勝山市
わがまちげんき発掘・創造・発展事業
(1)エコミュージアムの手法を用いたまちづくり
(2)再発見した魅力を伸ばす人材を育てる
(3)持続的なまちづくり活動へとつなげていくため資金面での支援を継続
事例本文
■
エコミュージアムによる
まちづくり
勝山市は、地域固有の
文化・
風土がつくってきた地域住民のライフスタイルが
コミュニティの中に息づく、新しい
価値観による“豊かさ"を実現するため、
地域の
アイデンティティを高めることをめざし「
エコミュージアム」による
まちづくりに取り組んできた。
市内の10地区すべてに住民が運営する
まちづくり団体が設立され、
この団体を中心に地域ごとに
エコミュージアムが推進された。
勝山市
総合計画の基本計画には基本プロジェクトとして「勝山市
エコミュージアム推進計画」が位置付けられ、勝山市の
政策の基礎となっている。
■わがまちげんき発掘事業
エコミュージアム推進に向け、2002年度から「わがまちげんき発掘事業」をスタート。
この事業では、
遺産の調査、整備、マップづくりやウォーキングイベントなど、
エコミュージアム運動推進の要素を取り入れた事業を2つ以上行うことを条件に、
市内10地区の
まちづくり団体に、それぞれ100万円が活動費として助成され、多くの地元の良さが発掘された。
わがまちげんき発掘事業は2004年度までの3年間行われ、
各地域で発掘された様々な宝の情報が、マップにまとめられイベントや
学習に利用されている。
■わがまちげんき創造事業
わがまちげんき発掘事業を受け2005年度〜2007年度には「わがまちげんき創造事業」が実施された。
この事業は、各地域から事業提案された内容を公開審査し、選ばれた事業に対し助成するもので、
勝山市と2003年度に発足した
まちづくり団体や
市民団体、各種団体で構成される
勝山市
エコミュージアム協
議会との
協働で実施された。
審査委員は勝山市
エコミュージアム協
議会の委員が務めた。
まちづくり団体だけでなく
市民団体も助成の対象になり、門戸が広がった。
先にわがまちげんき発掘事業による経験があったことで、
まちづくり団体が
積極的に助成を申請する機運が生み出された。
助成金は
景観づくりから、特産品づくり、
里山整備、
環境学習など、
非常に幅広いアイディアに活用され、再発見した魅力を伸ばす
人材を育てる事業へと引き継がれた。
■わがまちげんき発展事業
2008年度〜2010年度には「わがまちげんき発展事業」を展開し、
持続的な
まちづくり活動へとつなげていくために資金的な支援を継続した。
これにより、
市民が主体となった
まちづくり活動が充実し、
市民の活力が次々に創出された。
地域の個性を生かした
まちづくりを展開している具体例として、
荒土地区では炭焼窯を復活して炭を製造し人気商品になっている。
また、山間の北谷地区では、各戸に伝わる冬の伝統保存食「鯖の熟れ鮨」の特産化に取り組み、
レシピの統一から共同作業場の建設、製造販売まですべて地域住民が主体となって軌道に乗せた。
野向地区では、
エゴマ栽培を復活させて食用油を製造し、販売したところ
健康食品としてすぐに売り切れになった。
このように、特産品生産会社の設立、他の地区や一般企業との連携など、
より発展的な取り組みが現れ、
コミュニティ・ビジネスとしても成功例を創出した。
■わがまち魅力醸成事業へ
現在は、これまでの事業をより魅力的なものとし、
「小さくてもキラリと光る誇りと活力に満ちたふるさと勝山」をめざし、
2011年度から新たに「わがまち魅力醸成事業」を展開、
エコミュージアムによる
市民の主体的な活動を支援している。
特徴は、一般事業の部で「エコ
環境都市」の実現をめざし、
CO2排出抑制など
環境に配慮した取り組みを事業の必須項目としていること、
さらに女性グループや若者などからの幅広い事業を対象とした「新規チャレンジ事業の部」を設けたことだ。
対象となる事業は地域
資源を活用した次の6つのいずれかに該当する事業となっている。
(1)
遺産の物語化及び発見の小径(こみち)のコース設定
ツーリズムの要素を取り入れた自然
環境や歴史
文化、
農林業等の体験プログラムの設定につながる活動及び実施。
(2)
遺産の活用
わがまちげんき事業において発掘してきた
遺産などを活用した地域住民による
まちづくり活動。
(3)
人材の育成
・わがまちげんき事業で作成したマップ等を利用し、
個々の
遺産の魅力又は上記(1)で設定する体験プログラムを地域の人や
訪れた人に対してもわかりやすく伝える案内人等の養成につながる活動。
・
エコミュージアムによる
まちづくりを推進するための
人材を育成する活動。
(4)
コミュニティ・ビジネスの推進
勝山市の地域
資源を活用した特産品、おみやげ物の開発や復活及び
地産地消の地域特産物の紹介を行い、勝山年の市などへの出店・販売につながる活動。
(5)
市民参加と交流の推進
エコミュージアムによる
まちづくりを行い、地域に誇りを持つ人々の増加と
地域づくりに取り組む住民の自主性の喚起・交流につながる活動。
(6)その他勝山市
エコミュージアム協
議会が特に必要と認めた事業
エコミュージアム推進のために対象者のヤル気、熱意が特にうかがえる活動。
地域で培われてきた産業や歴史を目に見える形で復活整備した
「はたや記念館ゆめおーれ勝山」の開館など、地域住民の元気と意欲が形に表れてきている。
自治体情報
自治体名 |
勝山市(外部リンク) |
都道府県名 |
福井県 |
人口 |
25,466人 |
部署名 |
市民・環境部環境政策課 |
TEL |
0779-88-8104 |
FAX |
0779-88-1119 |
E-mail |
|
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