宝塚市
空き家を活用して地域活性化推進の拠点づくりへ!~宝塚市空き家住宅情報バンク~
市民等活動団体や若者世代を対象とした市内空き家へのマッチング。
空き家の増加、高齢化、地域コミュニティの活性化、市民等団体の活動拠点不足など、多くの問題の解決が期待できる取り組み。
事例本文
宝塚市では、山手住宅地を中心に、1960 年代から開発されてきた住宅地がたくさんある。
これらの成熟した住宅地では、
高齢化などを原因に空き家が増え、
治安の悪化などが問題となっている。
そのような中、
市民団体からは、
福祉や子育て支援などの活動をしたいが、
「活動するための拠点がない」という声も多い。
さらに
高齢化が進む中で、住宅の
所有者からは
空き家になった住宅を活用したい、という声も多い。
これらの声を結びつけたのが、全国初の
インターネット上に開設された
「空き家住宅情報バンク」である。
仕組みは大きく二つに分けられる。
ひとつは「借りたいシステム」で、
市民等団体が希望する物件の条件
(地域、間取り等)を登録し、市が情報発信。
同時に空き家の情報も募集し、マッチングを図る。
もうひとつは「貸したいシステム」で、
市内の空き家の持ち主から活用したいとの要望を受け、市が情報発信、入居希望者を募る。
「一般財団法人
移住・住みかえ支援機構(JTI)」と連携し、
50歳以上のシニア世代を対象に、所有する空き家を支援機構が借り上げ、
主に子育て世代向けに安価で転貸する「マイホーム借上げ制度」を活用する。
当機構は他にも複数の
自治体と住み替え促進・空き家の活用に取り組んでいるが、
「
地域コミュニティの活性化、地域内の利便性の向上及び
市民の交流拡大」
を主目的とするのは宝塚市のみである。
2010年度から各システムの運用を開始しており、
市が希望条件等を登録する「借りたいシステム」については、
現在までに
社会福祉法人など3件の登録を受け付けている。
システム運用開始後、空き家
所有者から物件提供に関する相談は受けているものの、
実際に成約に至った事例はまだない状況である。
空き家バンクに関する相談対応の中で、
所有者側から「物件について市が借りて欲しい」、
市民等団体からは「
家賃の支払いはなるべく安く抑えたい」との声を受け、
空き家住宅情報バンクをさらに発展させた「宝塚市きずなの家」事業を
2011年度から開始した。
これは、団体等が活用を希望する空き家等(店舗や事務所等も含む)を市が借上げ、
「きずなの家」として団体等に支払
家賃の半額程度で使用させる制度で、
財政基盤の弱い団体等にとっては市を介して
安心して活動拠点を探すことができ、
家賃の補助も魅力。
空き家の持ち主にとっては、
財産の有効活用ニーズを満たせる利点がある。
これらの取り組みは市の空き家率は約10%。
特に高度成長期に開発された山間部の大規模住宅地で急速に進む
高齢化、
犯罪防止対策という課題解決にもつながるものである。
今後、制度の普及促進に向け広報の充実に努めるとともに、
市内に存在する空き家の実態調査を検討している。
なお本取り組みは、宝塚市再任用職員の参与設置規程に基づき、
培われたキャリアを生かせるように定年退職後再任用された市職員で結成した
「チームこれからだ」の特命事項としてすすめられたものである。
自治体情報
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