諸塚村
自治公民館運動による長年にわたる住民自治の「むらづくり」

村民同士の相互扶助だけでなく、地域づくりも含めた社会的な課題まで包括する、全国でも類を見ない「諸塚方式」と言われる独自の公民館活動。

事例本文

戦後の大きな社会変革は人々の価値観を変え、人・モノ・金が都市に流れるようになった。
人の移動が激しくなり、どの町でもコミュニティの再構築が重要課題にあげられている。

諸塚村は九州山地のただ中に位置する小さな村であるが、
公民館活動をコミュニティ活動として実践している
(以下、「公民館活動」=「自治公民館活動」として記述する)。

諸塚村の公民館活動は一般に社会教育法に所謂「公設公民館機能」にとどまらず、
自治公民館活動」であり、住民生活に直結した「地域活動」である。

その由来は戦前からの地域活動にも遡るが、戦後間もなくの
村人たちの思いに拠るところが大きい。

GHQは全ての自治組織が軍国主義につながると見なして解体したのであるが、
村人たちは「郷土の復興は自治組織活性化と社会教育にかかっている」として、
県、国,GHQと粘り強く交渉したのである。

直訴にも近い活動で認められた公民館活動は、選挙で選ばれた館長を中心に、
地域の課題に取り組む教養部・社会部・産業部・体育部の「機能部」、
婦人部・青年部・高齢部(寿会)・子ども会などの「民主団体」、
消防団などが一体となり、地域づくりの要となっている。

住民全員がその活動に参加しており、そこで決定された事項や行政農協などからの伝達事項は、
さらに近隣世帯で構成される「実行組合」を通じて確実に個人にまで届くようになっている。

公民館活動では、地区の祭やレクリエーション、
旅行などの親睦研修活動、集落の道路清掃や整備等の地域活動、
選挙投票督励や納税などの行政関連活動など、多岐にわたっている。
住民生活全般につながるのが諸塚村の公民館活動なのである。
ちなみにこれらの活動は「村税完納60年」につながってもいる。

さらに興味深いことは、成人式を日本で最初に始めた(挙行した)のが
諸塚村であるということだ。
1947年、満20歳になる青年に成人としての自覚を培うため10日間の合宿研修を行い、
その修了式で証書を授与しており、これが最初の成人式と言われている。

諸塚村では、人材育成、住民参加の公民館活動を中心とした村づくり、
農業や林業などによる産業振興、住民の生活改善の取り組みなど、
公民館と村、農協森林組合などの連携の下、優れたむらづくりの基盤が確立されている。

自治体情報

自治体名 諸塚村(外部リンク)
都道府県名 宮崎県
人口 1,882人
部署名 教育委員会
TEL 0982-65-0072
FAX 0982-65-0661
E-mail

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