志布志市
「志布志モデル」海を渡る
(1)志布志市の分別によるごみ処理方式がフィジーのごみ問題を解決する。
(2)ごみを焼却することなく、分別を徹底することで埋立てごみの量は減り同時にCO2 も削減できる。
事例本文
志布志市には、ごみの焼却施設はなく、全て埋立処分されている。
その埋立ごみを減らすために、
容器包装リサイクル法が完全施行されたのと同時に、
「混ぜればごみ、分ければ
資源」を合言葉に
市民の協力により、
分別の徹底によって埋立ごみの排出抑制を行い、約80%の埋立ごみ減量を達成し、
埋立処分場の延命化も図られている。
2004年度からは
生ごみの分別収集・
堆肥化を開始し、
2011年度からは小型家電を加え分別品目は29品目となった。
これらの取り組みの成果もあって、
5年連続で全国の市の中でリサイクル率日本一を達成するなど、
志布志市の取り組みは、国内外を問わず高い評価を受け、
全国から多くの視察・
研修が相次いでいる。
そのような中、2007年に国の
中央環境審議会循環型社会計画部会において、
志布志市の
環境行政についての発表がきっかけで、
JICAの要請により、
2008年度からフィジー国
廃棄物減量化・
資源化促進プロジェクトに参加することになった。
フィジーからカウンターパート職員の視察を受け入れるなど、
環境行政職員のみならず、
市民との交流も深め、
「分別してごみを減らす」という概念と
ごみ分別手法の普及などの支援が開始された。
フィジー国では、ごみの焼却施設を設置する技術や経済力もなく、
適正な
廃棄物処理施設の確保が困難な状況である。
しかし、生活物資のほとんどを
先進国からの輸入に頼っており、
ごみの量・種類とも
先進国と同様に排出されているが分別されることなく放置され、
マングローブ林までもがごみで埋め尽くされている状況だった。
しかし、最近ではパイロット地区での分別収集が始まるなど
「志布志モデル」は着実にフィジー国で広がっており、フィジー
JICA事務局からも
「フィジーに止まらず
途上国全体の
廃棄物管理に役立つ取り組みだ」と絶賛されている。
プロジェクト終了後のフォローアップも兼ねた事業として、
2011年度から3年間草の根技術協力事業(地域提案型)
「フィジーを中心とした大洋州における志布志市
ごみ分別モデルの推進」が実施されている。
7月に志布志
市長及び志布志市
議会議長が出席して
キックオフミーティングがフィジー国スバ市で開催され、
9月にはフィジー国の
研修生を受入れ、11月には、志布志市専門家の派遣を行い、
「志布志モデル」をフィジー国住民に直接伝えた。
今後は、フィジー国だけでなく周辺大洋州諸国にも
「志布志モデル」を提案していく計画である。
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