安城市
「市民とともに育む環境首都」をめざした総合計画策定
公募による市民と若手の市職員が総合計画策定委員会の中心となり、様々な機会を通じて市民意見をまとめた提言により、第7次総合計画を策定した。
事例本文
「総花的」「絵に描いた餅」「職員も内容を読んだことがない」
などといわれる
自治体の
総合計画。
安城市は、
市民と
行政が
協働で実効性のある
まちづくりをすすめようと、
第7次市
総合計画(計画期間:2005年度〜2014年度)を、
公募による
市民(17名)と若手の市職員(42名)が
総合計画策定委員会研究部会員として
参画して策定した。
いまでこそ、
総合計画の策定に
市民や職員が参画する例は増えてきたが、
策定当時このような
市民・若手職員の参画を得て策定された
総合計画は
国内ではまだ珍しかった。
策定段階では、テーマを「安城市の
まちづくりへきらりと光る事業提案を考えよう!」と設定し、
6つ基本
目標別の部会((1)保健
福祉部会、(2)
都市基盤部会、(3)生活
環境部会、
(4)教育
文化部会、(5)産業振興部会、(6)計画推進部会)をつくり、
ワークショップ、先進地視察など延べ50回以上行って提言書にまとめあげ、
市長も参加する提言フォーラムも開催して、
総合計画策定につなげた。
また、あらゆる機会で
市民参画の場を提供するように工夫し、
まちかど座談会や
パブリックコメントなどを実施した。
計画では、めざす
都市像を「
市民とともに育む
環境首都・安城」とし、
あらゆる施策において
環境の視点を取り入れ、「つくる」から「いかして使う」への
発想の転換をし、自然
環境をはじめとして人の暮らしを取り巻く人間
環境についても、
よりよいものを
市民と
協働で築き上げて行くものとした。
そもそも「
環境首都」という言葉は、当時安城市が参加していた
「日本の
環境首都コンテスト」に由来する。
策定に参画していた
環境部署の職員からこの言葉の使用が提案された。
当時、まだ社会的に定着していない「
環境首都」を
総合計画の将来像として使用することは通常考えられない。
しかし、
環境首都をめざすことに積極的だった
市長の思いに合致して採用に至った。
総合計画では、249に及ぶ成果
指標を設定し、毎年
目標の達成度を把握している。
また、「
環境首都を実現するための主要プロジェクト」として、
「
環境実践活動を進める人づくり」「水
環境の再生と杜づくり」
「健康的で
環境にやさしい
交通環境づくり」を設定し、
目標の達成に向けて
指標を組み合わせ、毎年その達成度を測定している。
事務事業も
総合計画のめざすビジョンにつなげる形で様々なものが企画、実施されている。
2012年4月から、地方
自治法上の基本構想策定義務付けも撤廃されるなかで、
ますますその「真価」が問われるようになろう。
安城市の
総合計画策定プロセスとその
戦略は他の多くの
自治体の参考になるものと思われる。
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