能代市
木造校舎をすべての小中学校に
近年見直されている木造校舎の先駆け。地元の風土に根ざした意匠で快適性も確保。地元の林業・建設業・木材加工業の振興にもつながる。CO2も削減。子どもにも好影響を与えている。
事例本文
秋田杉の産地であり、製材などの木材産業の盛んな地域である能代市では、
1995年以降に改築、新築したすべての小
中学校(7校)について
木造での建設を行っている。
設計はすべて地元の業者・建築家。
武家屋敷を意識した建物と雁行の配置(崇徳小)、
かつての校名「扇寿学校」にちなむ扇状の配置と白神山地に調和する緑屋根(第五小)など、
それぞれの地域の
風土や学校の歴史にちなんだ設計が行われている。
地元
財産区から寄付された大木を柱に使うなど、地元住民の学校への思いも取り入れられている。
意匠を多彩にすれば
予算的には高くつくが、
木材関係者が連携してノウハウを蓄積することで低コスト化も図られた。
教室の机やいすも地元業者が開発した、
秋田杉の
間伐材をつかったもので、高さ調節ができる(杉デスくん21)。
室内、廊下、体育館(一つの学校を除く)もすべて
木造で、見た目にも暖かみがある。
秋田県立大学木材高度加工研究所の調査によると、新しい
木造校舎は、
朝夕の冷え込みの教室内温度への影響が少なく、頭付近と足下との温度差も小さい。
1日を通して安定した温熱
環境であることがわかった
(古い
木造校舎は朝夕の温度差が大きく、
鉄筋コンクリートでは足元が寒い)。
また建築物生産時の
CO2量は、
木造は
鉄骨の半分、
鉄筋の1/3程度になるという。
ある学校の校長によると、
木造校舎で学ぶ子どもは
一般的な
鉄筋コンクリート造の学校の子どもよりも落ち着きが感じられるという。
近年、
木造校舎の再評価が全国的に行われているが、その先駆的な取り組みと言える。
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