日進市
こどもも大人も学びながらともに育つ戦略的環境学習「にっしんこどもプロジェクト」
「環境」をキーワードとして、こどもにも一人の市民として環境まちづくりに参画する機会を提供し、継続的な仕組みをつくろうという深〜いプロジェクト。
事例本文
環境まちづくりの担い手を育てるには、効果の高いプログラムを
継続的に行うことが大切だ。
本プロジェクトは市の
環境基本計画策定プロセスのなかで
実施の必要性が指摘されたことがきかっけとなってはじまった。
本プロジェクトの特徴として、
(1)短期的、長期的な
目標を分けて立てるとともに、
段階的に「プレイベント」「ファーストステージ」「セカンドステージ」と
発展的な展開を計画した。
(2)「こどもサポーター」を養成する大人向けの養成講座
(
ファシリテーター養成講座など)も組み込んだ、
「
戦略的な」
環境学習の取り組みであったことが挙げられる。
本プロジェクトの概要は下記の通りである。
(ア)初動期
(1)プレイベント:プロジェクト発足のきっかけとして、
小学3〜6年生を対象に市内を東西南北の四つに分けて「まち探検」を行った。
(2)ファーストステージ:こどもの「いちおしポイント」を聞き、
人気投票で実際に「にっしんマイタウンツアー」を実施。
その体験を踏まえ、将来の日進の土地利用計画のイメージデザインを
写真と物語で表し、策定中だった土地利用計画に提案した。
(3)セカンドステージ:こどもの視点を活かした
環境まちづくりを
具体的にすすめるために、それぞれの興味により3グループに分かれた。
こどもサポーターが支援しながら、できる限りこどもの自発的な行動を大切に、
問題解決型
学習に取り組んだ。
(イ)第1期
装いも新たに、3か年計画「こどもプロジェクト2003→2005」と題し、
日進市
環境まちづくり基本
条例第19条に規定する「子どもの参画」機会として進め、
愛知万博での発表会や、
市長への四つの提案を行った。
(ウ)第2期
第1期で学んだことを生かし、アクション・リサーチに取り組んだ。
期間は2006年度から2年間。
プロジェクトの推進は
環境基本計画推進組織
「
NPO法人にっしん
市民環境ネット」が運営を担った。
おもしろいのは、対象となるこどもが5年間一貫して関わったことである。
プロジェクトの第1期は
小学校3〜5年生の20人程度を対象として始まり、
こどもの成長に合わせてプログラムも第2期へレベルアップさせた。
第1期のはじめに小学生だったこどもも、第2期の終わりには中学生や高校生になっていた。
彼ら・彼女らはプログラムの直接の対象ではないが、
「にっしんエコフレンズ」という自主的に立ち上げられた活動実行組織に
サポート役として関わり続ける人もいた。
第3期の実施も予定されていたが、
予算の関係で継続できなかったのは残念であるが、
環境学習を単発で捉えず、
環境の
まちづくりをすすめるという目的に向けた
戦略的手段として位置づけて取り組また事例として、現在でも高く評価できるものである。
自治体情報