ふるさと納税(ふるさとのうぜい)とは、日本で2008年(平成20年)5月から開始された、地方と大都市の格差是正・人口減少地域における税収減少対応・地方創生を主目的とした寄附金税制の一つ。法律で定められた範囲で地方自治体への寄付金額が所得税や住民税から控除される。
地方出身者は、医療や教育等の様々な住民サービスを地方で受けて育つが、進学や就職を機に生活の場を都会に移し、現住地で納税を行うことで、地方で育った者からの税収を都会の自治体だけが得ることになる。そこで寄付先を納税者自らが選択できるようにし、各自治体が国民に返礼品となる地場産品・取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、地方自治体間の競争が進むことで選ばれるにふさわしい地域のあり方を考えるきっかけとなるよう、総務省が設けた制度であるhttp://www.city.yamato.lg.jp/web/content/000168005.pdf</ref><ref>https://www.soumu.go.jp/main_content/000614717.pdf。
”納税”という名称ではあるが、翌年に納める所得税及び住民税の一部(又は住民税のみ一部)を原資に任意の地方自治体への寄付を行うと、自己負担2,000円で寄付に対する地場産品の返礼品受領、寄付の使い道を指定したクラウドファンディングができる。寄附額を確定申告することにより寄附分の一部が控除される本制度をもって、希望自治体へ住民税の一部を”納税”するというものである。「ふるさと寄附金」とも呼称される。寄附額以上の税金が控除されるものではないので、節税には繋がらない。寄附金の使い道については、本人がその使途(子育てや教育、文化、第一次産業や商工業、環境保全など)を選択できるようになっている自治体もある。ふるさと納税ガイド「5つのステップと注意点」2021年10月1日付更新。
ふるさと納税は個人住民税の寄附金税制が拡充されたものである。寄附金の控除額は基本的に、「所得税からの控除」「住民税基本分からの控除」「住民税特例分からの控除」の3つの控除の合計金額となっている。所得税からの控除は「(ふるさと納税を行った金額-2,000円)×所得税率」、住民税からの控除(基本分) は「(ふるさと納税の寄付金額 - 2,000円)× 10%」、住民税からの控除(特例分)は 「(ふるさと納税の寄付金額 - 2,000円)×(90%-所得税率×1.021)」 となっている。所得税及び個人住民税における寄附金控除制度の変遷(内閣府NPOホームページ)2009年12月迄の寄附は、自己負担額が5,000円であった。
ふるさと納税を行い所得税・住民税から控除を受けるためには、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」をふるさと納税を行った自治体へ提出するふるさと納税ワンストップ特例制度を利用するか、「寄附金受領証明書」を添付して所轄税務署へ確定申告を行う必要がある。なお、ふるさと納税ワンストップ特例の申請者は所得税の控除はなく、住民税の控除に限られる。
「ふるさと納税」の法的根拠となっているのは、地方税法第37条の2(寄附金税額控除)、第314条の7(寄附金税額控除)および所得税法第78条(寄附金控除)である。このうち地方税法に関する条文は、2008年(平成20年)に開かれた第169回国会(通常国会)の会期中にあたる同年4月30日に参議院のみなし否決を経て衆議院において再可決、即日公布された「地方税法等の一部を改正する法律」(平成20年法律第21号)により新たに付け加えられたものである地方税法等の一部を改正する法律 - 総務省Webサイトより。この法改正を受けて同年5月より制度が開始された。
制度設計当初には想定されていなかったが、寄附者に対して寄附金額に応じ主にその地域の特産品を返礼品として送付する自治体が現れ |url=http://www.nikkei.co.jp/rim/glweb/kiji/338kiji.pdf |format=PDF |accessdate=2018-08-21}} |pages=126-130 |url=https://doi.org/10.24629/toshikeizai.17.0_125 |accessdate=2018-09-02}}、返礼品の内容をアピールして寄付を募る自治体が増えた。
ふるさと納税に係る指定制度(事前審査制)の創設に伴い、2019年(令和元年)6月以後、指定対象外の地方公共団体に対するふるさと納税については、特例控除の対象外になったふるさと納税ポータルサイト「トピックス|ふるさと納税に係る指定制度について」(総務省、2019年4月1日付)。
「ふるさと納税返礼品」に還元率40%以上の換金性の高いギフト券や地域と無関係の高級家電など制度の趣旨に反したものがあったが、2019年6月から寄付額30%以下の市場価格の地場産品限定と是正された。
日本経済新聞による過疎地域における税収減少・格差指摘
2006年(平成18年)3月16日付の日本経済新聞夕刊のコラム・十字路の記事「地方見直す「ふるさと税制」案」で、過疎化が原因で税収が減少している自治体があること、地方間で税収に格差が生じていることへの指摘報道を契機として、一部の政治家が取り上げたことから議論が活発化した。
2006年(平成18年)10月には、地方間格差や過疎などにより、税収の減少に悩む自治体に対しての格差是正を推進するための新構想として、西川一誠(福井県知事)が「故郷寄付金控除」の導入を提言日本経済新聞(2006年10月20日付)しており、ふるさと納税の発案者と言われている。また、西川知事は総務省が設けた「ふるさと納税研究会」の委員に選任され、賛成の立場から積極的に発言をした。
また以前から、実際の住所以外の場所に何らかの貢献をしたいという人は存在した。スポーツ選手や芸能人などには都市部での活動機会が多いにもかかわらず、故郷への思いから生活の拠点や住民票を移さずに故郷に住民税を納め続ける場合や |isbn=978-4870315426}}。}}、田中康夫長野県知事(当時)が「厳しい財政の中でも在宅福祉に力を注いでいる意欲的な自治体に税を納めたい」として、県庁所在地の長野市から下伊那郡泰阜村に居を構えて、住民票を移した事例がある。
菅義偉総務相による創設表明
政府も「安倍晋三首相が総裁選期間中も議論してきた重要な問題」(塩崎恭久官房長官)とし、2007年(平成19年)5月、2006年(平成18年)に発足した第1次安倍政権で総務大臣として初入閣した菅義偉総務相が創設を表明したため、ふるさと納税の「生みの親」とも呼ばれている。2021年に菅は「私の原点は『ふるさと納税』にある。地方から東京に出てくるには1000万円かかる。その後も東京に納税するわけですから」と、自身がされた総務相時代に地方経済を活性化させたふるさと納税を導入したことを自負している。
前述の「ふるさと納税研究会」を2007年6月に総務省に設けた菅義偉は「ふるさと納税の検討を私が指示したのは、少なからず田中康夫がきっかけだった」と周囲に述べている。(高橋洋一チャンネルによると)そこから官僚である高橋洋一に相談をしてから、本格的に創設が始まった。しかし、総務省の官僚の反対はかなり激しかった。
ただ、前述の研究会で議論が始められた際は、賛成派・反対派ともに考えているイメージが定かではなかった。2007年7月12日には、村井嘉浩(宮城県知事)、斎藤弘(山形県知事)、平井伸治(鳥取県知事)、飯泉嘉門(徳島県知事)、古川康(佐賀県知事)の5人が共同で「ふるさと納税制度スキーム」を発表した。これによると、個人が「ゆかりのある市町村等」に寄付をした場合に、前年の住民税の1割相当額を限度に、所得税と住民税から税額控除するとしている。「納税」という名称であるが、形式的には「寄付」と「税額控除」の組み合わせ方式を採用しており、制度化されたふるさと納税に近い。2007年10月、同研究会は報告書ふるさと納税研究会報告書(ふるさと納税研究会) - 総務省をまとめた。
ふるさと納税制度開始
2008(平成20)年4月の地方税法等の改正によって、同年5月から「ふるさと納税」制度が開始した。2009(平成21)年2月末時点では、寄付金額最多は高額寄付があった栃木県の2億2,400万円、2位が岡山県の1億800万円であった。ふるさと納税件数では鹿児島県が最多の788件、福井県475件、大阪府446件であった 北陸の視座vol.22 |url=http://www2.hokurikutei.or.jp/lib/shiza/shiza09/vol22/topic1/data/ |website=www2.hokurikutei.or.jp |access-date=2022-06-09}}。
都道府県名 | 玄米トン | シェア | 主な銘柄 |
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佐賀県 | 1,102 | 4.7% | さがびより・夢しずく |
福島県 | 893 | 3.8% | コシヒカリ |
新潟県 | 832 | 3.5% | コシヒカリ |
茨城県 | 699 | 3.0% | コシヒカリ |
山口県 | 519 | 2.2% | コシヒカリ |
島根県 | 457 | 1.9% | きぬむすめ・コシヒカリ |
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ふるさと納税は地域活性化を目的として始まった返礼品3割超の自治体、ふるさと納税「対象外」 総務相 朝日新聞、2018年9月11日。。しかし、過度な返礼品や地場産品とは無関係な返礼品が制度の趣旨にそぐわないとして問題になった。
総務省は返礼品競争の是正のため、2017年春と2018年春に返礼品について寄付額の3割以下でかつ地場産品とするよう総務大臣名の通知を出した。この通知に強制力はなく、2018年9月1日時点で寄付額の3割超の返礼品を送っている自治体は246市町村(13.8%)で、このうち174市町村が見直しの意向がないまたはその時期を未定とした。
これとは別に、埼玉県所沢市では、2017年4月から、ふるさと納税の寄付者に対して返礼品を送るのを取りやめると発表した。市長の藤本正人は「返礼品を得るのが目的化している」と返礼品競争を批判していた朝日新聞2017年2月21日朝刊34面。
2018年9月、総務省は過度な返礼品を送っている自治体をふるさと納税の制度対象外とし税控除を受けられないよう法改正を行うことを検討するとし、与党税調での議論を経て、2019年の通常国会に地方税法改正案を提出する方針を示した。この改正案は2019年3月28日、第198回国会で可決された。
改正地方税法による新制度では、返礼品は地場産品かつ寄付額の3割以下、仲介サイトへの手数料や送料を含んだ諸経費と返礼品の金額の合計で寄付額の5割以下に限定。対象となる自治体は総務大臣が指定することとなり、改正法が施行される2019年6月1日から以下の自治体(東京都および1市3町)がふるさと納税の対象から除外された。
都道府県名 |
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市町村名 |
除外事由 |
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新制度に反対するため、参加希望の申請を行わなかった。 |
返礼品に地場産品に該当しないものが含まれていたため。 |
返礼品にネットショッピング会社や旅行会社のギフト券などで巨額な寄付を集めたため みやき町ふるさと納税除外へ~国が最終調整 |url=https://rkb.jp/news/news/47898/ |accessdate=2019-05-24 |last=RKB毎日放送}}。 |
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また、以下の43市町村は総務省により、ふるさと納税の対象期間を同年9月30日までにされており、10月1日までに再指定の可否について認定される必要があるとして発表された。同年9月中に返礼品に改善があるとして、10月以降も参加できると総務省は発表した。
都道府県名 |
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市町村名 |
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都道府県名 |
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市町村名 |
指定取り消し日 |
理由 |
高知県 |
奈半利町 |
2020年7月23日 |
返礼品の30%基準違反 |
宮崎県 |
都農町 |
2022年1月18日 |
2022年5月1日 |
2019年5月、総務省は制度の趣旨を逸脱した過度な返礼品で多額の寄付を集めたなどとして泉佐野市を含めた4市町を新制度からの除外を決定。
2019年6月、泉佐野市は国の決定を不服として国地方係争処理委員会に審査を申し立てた。2019年9月、国地方係争処理委員会は改正地方税法に違反する恐れがあるとして総務省に再検討を勧告した。しかし、2019年10月に総務省は除外継続を決定。
2019年11月、泉佐野市は国の決定を不服として大阪高等裁判所に決定の取り消しを求めて提訴した。2020年1月30日、大阪高等裁判所は泉佐野市の訴えを棄却する判決を言い渡した。
2020年2月、泉佐野市は最高裁判所に上告。2020年6月30日、最高裁判所は大阪高等裁判所の判決を破棄し、泉佐野市の新制度からの除外決定を取り消した。
総務省は泉佐野市と同様の理由で除外した高野町・みやき町を含めた1市2町には2020年7月3日付で、別の理由で除外した小山町には7月23日付で新制度への復帰を認めた。
泉佐野市と国との間では、ふるさと納税による多額の寄付金収入を理由に泉佐野市の特別交付税を大幅に減額した国の決定の取り消しを求める訴訟もおきている。
2022年3月10日、大阪地方裁判所は国の交付税減額の決定を違法として決定の取り消しを命じた。
2011年(平成23年)3月11日に岩手県・宮城県・福島県の東北3県を中心に東日本・北日本の広い範囲で見舞われた東日本大震災に際しては、発災から約2か月後の時点で、前記東北3県に対してだけでも、前年〔2010年(平成22年)〕の全国寄付総額の6倍以上にあたる400億円超が当制度を通じて送られた。これに加え、発災から1年あまり経過した2012年(平成24年)5月下旬には、長野県軽井沢町の男性町民が日本赤十字社と東日本大震災に係る複数の被災自治体に対し、自身が得た株式譲渡益から、「ふるさと納税」として合わせて約7億円を寄付していたことが明らかとなった東日本大震災:被災3県へのふるさと納税が400億円突破、前年度の同制度全国寄付総額の6倍 - カナロコ(神奈川新聞、2011年5月15日付、同日閲覧)多額の還付金軽井沢町負担 町民の被災地への「ふるさと納税」で - 信濃毎日新聞(2012年5月29日付、同年6月4日閲覧) ※ 現在はインターネットアーカイブ内に残存。
上記のように被災地に義援金・支援金を送るのに当制度が利用されるのは制度創設当初には想定されていなかったが、現在では広く認知され、ふるさと納税を専門に取り扱うサイトにおいては、災害支援金専門のコーナーが特設されるほどにまでなっている。
また、被災地の自治体における事務負担を軽くし、被災者への対応などに力を振り向ける目的で姉妹都市など被災地と繋がりがある他の自治体が当制度の支援金事務を代行するケースもある。
一方で、当制度を通じて多額の支援金が送られた結果、確定申告されることにより多額の控除と還付金が発生、その結果、寄付者が居住する地方自治体において想定外の出費を強いられる事態に発展している。特に前記の軽井沢町在住者による億単位に上る当制度を通じての寄付に関しては、すでに株式譲渡益から県民税として約1億円が源泉徴収されていたことから、確定申告によって住民税(県民税と町民税)の還付金7,870万円を得ることになり、この結果として同町では、長野県の負担分(「県民税徴収取扱費」として3,170万円)を差し引いても約4,700万円を持ち出し負担することを強いられた。この事態に同町長は、長野県を通じて、地方交付税(特別交付税)による手当を求める考えを示した。
2012年(平成24年)、当時の東京都知事である石原慎太郎が、尖閣諸島の土地を保有する個人に対して、東京都が土地購入する方針を発表、その購入資金とするための募金が呼びかけられた(東京都尖閣諸島寄附金)。これにより、東京都庁には約14億円の募金が集まったが、これも「東京都へのふるさと納税」として、翌年に確定申告することで「寄附金控除を受けること」が可能だった。
2018年(平成30年)には、兵庫県が暴力団事務所の撤去に向けて、ふるさと納税で500万円の撤去資金を集める方針を打ち出している。なお、福岡県でもほぼ同様の方針がある。
総務省の発表による実績推移は以下の通り総務省|ふるさと納税ポータルサイト|関連資料総務省|ふるさと納税ポータルサイト|トピックス|平成28年度ふるさと納税に関する現況調査(税額控除の実績等)について総務省|ふるさと納税ポータルサイト|トピックス|平成29年度ふるさと納税に関する現況調査(税額控除の実績等)について。
寄付年 | 適用者 | 寄付金額 | 控除年 | 住民税控除額 |
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2008 | 33,149人 | ¥7,259,958,000 | 2009 | ¥1,891,669,000 |
2009 | 33,104人 | ¥6,553,113,000 | 2010 | ¥1,805,457,000 |
2010 | 33,458人 | ¥6,708,590,000 | 2011 | ¥2,043,318,000 |
2011 | 741,667人 | ¥64,914,901,000 | 2012 | ¥21,017,144,000 |
2012 | 106,446人 | ¥13,011,278,000 | 2013 | ¥4,526,323,000 |
2013 | 133,928人 | ¥14,189,345,000 | 2014 | ¥6,062,439,000 |
2014 | 435,720人 | ¥34,111,165,000 | 2015 | ¥18,424,621,000 |
2015 | 1,298,719人 | ¥147,103,026,000 | 2016 | ¥100,191,504,000 |
2016 | 2,252,793人 | ¥254,040,784,000 | 2017 | ¥176,663,970,000 |
2017 | 2,958,546人 | ¥348,192,485,744 | 2018 | ¥244,774,287,992 |
2018 | 3,951,727人 | ¥512,706,339,000 | 2019 | ¥326,478,000,000 |
2019 | 4,059,782人 | ¥487,538,781,239 | 2020 | ¥339,100,000,000 |
従来確定申告が不要な給与所得者がこの制度を利用するためにはわざわざ確定申告を行う必要があったが、2015年4月1日より「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されたふるさと納税をされた方 - 平成26年確定申告特集。
確定申告の不要な給与所得者等(年収2,000万以下のサラリーマンや年収400万円以下の年金受給者など)が行う5団体以内のふるさと納税であれば、各自治体に特例の適用に関する申請書を提出することを条件に、確定申告をしなくとも住民税の寄附金税額控除を受けられる。この場合、所得税の寄附金控除は受けられず、その分を加味した控除の全額が翌年度の住民税の減額という形で受けられる。ただし、他の要件で確定申告を行う場合や5団体を超える自治体に寄附を行った場合は、この特例は適用されない。
なお、ふるさと納税の返礼品は所得税法上非課税に規定されておらず、一時所得(法人からの贈与)として課税対象になる。但し、一時所得には最大50万円の特別控除がありその範囲内であれば税金は発生しない。ふるさと納税を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合(国税庁)
正式名称を「地方創生応援税制」といい、会社等が自治体に寄付をすると税負担が軽減される制度をいう。一定の企業が2016年(平成28年)4月20日から2020年(令和2年)3月31日までの間に、地域再生法の認定地方公共団体が実施する「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」に対して寄付をした場合には、現行の寄附金の損金算入制度に加えて、新たに寄付額の3割が税額控除(法人事業税、法人住民税、法人税)される企業版ふるさと納税ポータルサイト(内閣府地方創生推進事務局)。2020年4月1日より2025年3月31日まで、5年間延長されて税額控除割合を30%から60%に引き上げるとともに、認定手続も簡素化した。2020年7月31日、「企業版ふるさと納税(人材派遣型)」を総務省が公表。寄附額の下限は10万円からと、企業の寄附額としては低めに設定されている。そのため、中小企業でも活用しやすく堅実に税額控除の恩恵を受けることができる。
地方公共団体は、寄附額が事業費を超えないよう、適切に事業を実施・管理する必要がある。
項目 | 改正前 | 改正後 |
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適用期間 | 2019年10月1日~2020年3月31日 | 2020年4月1日~2025年3月31日 |
税額控除(法人事業税) | 寄付額の1割 | 寄付額の2割 |
税額控除(法人道府県民税) | 寄附額の2.9割 | 寄附額の5.7割 |
税額控除(法人市町村民税) | 寄附金額の17.1割 | 寄附金額の34.3割 |
税額控除(法人税) | 法人住民税で2割に達しない場合、その残額。ただし寄附額の1割を限度 | 法人住民税で4割に達しない場合、その残額。ただし寄附額の1割を限度 |
税額控除(合計) | 3割 | 6割 |
まち・ひと・しごと創生寄附活用事業 | 一定の補助金等による事業は対象外 | 一定の補助金等による事業も対象 |
認定手続き | 個別事業認定 | 認定手続簡素化で包括的事業認定 (例)事業費の記載は不要。 |
寄附可能な期間 | ||寄附可能な期間拡大 | |
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