見られない先駆的なものであった。俵谷が1904年(明治37年)に発明した「自働郵便切手葉書売下機」は、現存する日本最古の自動販売機とされ、逓信総合博物館に所蔵されており、また前述の煙草自動販売機が博覧会に出品されたことから、日本最初の自動販売機発明者としては俵谷の名前が広く知られている。
明治時代にはさまざまな自動販売機が製作されたが、単発的・実験的なものがほとんどで、一般に定着するレベルのものではなかった。
1924年(大正13年)には中山小一郎が、袋入菓子の自販機を製作し、これが日本初の普及型の自動販売機とされている。
1926年(大正15年)4月25日、東京駅と上野駅で入場券の自動券売機(10銭)が稼働し始めた「東京・上野両駅に入場券の自動券売機登場」『東京朝日新聞』1925年4月25日夕刊(大正ニュース事典編纂委員会 『大正ニュース事典第7巻 大正14年-大正15年』本編p.479 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)。
1951年の朝日新聞では、アメリカ特派員の記事として、ニューヨークタイムズ社のオフィスに存在したカップ式の清涼飲料水自動販売機が取り上げられている。25セント銀貨を入れると5セント銅貨が4枚お釣りとして出てくること、カップが自動的にセットされて清涼飲料水が定量出てくることが味気ないとして報じられており、同時期に日本にはこの種の販売機が存在しなかった、もしくは一般的ではなかったことがうかがえる「アメリカあれこれ ロボット販売機の話 小銭文明の味気無さ」『朝日新聞』1951年(昭和26年)10月21日3面。
昭和30年代前半になると、自動販売機は物珍しい機械から本格的な実用化の時代へ移行した。1957年(昭和32年)には丸ビルにタバコの自動販売機が設置され全国に普及した。
自動販売機は昭和40年代に急速に普及した。その要因として、1967年(昭和42年)に100円・50円新硬貨(白銅貨)が発行されたことが挙げられている平成2年 国民生活白書 人にやさしい豊かな社会 第II部 技術と生活。
特に1967年に、国鉄が合理化の一環として、都市部で近距離乗車券発行用自動券売機の全面的な導入に踏み切ったことが、大きな影響を与えたといわれている。
日本全国の自動販売機設置台数は、20世紀中は増加の一途をたどり、2000年(平成12年)には560万台とピークを迎えた。21世紀に入ってから減少傾向に転じ、2007年(平成19年)末には日本自動販売機工業会の調査によれば540万5,300台でうち48.8%が飲料販売用、2008年(平成20年)12月末には526万台とその傾向が続いているもはや100円でも売れない……自販機不況に活路はあるか? - 1 / 2 Business Media 誠 2009年11月19日。自販機による売上も、2000年の7兆円から2008年(平成20年)には5兆7,000億円へと減少した。日本での購買者の比率は男性9:女性1とされる。日本国内で自動販売機の工業製品出荷金額がもっとも高いのは三重県である。自動販売機の生産台数がもっとも多いのは四日市市飲料自動販売機国内第1位である富士電機の自動販売機(を始めとした食品系電気機器各種)の製造拠点である三重工場がある。で、年間で約12万台が生産されている。
駅ではキヨスクなどが閉店したあとに利用客の不便を減らすため、または人件費カットを目的にキヨスクを自動販売機に置換していることも多い。また近年ではSuicaなどの交通系電子マネー支払い専用とした自動販売機も登場した。これは貨幣を扱う可動部を省くことで、機械の維持コスト低下に貢献している「現金お断り」の格安自販機 JR東が不振打開へ一石 日本経済新聞 2015年8月10日。
2010年代に入ると缶飲料の自動販売機などで、「硬貨を投入しやすい」、「選択ボタンを押しやすい」、「商品を取り出しやすい」ことなどに主眼をおいたユニバーサルデザインを意識した機器が開発され始めた。
自動販売機は大別すると物品自動販売機と自動サービス機に分けられる小学館『日本大百科全書』「自動販売機」。佐渡勝利 執筆。。
国際的なHSコードでは、自動販売機はほとんどが物品の自動販売機(847619)に分類され、飲料の自動販売機、その他の自動販売機、部分品に分類される(以下は加熱機能または冷蔵機能を自蔵するか否かのみの分類となっている)。
日本標準商品分類では非常に細かく分類されており、自動販売機及び自動サービス機(58)のうち自動販売機(581)に分類される。自動販売機は物品等自動販売機(5811)とサービス情報自動販売機(5812)に大別され、さらに以下に細かい分類が設けられている。
一般には、冷やしたり温めたりしたさまざまな容器(缶・瓶・ペットボトル・紙パッケージ・カップ)入り飲料、カップめん、菓子パン・菓子類、煙草、雑誌・新聞など保存の簡単なものが多い。また特殊なところでは、その都度豆から挽いて抽出するコーヒー、冷凍食品(焼きおにぎり、焼きそばなど)を内蔵電子レンジなどで温めて提供する自販機もある。麺類では、ゆでられた麺を湯がいてからスープを入れて提供するタイプがある。カップ麺の場合は、湯で戻して提供され、箸がついてくるものもある。
交通機関の乗車券や特急券、遊園地やテーマパークなどの入場券、各種プリペイドカードなど、券の形をした商品を販売するものは特に自動券売機ともいう。
近年では、ガソリンなどの油脂類を顧客自らが給油機で注文を行い、給油までの操作をすべて自分自身で行う「セルフ式」といわれる方式を採用するガソリンスタンドが多くなった。これも、給油機そのものが一種の自動販売機といえる。ただし、日本などではガソリン車に軽油を給油するといった誤給油を防ぐために、注文後に別室にいる従業員が目視を行い給油の許可を給油機に与えないと給油を行うことはできない。したがって、一連の給油操作がすべて自動販売化されているわけではない。
手動式の自動販売機で取り扱われる商品はチューインガムやチョコレートなどの駄菓子や新聞などが多い。
ファイル:Bahnautomat.jpg|多言語対応の券売機(ドイツ鉄道)
ファイル:Gumball machines Dallas 2008.jpg|ガムの販売機
ファイル:Red Color Coordinated Vending machines in Japan.jpg|外観に統一感を持たせた販売機
新聞の販売機(上記画像参照)は、硬貨を金額分投入するとケースの鍵が開き、手動でケースを開けて、中に積んである新聞の束から一部をつかんで取り出す方式である。新聞の一面を陳列するために、一部だけはケースの透明な窓を内側から覆う形で置いてあり、最後の購入者はその新聞を取り出す。以降はケース内が空であることがわかるようになる。一度に複数部を取り出す不正行為を防ぐための機構はない。電気を要さないこともあり管理コストがほとんどかからず、また販売機も商品原価も安価であることから窃盗被害の影響もあまり受けず、市街地の路上に多数設置されて新聞の主要な販路の一つとなっている。
自動販売機のような有形の物を提供する代わりに無形のサービスを提供する機械を特に自動サービス機と呼ぶ。国際的なHSコードでは「物品の自動販売機(たとえば、郵便切手用、たばこ用、食料品用又は飲料品用のもの。両替機を含む)」(8476)というカテゴリになっており両替機などと区別していないが、日本標準商品分類では自動販売機(581)と自動サービス機(582)は別の機器としている。
基本的には、1990年(平成2年)6月改訂の日本標準商品分類(一部追記)に沿って記載する。物品の場合、食品系(食品・飲料)と非食品系に分かれる。
コンビニエンスストアや24時間営業のスーパーマーケットの出店増加などにより、一昔前と比較すると販売する品目は減少してきている。現在、日本の自販機でよく見られるのは券売機や需要の多い飲み物・アイス、対面では買いにくいコンドームである。
ファイル:Vending machines in Rimpukan 2.JPG|飲料の自販機(関西大学)
ファイル:Jihanki5205.JPG|紙コップ入り飲料の自販機
ファイル:Chewing gum vending machine of Japan.jpg|チューインガムの自販機
ファイル:Otsumami Vendor in Asakusa.jpg|おつまみの自販機
ファイル:Udon vending machine.JPG|うどんの自販機
ファイル:Rice vending machine in Tokyo - Aug 9, 2006.jpg|米の自動販売機(2006年 東京)
ファイル:Vending machine of Japanese local curries in retort pouches at Asakusa in Tokyo 2018-9-23.jpg|全国のご当地レトルトカレーの自販機(東京・浅草)
ファイル:The fresh vegetable vending machine, Kita-ku, Tokyo, Japan.JPG|生鮮野菜の自販機(東京都北区)
ファイル:Condom&Drink Vending machine Akashi Honmachi 明石本町 ジェクス、オカモトコンドーム、清涼飲料水自動販売機 DSCF2172.jpg|並び立つコンドームと栄養ドリンクの販売機
ファイル:Vending machine of insects canned food.jpg|昆虫食缶詰の自販機
ファイル:News Paper Vendor at Mainichi Hanaten Osaka.jpg|新聞の自販機「ニュースくん」(毎日新聞放出販売所にて)
ファイル:Tabacco vending machine.jpg|たばこの自販機
ファイル:Buddhist amulet vending machine Zenkoji.jpg|お守りの自販機(善光寺)
ファイル:Zihanki of kandenchi.JPG|乾電池の自販機
ファイル:Vending machine sells iPod.jpg|iPodも販売される「zoom shop」iPod、自販機でも販売中 - ITmedia ニュース、2005年10月24日
ファイル:Vending machine in Tokyo metropolitan central library.jpg|文房具と菓子の自販機(図書館)
ファイル:Medal for souvenir.jpg|記念メダル販売機(茶平工業)
ファイル:コスモスのガチャガチャ 横二台連結タイプ.jpg|カプセルトイの自販機(コスモス)
ファイル:セルフスタンド出光P5211583.JPG|セルフ式ガソリンスタンドの燃油販売機
ファイル:Gold vending machine in Dubai.JPG|アラブ首長国連邦・ドバイ市にある金の自動販売機
完全に姿を消したわけではないが、急速に姿を消しつつある自動販売機の種類として、以下のようなものが挙げられる。
『大日本百科全書』では、自動販売機の構成は、金銭装置、指示装置(制御装置)、貯蔵・加工装置、販売装置からなると説明されている。自動販売機は商品を現金で購入する形式のものが大多数であるが、Suicaなどの交通系ICカードで買い物が可能になって以降は、さまざまな種類の電子マネーで購入することが可能な自販機が急増している。自販機を破壊して内部の現金(および商品)を強奪する事件も起きているため、被害対策として逆に現金で購入することができない仕様の自販機もある。また、クレジットカード(およびデビットカード)の使用が可能な自販機もある。
自動販売機に内蔵した紙幣識別装置や硬貨選別装置が検知して紙幣や硬貨の真偽を判別する。
コインの投入口には縦の機種と横の機種が混在しており、飲料自販機やたばこ自販機は横のものが多く、乗車券自販機は縦のものが主流となっている。
1999年頃から偽造・変造五百円硬貨が問題になり(大韓民国ウォン参照)、2000年に基本的な図柄はそのままで材質の変更を行い、2021年11月1日から3層の新500円玉硬貨が導入された500円玉の歴史は偽造硬貨の歴史 2代目の500円玉硬貨登場 Forbes JAPAN 編集部 2022年8月1日。
なお、2010年代終盤あたりからは、機械に衝撃を与えて機器を誤作動させ、釣銭を盗み出す新手口の窃盗も相次いでいた【独自】自販機荒らし 新たな手口…10都県 衝撃で誤作動 釣り銭盗む 読売新聞 2019年12月31日。
一方、キャッシュレス決済には、磁気カードによるプリペイド方式、ICカードによる電子マネー方式、QRコード決済・バーコード決済などのコード決済方式があるほか、非接触型のICチップを内蔵した携帯電話によるキャッシュレス決済(モバイルベンディング)を導入している機種もある。特に酒や煙草の自動販売機では、年齢認証つきの電子マネー専用とすることで、20歳未満への販売を防止できる効果もある。
中国では2010年代後半になり(有人販売だけでなく)自動販売機も急速なキャッシュレス化が進み、現金を受け付けない自動販売機も増えた。
ファイル:2nd Cmode 2.jpg|携帯電話の認証口
ファイル:Suica drink vendor1.jpg|Suica対応自販機
ファイル:Smartphone vending machines and smartphones.jpg|bluetoothで接続するスマホ自販機
本体部・商品棚の後ろ側には商品のストックが入っている。コインを入れボタンを押せば内部の電磁コイルなどが通電し、商品を出す。また、下にベルトをつけ、一度落下させた商品を上に持ってくることで取り出しやすくした自動販売機も存在する。
缶飲料同様の自動販売機も存在する。仕組みは缶飲料の自動販売機とほぼ同じだが、ペットボトル同様詰まりやすいという欠点を持っていた。缶と異なり、瓶が横方向に滑るように落下するのではなく、買い手の手前方向に落下する。
パン類や菓子類の自動販売機の場合、前面がショーウインドー状になっておりスイッチを押すと選択した商品の載った渦巻状のラックが回転し商品を前方の取出口に落下させるスパイラル式のものがある。ほかにもバケットが受け取りに向かい、バケットにコンベア上の商品を掻き出すものもある。これらは汎用性が高く、パン類や菓子類以外にも使用される。特異な例としては入院着というものもある。
構造は、数段の円盤上の棚に商品が並べられ、商品と商品との間は仕切り板で仕切られている。1つの円盤上には6〜8程度の商品が並べられ、回転ボタンを押すことにより商品が循環する仕組みとなっている。希望の商品が手前に来た時点で回転ボタンを放し、扉を開け、希望の商品を取り出す仕組みである。大衆食堂や、ドライブイン、学生食堂、社員食堂などでは、おかずやおつまみの販売、鉢植えの花などの販売に用いられている。
農作物の無人販売スタンドなどでは、前面の扉を透明な樹脂にしたコインロッカーのようなキャビネットを設置し、内部に商品(野菜や果物、鶏卵など)を入れ「利用料金を支払って施錠する」コインロッカーとは逆転の発想をした「代金を支払うことによって商品を取り出せる」料金徴収方法をとっている。ただし、支払い以前に商品を手にとって鮮度を確認することはできない。
日本では自動販売機は屋外に設置されていることが多いが、アメリカやヨーロッパなどではオフィスや工場内に設置されていることが多い。治安上の問題から屋外に置いていないといわれることもあるが、自販機が風雨にさらされることを想定して設計されていないだけであって、治安のよい地域でも屋内に設置される。
アメリカでの自動販売機の普及台数は約448万台(2013年、Vending Times)、ヨーロッパでは約376万3,800台(2005年、欧州自動販売協会)である。
なお、日本では自動販売機の設置や自動販売機による販売に法規制があるほか、業界団体の自主ガイドラインがある。法規制には道路法や道路交通法のはみだし設置規制、食品衛生法によるカップ式自販機・牛乳及び乳製品・食品等の営業許可及び営業届出、消防法による屋内通路等の設置場所の規制、廃棄物処理法や容器包装リサイクル法によるリサイクルボックスの設置や空容器の適正処理などである。
商品を購入した際に、ポイントカードや、スマホアプリ、決済手段などのポイントを加算する機能のある自動販売機が存在する。現在はキャッシュレス化が進んでいることもあり、現金での購入ができないスマートフォンアプリ専用の自動販売機も存在している。
など。
災害時には炊き出しの一種として、自動販売機の中の飲料を無料で提供可能なフリーベンド機能も導入が始まっている。これは、地域で災害が発生し自治体などと設置業者の間に結ばれた協定に基づいた状況になったときに、徒歩などで帰宅する者(→帰宅困難者)や断水などにより飲料水を絶たれた地域住民の急場の需要を満たすもので、内部スイッチを手動・遠隔操作・自動で切り替えることで内蔵された飲料を無料で提供することができる“災害対応型”自動販売機に切り替わるとき エキサイトニュース 2008年10月21日。中には電光掲示板を設置したタイプもあり、インターネット回線を介してメッセージの変更が可能となっており、災害時に情報提供を行えるようになっている。商品の提供方法については、通常の販売と違って金銭を投入しなくてもボタンを押すだけで商品が出るというだけに過ぎず、基本的に停電の場合には自動販売機そのものが動作しないため、飲料提供は困難となる。
ただこういった停電により停止した自動販売機内の商品も、メンテナンス業者や店舗側の好意で被災者に提供される可能性もある。南海電気鉄道は2007年9月1日に同社の管理する自動販売機のうち、なんばCITYにフリーベンド機能つきのもの13台を設置したほか、同社が商品として各売店などに一定量在庫している計約1万本の飲料を災害発生時に提供する意向を発表している。また自家発電設備のある施設以外に設置するためのフリーベンド対応機種として、バッテリーなど内部電源を持ち、外部電源が切断した場合には電力消費の激しい飲料の冷却・保温と表示用照明を停め、飲料提供機能のみ動作させる自動販売機も登場している。
2005年1月から飲料系の自動販売機には設置場所の住所が記載されたステッカーが貼りつけられている。これは緊急時に通報者が必ずしも今いる場所を把握しているわけではないため、現在地を伝達することを目的に、全国消防長会が自動販売機業界に「自販機の住所表示」を依頼したことに始まる日本自動販売システム機械工業会「安全対策」自販機にある住所表示ステッカー。どのような経緯で?またいつから掲示されていますか?。
自動体外式除細動器(AED)を搭載した自動販売機も増えている。
公衆無線LANアクセスポイントを搭載した自動販売機も増えている。愛知万博自動販売機が無線LANスポットになると? ITmedia ライフスタイル 2004/05/31で試験が行われ、タケショウはFree Mobileの名称でアサヒ飲料の自動販売機への無線ルーター搭載をすすめている。
東京都足立区では、防犯カメラを内蔵して街頭を撮影する飲料自販機が設置されている。キリンビバレッジが警視庁西新井警察署と協力して運用している【スコープ】自販機は見ている/足立区で犯罪抑止へカメラ内蔵 深夜でも表情まで鮮明『日本経済新聞』夕刊2018年8月27日(社会面)2018年9月9日閲覧。。
缶飲料自動販売機のピークシフト・ピークカット制御の最適化も研究されている。省エネ対策として、周囲の明るさを感知するセンサーとタイマーによる点灯時間のコントロール(昼間消灯)、消費電力量のインバータ制御、LED照明を搭載した自動販売機の普及などが図られている。
なお、飲料用の自動販売機などに使用されている冷媒フロンについては、使用済み自販機の所有者が自ら回収するか、もしくは産業廃棄物処理業者などに委託して回収するなどの対策が取られている。
なお、日本では2002年に自動販売機がエネルギーの使用の合理化に関する法律の特定機器に指定されており省エネルギー化が義務化された。
日本には屋外販売機が多く、風致地区、住宅地区、オフィス地区などの景観との調和が問題になることがある。日本自動販売システム機械工業会、全国清涼飲料連合会、日本自動販売協会、日本自動販売機保安整備協会では風致地区などに設置する自動販売機について明度が低い「景観対応推奨カラー」を選定している。
煙草の自動販売機による販売は、日本・ドイツ以外のほぼすべての国で規制されている。また、自動販売機で酒が売られている例は世界ではほとんどなく、日本でしか見られない。
日本では、煙草、ビールなどアルコール飲料類の自動販売機の販売時間や設置場所に制限を設けている。煙草やアルコール飲料の販売機は国税庁の認可や免許が必要なほか、成人識別自動販売機以外の自販機では、自主規制で23時から翌朝5時まで販売停止されており、市町村や都道府県レベルの自治体による条例で、設置場所や販売時間に制限が課されていることが多い。
アルコール飲料の自動販売機の場合、成人識別自動販売機以外の自販機については、深夜から翌朝の間の販売停止については罰則がある。タバコの自動販売機は2008年7月以降、全部成人識別自動販売機となったことで、1996年4月1日より行っていた屋外設置のたばこ自動販売機の深夜(午後11時から午前5時まで)稼働自主規制について、2008年8月1日から解除された「屋外設置たばこ自動販売機の深夜稼動自主規制解除」について、全国たばこ販売協同組合連合会。なお、販売停止されていた場合は、押しボタンがすべて「売切」の点灯状態になっていた。
煙草自販機は、設置を禁止する旨の提言がなされた 日本学術会議 2008年3月4日。これらの問題点に対して、日本はWHOなどから名指しで批判されていることから、たばこ自販機は2008年より社団法人日本たばこ協会(TIOJ)らはtaspoによる成人識別自動販売機の導入を開始した。しかし、カードの貸し借りや無断使用の可能性もある。実験的に導入した種子島では補導数が減少と増加の両面が見られたことから、同カードによる効果に疑問が呈されている。
煙草自動販売機については、地方税法上は設置業者から日本たばこ産業とその関連会社が発注を受け、設置業者(店舗か自動販売機かは問わない)の所在する自治体に対し市町村たばこ税を納税することになっている。これについて、大阪府泉佐野市など一部の自治体が、企業誘致条例に基づき、自動販売機設置業者が別の自治体内で大量に販売した煙草を、行政区域内に1台のみ設けられた煙草自販機から発注したように書類操作し、多額の税収を得ていたことが判明している。該当の自治体が、見返りに業者に対し奨励金を支払っていることも判明している。地方税法上、この手の書類操作には罰則規定は無いが、総務省では、「地方税法上の趣旨を逸脱している」としており、実態調査を実施したいとしている大阪・泉佐野市 1台のたばこ自販機で15億円の税収 市は業者に1.5億円奨励金 産経新聞 2009年11月2日たばこ税収入、自販機1台で15億円 市が「奨励金」 朝日新聞 2009年11月2日。
上記の犯罪以外にも、販売商品の中身を毒物に入れ変えた瓶飲料を取り出し口に置き去りすることによる殺人事件も過去に発生している。