氷川町
地域で企画を競い合う住民提案の施策化
地域で企画を競い合い住民提案の施策化と予算化を実現することで、地域特性に応じた住民が主役のまちづくりを展開した。
事例本文
■取り組みの概要と成果
住民との日常的な交流拠点「
まちづくり情報銀行」を中心に、
3年がかりで1998年に「
まちづくり総合計画」を策定した宮原町は、
地域の特性に応じた住民主役の
まちづくりこそが真の
自治であるとの認識から、
地区ごとに10年間の地区づくり
目標を掲げた「地区別計画」を策定。
2000年、計画推進のために支店(地区)経営
補助金制度(年間350万円)を
スタートさせた。
地域づくり予算を獲得するには、
まちづくり情報銀行の支店と位置づけられている14地区の代表が集まる「支店長会議」で、
各地区が申請額や企画・実行内容についてプレゼンテーションを行って
支店長による審査を受ける。
公開で地区が
予算を取り合う方式であり、申請額の多少に関係なく
ビジョンにふさわしくないもの、熟度の低いものは却下される。
そのため、各地区会議での充分な事前検討が必要なだけでなく、
支店長会議での地区代表(支店長)の説得力あるプレゼンテーション力も求められる。
この方式で、過去2地区が道路整備事業
予算を獲得した。
その後それぞれの地区で2年間をかけ
ワークショップを行い
必要な道路計画をつくり上げ、3年目に実行された。
地区公園づくりの要望も多く、支店長会議等で事業説明されるが、
用地交渉と維持管理は地区が責任を持つ事が条件づけられ、
町と管理協定を締結した後は、小規模修繕は住民自身が行っている。
住民を交えた選考をクリアーした地区は、子どもから高齢者まで参加した
10回以上の
ワークショップが開かれ、自分たちで図面を描き、
建設委員会の支援で模型をCCDカメラで確認しながら
じっくりと時間を掛けてプランが練られている。
250人の住民が暮らす地区でつくられた公園には、希望者に粘土が配布され、
それぞれが創作したオブジェの焼き物220個が公園のあちこちに設置されている。
■2005年合併後の氷川町での状況〜地区別計画に基づく活動(2002年度から再スタート)
合併後の氷川町には39の地区があり、
それぞれの地区に「地区づくり委員会」を設置してあり、
委員長他、10名程度の委員で構成されている。
委員会の役割は、地区の10年計画(地区別計画)の策定・見直しの素案づくりや
地区別計画に基づいた事業計画の企画運営を主として担っている。
まちづくり情報銀行から各委員会に対し、総合振興計画の地区別計画に基づく、
地区形成の
目標を実現するための取り組みを支援するため、
地区活動費として「住民主役の
まちづくり補助金」650万円/年が準備されている。
住民自らが主体的に地区づくりを進めることを目的としたこの補助は、
地区別計画の役割分担で「住民・
協働」とした事業、活動計画を作るための経費の他、
複数の地区の連携に対する支援も可能で、
年に4回申請があり「事業計画ヒアリング」において、
内容や金額の審査(地区別計画に基づく取り組みが原則)し
補助額が決定されるという仕組みになっている。
プレゼンテーション型の「支店長会議」は合併後に廃止された。
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