ニセコ町
自転車が搭載できる循環バス
生活路線としての循環バスを守り、観光客にも喜ばれるエコ観光のツールとして、自転車を循環バスに搭載できる制度を考案。住民や観光客に好評。
事例本文
公共交通は、多様な手段をつなげマイカーに負けない利便性を提供することが利用促進につながる。
しかし
交通手段を結び
公共交通の利便性を大幅に向上させている欧州に比べて、
国内では列車や電車に
自転車を搭載できる制度の導入も遅れている。
JRや電車に
自転車を搭載できるケースが稀にあるが、
残念ながら搭載可能な時間や曜日が限定されていることがほとんどである。
自転車と
公共交通の連結を図ることで双方が便利になり、
利用促進にもつながるサイクル&トレインや、サイクル&
バスライドの普及が国内でも望まれる。
ニセコ町では町内循環
バスに
自転車を搭載できる仕組みが導入され話題となっている。
ニセコ町でも1世帯のマイカー所有が1.94台(2008年)とマイカー普及が進んでいる。
一方、過疎・
高齢化が進む中、
交通弱者の足を確保するために、
これまで利用者が限定されていた
福祉バス・
スクールバスなどを統合し、より利便性が高く、
利用者の多様化による交流促進も図ることができる
交通体系として、
2002年より町内循環
バスの運行を開始した。
その町内循環
バス(ふれあいシャトル
バス)に
自転車の積載ができるようになったのは、
循環
バス検討委員会の2007年の話し合いの中から出されたアイディアが発端だった。
生活路線としての循環
バスを守るために、観光客の利用者増を図ることで収益増につなげる方策として、
さらに、エコな観光ツールになることも意図して、
自転車を
バスに積載できるように運輸局と協議を重ねた。
2008年5月に、ふれあいシャトル
バスの2路線において乗合
バスでは
全国初の車外後方に
自転車を積載用のキャリアを設置し、
自転車が搭載できる
バスが誕生した。
ニセコ特有の急峻な地形を逆手に、上りは
自転車と共に
バス乗車で観光地に登り、
帰りは高原地域から
市街地や観光地への移動を
自転車でほぼペダルを踏まず楽に下りながら散策できるようになり、
新たな観光ツール・商品の誕生として人気を集めている。
CO2排出量の少ない移動手段としても町は住民にも利用を呼びかけている。
現在は住民よりも観光客の利用が多く、利用者の反応は良好である。
バスの利用料金は100円で、
自転車を積載する場合は1台100円プラスとなっている。
利用状況は、2008年度は66台、2009年度は82台の利用があった。
生活路線と観光路線を切り離さず、重ね運行することで無駄を省き、
地域
バスの持続的運行を中期的に展望する取り組みとして注目される。
観光にも
環境の要素が取り入れられることが増えているが、
ニセコ町の生活シャトル
バスを活用した観光
バスの取り組みは先導的であり、
既存路線を活用した
自転車ツアー提案が楽しい。
自治体情報
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