ゴーヤ

ツルレイシ蔓茘枝学名Momordica charantia var. pavel)は、未熟な果実野菜として利用するウリ科植物である。また、その果実のこと。一般的にはニガウリゴーヤーなどと呼ばれる。

名称について

和名の「ツルレイシ」は、イボに覆われた果実の外観と、完熟すると仮種皮が甘くなるという2つの形質が、ムクロジ科の果樹であるレイシ(ライチ)に似ていることに由来する。つまり、蔓性の植物体に実るレイシの意味である。果肉が苦いため「ニガウリ」とも呼ぶ。農学園芸学ではツルレイシを用いることが多い種苗法における「農林水産植物の種類」や参考文献に挙げた園芸図鑑など。が、生物学では近年ニガウリを用いることが多いBGPlants YListや参考文献に挙げた植物図鑑・目録など

沖縄本島ではニガウリのことを「ゴーヤー」と呼ぶのが一般的で、沖縄料理ブームの影響もあり、全国的にも「ゴーヤー」または「ゴーヤ」を使用することが多くなっている。「ゴーヤ」という呼称が普及していった経緯は諸説ある。

九州・南西諸島各地に地方名があり、沖縄県では沖縄本島(首里・那覇方言や今帰仁方言など)で「ゴーヤー。健康野菜としての認知度が上がるにつれてテレビなどで調理法が紹介され、昨今では「ゴーヤーチャンプルーの素」などのレトルト調味料も登場している。

苦味を抑えたい場合は
  1. 苦味の少ない品種を選ぶ
  2. 表面の緑色の層を削り落とす
  3. (調理方法によるが)2 - 3mm幅くらいの薄切りにして熱湯でさっと下茹でする
  4. 少量の塩を振って揉んでしばらく置き、水分を出した後軽く洗う。もしくは塩水に漬け一晩置く
  5. 米のとぎ汁で茹でこぼす
  6. 鰹節はゴーヤの苦みを低減する作用があるので、鰹節をまぶすかつお節によるゴーヤの苦味低減 日本食品科学工学会誌 Vol.55 (2008) No.4 P186-190

などの手順がある。

薩摩料理奄美料理をはじめとする南九州の郷土料理でも好まれる食材であり、九州ではおひたし和え物でよく食べられる。鶏肉とキャベツと炒めたり、揚げ天ぷらやチップスにもする。奄美群島では蘇鉄味噌(なりみす)を使った和え物もよく食べられる。

本州での伝統的な調理法としては、味噌炒めが知られる。ピーマンナスなど、多少苦味がある野菜同士で組み合わされることが多い。

種や綿ごと実を薄切りにし、乾燥させてから焙じた後に細かく砕いたものは、ゴーヤー茶として沖縄県で販売されている。味はほうじ茶に似て苦味は無い。

よく洗って種と綿を除いてミキサーにかけ、風味を整えるために蜂蜜などを加えて青汁のように飲む場合もある。干した物を切干大根のように戻して煮物に使うこともできる。

広東料理では炒め物以外に、トウチなどの風味をつけた蒸し物、スープの具のなどにもされる。台湾料理でも「鳳梨苦瓜雞(台湾語:オンライコーコエケー)」のようにパイナップル鶏肉と煮込んだスープがある。広東、香港台湾などには苦味の少ない白い苦瓜もあり、スープにはこちらが選ばれることが多い。台湾では梅干の漬け汁を利用して漬物にすることもある。白い苦瓜のジュースは台湾や香港の屋台でも提供されている。

ベトナム料理でも「(ムオッダン)」などと称して炒め物、スープなどにされるが、特に南部では正月料理の一品として使われることが多い。タイ料理でもスープにされる場合がある。

インド料理スリランカ料理マレー料理ではスパイスで風味をつけたものを水分が飛ぶまであげたものや、たまごと一緒に炒めたものがカレーの副菜として現地で売られている。

医学的知見

マウス等による動物実験では血糖降下作用や制癌作用、妊娠阻害および流産誘発作用が確認されているが、人体に対する医学的有効性を確認できた作用はない。通常の食品として適切に摂取する場合は安全だと考えられている健康食品等の素材情報データベース ニガウリの項。しかし薬効を期待して、種子や果汁を意図的に多く摂取した場合、下記のような危険情報が報告されている。また妊娠中の人に関しては流産の危険が増すために、食材をしても摂取すべきではないとされる

血糖に対する作用

ラットでの動物実験で血糖降下作用が認められているが、人間に換算すると9.5kg/bodyという非現実的摂取量であった。人に対する3つの無作為化比較試験のメタ解析では、ニガウリの摂取によりII型糖尿病の改善を認めなかった。カナダでの健康な男性5名を対象とした単盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験でも、血糖低下や食欲抑制などの効果は無かった。ツルレイシの消費量が多いはずの沖縄県での2000年の糖尿病死亡率は県別で男女とも2位であったことも指摘されている高橋久仁子『フードファディィズム メディアに惑わされない食生活』中央法規、2007年、pp.55-56。ただし小児においてニガウリ茶の摂取において低血糖性による昏睡や痙攣があったという報告もある万倉三正、野田泰子、森昭胤、「ニガウリ抽出物の血糖降下作用に関する文献的考察」 岡山医学会雑誌 Vol.124 (2012) No.1 P15-26,

制癌作用

マウスに対する動物実験では、ゴーヤの栄養素はを誘発させる細胞の90%以上を死滅させる研究結果がある。抗腫瘍作用(白血病乳がん)、ラット結腸突然変異誘発物質の変異原性の抑制が確認されている蒲原聖可『サプリメント事典』(平凡社、2004年)、pp.298-299と報告されているmelon juice prevents pancreatic cancer in mouse modelsUniversity of Colorado Cancer Center, March 12, 2013

妊娠阻害および流産誘発作用

種子にはモモカルンが含まれており、動物実験で妊娠阻害作用と堕胎作用が確認されている。受精12日後の妊娠マウスに0.02-0.05 mgのモモルカリンを腹腔内投与したところ、90%の胎児が死亡したとされるContraception. 1984 Jan;29(1):91-100.4。またニガウリ果汁を毎日摂取したマウスは、妊娠率が90%から20%に低下することが知られている

その他の作用

  • ニガウリ摂取により、下痢、胃腸障害、上腹部痛が生じる可能性があるとされているThe effect of Momordica charantia capsule preparation on glycemic control in type 2 diabetes mellitus needs further studies.。動物実験では果肉と種子の摂取により肝障害が起こることが判っている
  • 糖尿病薬治療中の人は種子の摂取により、血糖降下剤の作用増強効果の可能性が示唆されている蒲原聖可『サプリメント事典』(平凡社、2004年)、p.299
  • ニガウリ種子の摂取による頭痛も知られている。またニガウリ種子によってソラマメ中毒症状が起こることが知られており、グルコース-6-リン酸脱水素酵素 (G6PD) 欠損症の人は種子を摂取すべきではないとされる
  • ニガウリ茶の摂取によって、小児に痙攣や低血糖昏睡が発生した報告がある
  • LD50 (半数致死量)は、ニガウリ果実抽出物を投与:マウス腹腔内681 mg/kgである

脚注

関連項目

参考文献

  • 白井祥平著 『沖縄園芸植物大図鑑 3 有用植物』 沖縄教育出版・1980年。
  • 多和田真淳監修・池原直樹著 『沖縄植物野外活用図鑑 第2巻 栽培植物』 新星図書出版・1979年。
  • 初島住彦・天野鉄夫 『増補訂正 琉球植物目録』 〈沖縄県産生物目録シリーズ ; 2〉沖縄生物学会・1994年。 ISBN 4900804029

Category:ベトナムの食文化

wikipediaより

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