対馬市
通販・流通業者と提携し、旬の魚をネット販売
水産物について、従来の市場流通に加え、流通マージンを抑えたネット販売を市が推進することにより、水産業に活力を戻すことが期待される。
事例本文
2010年9月、対馬市は、水産流通会社「旬材」及び大手通販会社「フェリシモ」と協力し、
対馬の鮮魚を
インターネットやカタログ通販で全国の
消費者に売り込む業務提携を結んだ。
「旬材」は市場を経由せずに
漁協から飲食店や商店に水産物を卸す
独自の水産物流通システムがあり、
インターネット通販などを手掛ける
「フェリシモ」は全国に約150万人(2010年)の会員を持つ。
業務提携は、対馬の全12
漁協に旬材の流通システムを導入し、
フェリシモの販売網を使って対馬近海で取れる鮮魚を
全国の
消費者に直接売るシステムを構築するのが目的。
市は漁業者への水産振興や水揚げ情報の
IT化をサポートする。
魚の発送は獲れた当日に行われるので、
消費者は、鮮度が高い旬の魚を味わうことができる。
また地元でしか出回らない珍しい魚も楽しむこともできる。
一般的に、伝統的な水産物の市場流通には安定供給やきめの細かな対応等の利点がある一方、
野菜類より流通段階が多く、常時冷蔵による鮮度保持や
切身や刺身への加工経費がかかるという問題点がある。
また、店頭に並ぶのは市場流通に適した数量・
規格の商品であるため、
「品質は優れているのに、残念ながら、市場から弾かれてしまう」水産物も多い。
流通マージンを抑えることができ、直接
消費者に水産物を届けるネットでの販売は、
こうした従来の市場流通の問題点に対するひとつの回答であり、
漁業者の収入を増加させ、水産業を持続可能な産業に戻すための
有力な手段に発展する可能性がある。
自治体情報
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