気仙沼市
地域協働で行なわれている体系化されたESD

(1)全学年を通した継続的、体系的なプログラム構成
(2)地域の自然と人々に支えられる学びの全市への広がり

事例本文

気仙沼市では持続可能な社会の実現に向けて、
市内全域でESD持続可能な開発のための教育)に取り組んでおり、
気仙沼市を含む仙台広域圏は国連大学
世界的に優れたESDの取り組み地域(RCE)として選ばれている。

その先駆けは2002年から始まった面瀬小学校での取り組みである。
面瀬小学校では、総合的な学習の時間を活用し、
年間100時間程のESD学習プログラムを系統的につくった。

1年生では自然と親しみ、2年生では野菜を育て調理、3年生では昆虫観察、
4年生では川の生物調査を行い、5年生では海辺の環境と生活を学ぶ。
そして6年生では、それまでの学習の成果として水辺と共生した未来都市を提案する。

さらにアメリカの小学校でも共同のテーマで学習が行なわれ、
インターネットを用いて双方の小学生がお互いの言葉を交えてコミュニケーションをとってきた。

実施にあたっては地元の漁協NPO、建築士会、大学の研究機関など、
多様な主体が参画・協働する、まさに地域をあげた活動である。

このように小学校全学年を通して一貫した持続可能な社会をめざしての
教育プログラムを構成し実施していること、
しかもそれが地域に根ざしたものであることは、日本の中で特筆すべきものである。

このようなすばらしい取り組みを、市内の小学校中学校、高等学校に
それぞれの個性を活かして実施するために、「気仙沼ESD/RCE推進委員会」が設立された。

この組織は教育委員会、宮城教育大学、企業、メディア、NPOなど26の団体・機関で構成され、
毎年「円卓会議」を開催するなど、連携した協力体制のもと
地域と密着したESDを推進している。

さらに、面瀬小学校を含む多くの幼小中高校が、
持続可能な発展のための教育(ESD)を行なうユネスコスクールに加入している。

日本の地域社会全体で、学校を基盤としたこのような系統だったESDが行われているのは
極めて稀で、まさに先進的な取り組みである。

大震災による影響が心配されるが、地域の復興・再生に向けて、
より発展した取り組みが進められ始めており、
気仙沼の未来の基盤づくりとしても大いに期待される。

自治体情報

自治体名 気仙沼市(外部リンク)
都道府県名 宮城県
人口 73,489人
部署名 教育委員会学校教育課
TEL 0226-22-3441
FAX 0226-23-0943
E-mail

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