福山市
学校TFPで小学生が家族に自動車利用抑制を提案
小学生が学校で環境と交通について学びを重ね、理解を深めた上で、自動車利用抑制を家族に提案。家族に合わせた行動プランとすることで、効果をあげている。
事例本文
福山市は、福山
都市圏
交通円滑化総合推進委員会の構成員として、
国土交通省や県、
公共交通機関、大学機関などとともに2005年度から
「福山
都市圏
交通円滑化
総合計画」に取り組んでいる。
同年から、主要な事業である「ベスト運動(Bingo-EST)(通年的ノーマイカー運動)」の
きっかけとして学校TFP(トラベル・フィードバック・プログラム)を継続実施している。
TFPとは、自動車利用から徒歩・
自転車や
公共交通などへの転換をめざすもので、
個人の行動を見直して具体的な行動プランをたて、実施、
フィードバックするという流れを持つ、
コミュニケーションによるアプローチである。
小学校の授業時間を用いて、次のような四つのステップで学び、実践する。
[STEP1.動機付け]実験を行い、
CO2による温暖化の影響を知る。(1〜2時間目)
[STEP2.実行意図]児童が、保護者に合わせた徒歩・
自転車、鉄道.
バス、
時差出勤などの
CO2削減行動プランを考える。(3〜4時間目)
[STEP3.実践]行動プランの実行をお願いするメッセージシートを持ち帰り、
できる家庭は実行。
[STEP4.効果把握]行動の結果、
CO2が減らせることを確認。継続をお願いするメッセージシートを作成し、家庭に持ち帰る(5時間目)。
テキストや実験機材などは全て委員会から提供され、
3回の授業で完結するようなパッケージとなっている。
2005年度から2007年度は一校で毎年一度、2008年度からは毎年4校が参加している。
小学校の参加については、当初市内全ての学校長が集まる会議において紹介を行い、
導入した校長が
異動となったときに、元の学校も、
新たな学校でもとりいれてもらったという経緯があるという。
長く継続している「駅家西
小学校」の例では、年度によってばらつきがあるが、
たとえば2009年度の例では、対象者(保護者)のうち、
行動プランの提案のみで実践できた人は56人中23人、
フィードバックしながら積極的に
学習した3〜4か月後の効果は22人、
総合的な
学習との連携でフォローアップした一年後の持続効果は26人となり、
行動変容に効果をあげている。
これらの成果を大型商業施設や
交通フォーラム、全国オムニ
バスサミット(2009年度)、
日本
モビリティ・マネジメント会議(2010年度)、
また、ふくやま
バスまつりなどで発表してきた。
単なる
学習にとどまらず、小学生を出発点として、
大人も巻き込み家族で自動車利用抑制を行うことは具体的でわかりやすく、
他の住民に対するアピール効果も大きい素晴らしい事例である。
自治体情報
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