佐那河内村
独自予算をもつ地域コミュニティ~住民の連帯意識と相互扶助のまち~

社会の状況が変わった今も続く、住民が主体的に地域づくりにかかわる昔からの仕組み。近隣住民の相互扶助の集まりから、大きな地域の祭りなどの行事の運営を担う組織まで、村と連携しながらも、独自に自助・共助のコミュニティづくりを行っている。

事例本文

佐那河内村は徳島県で唯一の村で、人口約2800人。
徳島市の隣に位置し、かんきつ類やいちごなど、農業が盛んな村である。

ここでは、昔から地域住民による相互扶助や住民自治の仕組みがあり、
独特のコミュニティを形成している。
「講中(こうじゅう)」「常会(じょうかい)」「名中(みょうちゅう)」と呼ばれる集まりは、
それぞれ次のような役割を地域で担っている。

(1)講中:一番小さい組織。近隣住民の冠婚葬祭時のお手伝いや地域の道普請の出役など、
  住民同士の相互扶助を担う集まり。
(2)常会:講中がいくつか集まった組織で、行政や地域の行事などの
  連絡事項の周知や合意形成コミュニケーションを図る場であり、
  行政とのつながりが一番深い組織となっている。
  活発な常会の取り組み事例は、ごみ分別の推進を行政と取り組んでいる時に、
  他の常会に住民が出向き交流する中で広がっていくこともあり、人材育成にもつながっている。
  現在47の常会があり、住民の出席率は90%以上となっており、
  コミュニティの基盤が確立していることがわかる。
(3)名中:常会が集まった組織で、村には8つの名中があり、
  祭りや地域の行事等の運営を行っている。
  名中の中でも嵯峨地区の「嵯峨名中」は、11常会、約180戸の住民で組織されており、
  当初から独自の予算を持ち、所属する常会の代表者が役員となり運営している。

独自予算を持つようになった理由は、自然災害により収入が不安定であるため、
その年の名代(代表)となった家の負担を軽減し、
地域全体で必要な費用を担っていくためであった。
そのため、地域住民は戸割りで負担費用を「年貢」として納めるようになっている。

年間予算は約200万円。この地区での活動は、祭事の他、防災や公民館の運営、
諸事業の調整や問題解決、地域の里道を補修する補助の他、
名中に所属している家が火災にあった場合、地域住民が協力し再建することもあったようだ。

地域力・住民力を高めることが課題となっている今、
近隣住民間の助け合いから地域環境への対応、行政との連携、
地域の文化ともいえる祭りごとの継承など、住民が主体的に
自らの地域自治にかかわる在り方として注目される。

自治体情報

自治体名 佐那河内村(外部リンク)
都道府県名 徳島県
人口 2,588人
部署名 総務企画課
TEL 088-679-2111
FAX 088-679-2125
E-mail kenkou@xill.sanagochi.lg.jp

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