ファシリテーターとは、促進者を意味する言葉である。会議などの進行を司る役割などもこれに含まれる。
この語は1940年代後半に米国で用いられ始めた。1954年のカール・ロジャーズの著書においてグループ・カウンセリングと個の変容を解説しているのが初出である。この概念はその後、1970年代には英国において異文化コミュニケーションを学ぶ教育プログラムへ昇華される。このプログラムの進行する役割にファシリテーターが用いられた。10年以上にわたって続いたこの教育プログラムは行動科学や集団心理の分野へ応用されていく。
日本では、1950年代に使われ始めるものの、当時はカウンセリング分野での使用に留まる。1980年に入り、国際問題、男女共同参画、環境問題等の分野でファシリテーターの役割が再注目され、1990年には産業界でも使われることとなる。
以前はオルガナイザーに含まれていた役割が、つまり進行の過程の専門家として、分離独立して認められるようになってきたという説もある。この説では、したがってファシリテーターはミーティングで扱われる内容そのものの専門家である必要はないとされる。
アメリカでは、裏社会のまとめや交渉の事を、ファシリテートする、それを行う人をファシリテーターと呼ぶ事もある。
現代の日本においては、ファシリテーターは学習や議論の進行など何かしらを促進する機能を担おうとする者を広く意味するように使われている。