米作

稲作(いなさく)とは、イネ(稲)を栽培することである。主にの無農薬栽培法では除草剤を使用しないことがあるので、ノビエなどイネ科の雑草を手作業で除草しなくてはならなくなることがある。

生育段階

  • 育苗期
  • 播種期
  • 出芽期
  • 緑化期:発芽器を使用しない、または発芽器から出した後にハウスなどで育苗・養生しない場合、緑化期はない
  • 硬化期
  • 本田期
  • 移植期
  • 活着期
  • 分蘖
  • 最高分蘖(げつ)期
  • 頴花分化期
  • 幼穂形成期
    この時期は低温に弱く、やませの常襲地帯では深水管理が推奨されている。
  • 減数分裂期
    花粉の基礎が形成される時期で、この時期にやませに遭うと障害型冷害が発生しやすい。
  • 穂孕み期
  • 出穂始期:圃場出穂割合10 - 20%
  • 出穂期(出穂盛期):圃場出穂割合40 - 50%
  • 穂揃い期:圃場出穂割合80 - 90%
  • 開花期※稲は出穂しながら抽出した先端から順次開花をする
  • 乳熟期
    この時期、猛烈な残暑に襲われると玄米の品質が低下する。
  • 黄熟期
  • 傾穂期
  • 登熟期(糊熟期)
  • 成熟期

日程の例(鳥取県地方の早期栽培)


4/2 - 5
発芽器で苗を発芽・育成(育成に3日間必要)
育てた苗は畑の小さいハウスに移動し、田植えまでそのまま育てる。
4/16
耕起(田起こし)。土を耕うん機で耕すこと。田には水は入れない。
4/17 - 29
荒かき。田に水を入れて土を耕うん機で耕す。
4/30
代掻き。土をさらに細かくする。田植えの3 - 4日前に実施。
5/3,4,5
田植え。田植え機使用による機械移植。
5/7
除草剤振り1回目。田植え後1週間以内に実施。
5/13
追肥。田植え後10日以内に実施。稲の元気が出るため。
5/28
除草剤振り2回目。田植え後25日以内に実施。
草刈。
6月
防除(=カメムシイモチなど病害虫の駆除)1回目。出穂前に実施。
防除2回目。出穂後の穂ぞろい期に実施。
7/23 - 8/6
穂肥(ほごえ)のための肥料まき1回目。
8/13
↑ 2回目
9/2,3
稲刈り。

不耕起栽培

省力化を主な目的とした水田や畑を耕さないまま農作物を栽培する農法である中山秀貴、
佐藤紀男、水稲無代かき栽培による生育収量と土壌理化学性の改善 東北農業研究 (54), 51-52, 2001-12,

冬季代かきによる方法例

濱田千裕ほか、水稲における不耕起V溝直播栽培の開発 -「冬季代かき」による栽培の安定化 日本作物学会紀事 Vol.76 (2007) No.4 P508-518生産コスト低減と収量安定を目的とした栽培方法。普及段階の栽培方法で、「耕作者による差や地域差を抑え平均した生育・収量が期待できる」として期待されているが、地域の利水権、水利慣行など導入に際し解決すべき問題も多い。
  1. 12月 - 翌年3月に代掻きをし、水が澄むのをまって水を落とす。
  2. 圃場が固くなってから、溝に直接肥料と種籾を播く。
  3. 2 - 3葉期を過ぎたら水を張る。
  4. 必要に応じ、中干しを行う。

米ヌカを播く方法例

不耕起有機栽培で10俵どり!? 月刊 現代農業 2002年11月号會川香菜子、 宇都宮大学農学部 卒業論文
  1. 1月に米ヌカをまいて、水を溜める(湛水)。
  2. 3 - 4月に一旦水を抜き、耕す(但し、状態によっては不要)。
  3. 再度湛水し、田植え。
  4. 必要に応じ、中干しを行う。
  5. 稲刈り後、湛水(冬期湛水)。

稲作文化

稲作文化は稲を生産するための農耕技術から稲の食文化、稲作に関わる儀礼祭祀など様々な要素で構成されている。

農耕技術では稲作のための農具や収穫具、動物を用いた畜力利用や、水田の形態、田植えや施肥などの栽培技術、虫追いや鳥追い、カカシなど鳥獣避けの文化も存在する。また、穂刈したあとのは様々な用途があり、藁細工や信仰とも関わりが深い。食文化では強飯ちまきなど多様な食べ方・調理法が存在した。また、高倉などの貯蔵法や、醸造してにするなど幅広い利用が行われていた。水田の光景は、日本の伝統的文化の1つといえ、日本人と稲作の深い関わりを示すものとして、田遊び田植田植踊御田祭御田植御田舞等、豊作を祈るための多くの予祝儀式収穫祭民俗芸能伝承されている。

宮中祭祀においても天皇皇居御田で収穫された稲穂天照大神(アマテラスオオミカミ)に捧げ、その年の収穫に感謝する新嘗祭がおこなわれている。尚、漢字の「年」は、元々は「秊」(禾 / 千)と表記された字で、部首に「禾」が入っている点からも解るように、稲を栽培する周期を1年に見立てていた。

脚注

参考文献

  • 池橋宏「イネはどこから来たか―水田稲作の起源―」、『熱帯農業』Vol.47 (2003) No.5 P322-338
  • 池橋宏『稲作の起源 イネ学から考古学への挑戦』(講談社選書メチエ)、講談社、2005年、ISBN 4-06-258350-X
  • 上垣外憲一『倭人と韓人』(講談社学術文庫)、講談社、2003年、ISBN 4-06-159623-3
  • 王才林・宇田津徹朗・湯陵華・鄒江石・鄭雲飛・佐々木章・柳沢一男,・藤原宏志「プラント・オパールの形状からみた中国・草鞋全山遺跡(6000年前〜現代)に栽培されたイネの品種群およびその歴史的変遷」、『育種学雑誌』Vol.48 (1998) No.4 P387-394
  • 岡田英弘『倭国』(中公新書)、中央公論新社、1977年、ISBN 4-12-100482-5
  • 倉本器征:水稲直播栽培による稲作の規模拡大とその成立条件 農業経営研究 Vol.11 (1973) No.1 p.76-80
  • 斎藤成也『DNAから見た日本人』(ちくま新書)、筑摩書房、2005年、ISBN 4-480-06225-4
  • 佐藤洋一郎『DNA考古学のすすめ』(丸善ライブラリー)、丸善出版、2002年、ISBN 4-621-05355-8
  • 佐藤洋一郎監修『ユーラシア農耕史』臨川書店、全五巻、2008年 - 。
  • 祖父江 孝男『文化人類学入門』増補改訂版」 中央公新社 ISBN 4-12-190560-1
  • 武光誠『「古代日本」誕生の謎 大和朝廷から統一国家へ』、PHP研究所、2006年、ISBN 4-569-66579-9
  • 寺田隆信『物語 中国の歴史』(中公新書)、中央公論新社、1997年、ISBN 4-12-101353-0
  • 外山秀一「プラント・オパールからみた稲作農耕の開始と土地条件の変化」、『第四紀研究』Vol.33 (1994) No.5 P317-329
  • 鳥越憲三郎『古代中国と倭族』(中公新書)、中央公論新社、2000年、ISBN 4-12-101517-7
  • 鳥越憲三郎『古代朝鮮と倭族』(中公新書)、中央公論新社、1992年、ISBN 4-12-101085-X
  • 長浜浩明「日本人ルーツの謎を解く」、展転社、ISBN 978-4-88656-343-9
  • 那須浩郎「雑草からみた縄文時代晩期から弥生時代移行期におけるイネと雑穀の栽培形態」、『国立歴史民俗博物館研究報告』第187集、2014年7月。
  • 花森功仁子・石川智士・齋藤寛・田中克典・佐藤洋一郎・岡田喜裕「DNAの欠失領域を用いた栽培イネOryza sativa L.の熱帯ジャポニカ型と温帯ジャポニカ型の識別マーカの作出と登呂Ⅰ期遺跡から出土した炭化種子への応用」、『海ー自然と文化』(東海大学紀要海洋学部)、2011 Vol.9 No.3、2012年3月。
  • 濱田 秀男:稻作の起源に關する考察 『日本作物學會紀事』 Vol.18 (1949) No.2-4 P106-107
  • 藤原宏志『稲作の起源を探る』(岩波新書)、岩波書店、1998年、ISBN 4-00-430554-3
  • 朴天秀『加耶と倭 韓半島と日本列島の考古学』(講談社選書メチエ)、講談社、2007年、ISBN 978-4-06-258398-5
  • 山内清男「石器時代にも稲あり」、『人類学雑誌』第40巻5号、1925年。
  • C・スコット・リトルトンおよびリンダ・A・マルカー 著、辺見葉子および吉田瑞穂 訳『アーサー王伝説の起源 スキタイからキャメロットへ』、青土社、1998年、ISBN 4-7917-5666-5
  • 『「米」で総合学習みんなで調べて育てて食べよう』シリーズ(全4巻) 金の星社 2002年

関連項目

外部リンク

Category:長江文明

wikipediaより

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