飯田市
地域資源をつないだ多彩なグリーンツーリズム感動体験南信州

幼児から大人までを対象に、地域の生業を生かしたツアーのプログラムを、「南信州」から
発信・提供する自治体の協同事業。(1)体験プログラムの多様さ、(2)ツアーと生業の振興をからめてすすめている。

事例本文

1996年から市商業観光課が「体験教育旅行」の受け入れを始め、
軌道に乗ってきた段階で恒常的・自立的な仕組みにしようと、
南信州の18市町村と民間に呼びかけ、共同で出資して株式会社南信州観光公社を立ち上げた。

注目すべきは、
(1)体験プログラムの多様さ、
(2)ツアーと生業の振興をからめてすすめている点
である。


■多様な体験プログラム

体験プログラムは大きく、
(1)アウトドアアクティビティ、
(2)味覚体験・食文化
(3)農林業体験、
(4)伝統工芸・クラフト創造、
(5)環境学習・自然散策
の5つの分野に分けられ、全165プログラムが設定されている。

対象者も子どもから大人まで、目的も小中学生の修学旅行やグループ団体旅行、
行政機関等の研修旅行に至るまで対応が可能だ。

「巨木と語る」というプログラムでは地元の方、「農家民泊」や「森林営林」では農家、林業家の方、
絶滅危惧種の実態と保護観察」では自然保護に関わる市民など、
プログラムのインストラクターも多様だ。

人材を含めた地域資源の多様さとそれを「宝物」として受け止める思考の柔軟性が、
これら多様なコース設定に反映されているのではないだろうか。


■ツアーと生業振興のリンク

ツアーと生業とのリンクについては、このプログラムを通して訪れる
年間のべ約2万人の宿泊客がもたらす経済効果の大きさとともに、
旅行者を受け入れる1000人を超えるインストラクター(農家等)にとっては、
普段は関わりの少ない生業間の壁を超えて交流することが可能となったことが挙げられる。
宿泊利用率、プログラム実施回数も毎年増加している。

飯田市は公社に出資を行い、現在副市長公社の取締役を務める。
また、市の職員2名が公社の事務所で仕事をすることで、共通する目的に向かって
有機的な連携が可能なスタイルを採用している。

さらに、飯田市が毎年策定している「経済活性化プログラム」の2012年度版では、
重点プロジェクトとして「飯田型ツーリズムの推進」を掲げ、
南信州観光公社との連携を通しエコツーリズムが地域経済に与える影響をさらに拡大していこうとしている。

グリーンツーリズムや体験型の旅行をしたいと考えても、
なかなか地域のありのままの資源(地域に暮らす人々、生業、地域の環境保全活動等)に行き当たれないのが実情。

南信州という広域で同じ課題を共有し、生業振興と旅行者の多様なニーズをくみ上げる一石二鳥の仕組みづくりである。

自治体情報

自治体名 飯田市(外部リンク)
都道府県名 長野県
人口 105,335人
部署名 株式会社南信州観光公社
TEL 0265-28-1747
FAX 0265-28-1748
E-mail

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