勝山市
えちぜん鉄道活性化へむけたユニークな取り組み
(1)廃線となった鉄道を市民と行政の協働により再生
(2)市民との協働によるユニークなイベントの実施
(3)鉄道とバス、自転車を組み合わせた移動全体、さらには移動先の行動を視野に入れた取り組み
事例本文
勝山市は、
自家用車利用の多い土地であり、
公共交通の活性化のための取り組みを進めている。
その代表となるのが、市が出資する
第3セクター、
えちぜん鉄道の活性化の取り組みだ。
えちぜん鉄道勝山永平寺線は、福井市と勝山市を結ぶ
市民の足である。
元々は、
京福電鉄により運営されていたが、乗客の減少や、
2度にわたる衝突事故の影響で、2001年に営業を停止した。
代替として
バスが運行されたものの、自動車
交通量増加に伴い
渋滞で時間が読みづらくなるなど、鉄道を代替できずにいた。
一方、沿線の
自治体では、京福鉄道の廃線の申し入れを受けて始まった
存続を求める
市民と
行政による運動が、
第3セクターによる営業再開に向けた運動へとつながり、
2003年より
第3セクターとして
えちぜん鉄道の営業が始まった。
勝山市は、
えちぜん鉄道利用促進のため、回数券や定期券への補助を行うだけではなく、
行政と
市民の
協働による、勝山
市電車利用促進会議で、乗客増加へ向けた取り組みを行っている。
勝山
市電車利用促進会議は、
えちぜん鉄道とともに、福井市内の映画館で利用できる補助券の発行や、
電車に落書きし、そのまま乗って福井駅を見学してくる「落書き電車」、
車両基地の見学や運転体験などのイベントを実施している。
また、勝山市内の恐竜博物館や、お祭りなどとのタイアップイベントなど、様々な取り組みも行っている。
えちぜん鉄道自体も、
アテンダントの設置や共通切符、企画切符など、
様々な特徴的な取り組みを行なっているが、
その中には、
自転車を電車に載せられる
サイクルトレインの取り組みもある。
これは、電車と
自転車を利用して遠足を行いたいという、
勝山市内の
小学校の要望を受け、勝山市の提案が発端となっている。
サイクルトレインは、試行したところ好評であったため、
現在では、春から秋にかけての土日祝日に行われている。
また勝山市は、
えちぜん鉄道を降りた後の
市街地までの
交通として、
バスや乗合タクシー、
自転車の利用促進にも取り組んでいる。
例えば
バスや乗合タクシーはダイヤの改善により、
えちぜん鉄道との乗り継ぎの利便性向上を図っている。
ダイヤは、すべての便で接続が図られている。
接続されているときには、降りるとすぐ目の前に停まっており、待たずに出発するため、
乗り換えのストレスがとても少ない。
また、
えちぜん鉄道の利用者は、駅に設置されている
レンタサイクル(
電動自転車もあり)を安価で利用できる。
このように、勝山市では市内から、電車利用そして、目的地までを
総合的にみた
公共交通活性化策を行っており、
その結果、
えちぜん鉄道勝山永平寺線の利用者は2004年の約103万人から
2007年には約126万人まで増加し、その後も堅調に推移している。
自治体情報
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