水俣市
環境首都まちづくりの組織化と「第2次水俣市環境基本計画」の策定
「環境首都」の実現をめざして、「環境首都まちづくり委員会」、「同まちづくり市民会議」、「同まちづくり推進会議」、「同まちづくり研究会」を設置し、環境基本条例の全部改正と環境基本計画の改定に取り組んだ。
第2次環境基本計画策定のポイントは、(1)「環境首都まちづくりへの挑戦」をサブタイトルに掲げた計画、(2)明確な目的に基づく10 項目のリーディングプロジェクト、(3)幅広い市民と市職員の参画による計画策定、である。
事例本文
「(
水俣病の経験を教訓に)この50年の反省に立ち、
『
環境モデル都市』へ向けて、新しい一歩を/水俣の生きる道は、
環境にこだわった
まちづくりをすること/『
環境首都』の称号を得、
水俣を確固たる
環境モデル都市として位置づけるためにも、
環境施策を強く進めて行かねば......」という、
2007年3月の宮本勝彬
市長の所信表明を受けて全庁的な体制でスタートした事業。
「負の
遺産」を将来に活かし、地域の多様なアクター・セクターの参画と
協働によって
「
環境首都」を実現するため、
戦略的な提案を行い、かつその提案を具体化するための
重層的な仕組みに工夫がなされている。全16人中公募委員3人を含む「
環境首都
まちづくり委員会」は、
市民の主体的な参画による
環境の
まちづくりの核となっている。
誰もが自由に参加できる開かれた議論の場として「
環境首都
まちづくり市民会議」が設置され、
「
もったいない」、「エコビジネス」、「
環境まちづくり」
「エコ生活」、「
環境教育」の5部会が設けられている。
さらに庁内には、「
環境首都
まちづくり推進会議(課長レベル)」と
「
環境首都
まちづくり研究会(担当者レベル)」が設置され、
2007年10月から2008年3月にかけて、合同の意見交換会を含め延べ28回の会議が開催された。
全庁的な連携による
環境行政の「総合化」、「
協働」を担う「人づくり」と
地域の「
エンパワーメント」、「命」や「人権」という視点を含み込んだ
「水俣らしさ」を発信できる
環境施策の実現などをめざし、
市民・事業者・
行政が一体となった
環境まちづくりはさらに深化しつつある。
水俣市では、このような動きに並行して、
環境基本条例の全部改正と
環境基本計画の改定に取りかかり、
2008年11月、第2次水俣市
環境基本計画を策定した
(第1次計画の策定は1996年と人口規模の小さい
自治体としては早い時期に策定)。
計画のサブタイトルとして「
環境首都
まちづくりへの挑戦」が掲げられている。
また、計画のめざすべき方向性として、
「
水俣病の経験に学び、その犠牲を無駄にしない
まちづくりを進める」とともに、
「『
環境首都コンテスト全国ネットワーク』による『
環境首都』の称号獲得と、
世界に認められる『
環境モデル都市づくり』を目指す」としている。
計画内容も、
環境首都コンテストが持続可能な
地域社会づくりの計画と内容で
求める質問内容(A-5イ※)にほぼ合致する内容となっている。
また
持続可能な発展を追求することを明確に示している。
※A-5イ
持続可能な社会づくりのための計画の内容
(a)地域の特性をふまえた将来のビジョンを、具体的な状況がわかるように示しています。
(b)
持続可能性を高めていくことを目的として明確に記述しています。
(c)
持続可能性には
環境問題だけでなく、経済、雇用、
福祉や
社会的公正までも含めて記述しています。
(d)発展
途上国及びその
地域社会との交流や支援を明確にしています。
(e)プロジェクト(施策)が羅列ではなく、
重要度や取り組み時期・期間を設計した提案となっています。
(f)プロジェクト(施策)の実施については、各主体の責務を述べることや
役割分担にとどまらず、
パートナーシップで取り組むことを明確に記述しています。
(g)リーディング・プロジェクト(重点施策)について、
その目的、内容、手法、取り組み主体等を具体的に記述しています。
(h)
目標が具体的に示されていて、その
目標への達成度を評価するようになっています。
(i)評価の基準として、地域の住民、事業者、
自治体の
課題解決能力の増大(
エンパワーメント)と、取り組む団体間の関係の
良化や深化が明確に位置づけられています。
(j)計画実行段階の
PDCAサイクルに
住民参画を明確に記述しています。
(k)
自治体内の地域別の取り組みを明確に記述しています。
もしくは地域別の行動計画を策定することが明確になっています。
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