自然エネルギー

再生可能エネルギー(さいせいかのうエネルギー、」を翻訳してつくられた語である。日本語の「再生」には「リサイクル」の意味もあるため、「」を「再生」と翻訳したことについて疑問を呈する者もいるRenewable energy=「再生可能エネルギー」? - エコネットワークス編集長インタビュー: 鎌仲ひとみ氏 - Alterna日本の電力不足を補う給電料金制度の考察 - Paul Gipe, wind-works.org(冒頭訳者注)。しかし、原語の語に「リサイクル可能」の意味は無く研究社 新英和大辞典 第6版より、その訳である「再生可能」も「リサイクル可能」の意味ではない。「森が再生する」のように、(自然環境等が)「更新できる、復活できる」等の意味で用いられる。}})NEDO再生可能エネルギー技術白書(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構〈NEDO〉 2013年12月12日)は、広義には太陽地球物理学的・生物学的な源に由来し、利用する以上の速度で自然界によって補充されるエネルギー全般を指すIPCC SRREN Full Report, 1.2.1。。ドイツにおいては2009年時点でEEG法により年53億ユーロの費用をかける一方、204億ユーロの投資、設備設置で171億ユーロの付加価値、設備の運転で375億ユーロの付加価値を誘発しているRenewable Energy Sources in Figures - National and International Development, Update of key data in the electricity sector, August 2010。また2009年時点で、関連産業による雇用創出は30万人を超えているBMU, Renewable Energy Sources in Figures, June 2010, P.27

日本における普及費用と経済効果の試算は、環境省が行っている低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化に向けた提言(平成22年3月)、低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化検討会。2020年までに年間5,824 - 8,358万t-CO2の排出量削減に相当する再生可能エネルギーを導入した場合、2011 - 2020年の間、系統対策費用や化石燃料火力発電への影響を含めて年平均で3.3 - 4.4兆円を投資する必要があると試算している低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化に向けた提言(平成22年3月)、低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化検討会、7章、表7.9、表7.13。その代わりに、生産誘発額が9.1 - 12.2兆円、直接投資を除く粗付加価値額が2.5 - 3.4兆円、雇用創出が45.8 - 62.7万人、エネルギー自給率が10 - 13%に向上(2005年は5%)等の便益が得られると見積もっている

資源量

再生可能エネルギーとして半永久的に利用可能かつ膨大な資源量が存在する。技術的に利用可能な量は少なくとも現在の世界のエネルギー需要の約20倍で、2100年時点で予測されるエネルギー需要と比べてもなお数倍以上大きいと見積もっている。潜在的な資源量はさらに桁違いに大きく、技術の発達次第で利用可能な量もさらに増えると見られている(World Energy Assessment (2000) , Chapter 7, Table7.1.Chapter5など)。

再生可能エネルギーの資源量 (エクサジュール(EJ)/年 ※1EJ=10億GJ)
!!2001年時点での利用量 世界の技術的資源量 世界の理論的資源量
地熱
0.6 5,000 140,000,000EJ
太陽光・太陽熱
0.1 >1,575 3,900,000EJ
海洋
(算出されていない) (算出されていない) 7,400EJ
風力
0.12 640 6,000EJ
バイオマス
50 >276 2,900EJ
水力
9 50 147EJ
合計
60 >7,600 >144,000,000EJ
利用量は一次エネルギー換算。参考:2001年時点での世界の一次エネルギー消費量は約402EJ/年。

日本における再生可能エネルギーの資源量NEDO 新エネルギー関連データ集 平成17年度版
!!技術的資源量 理論的資源量
- 136,009GWh/年
102 - 202 GWp(ギガワットピーク 7984 GWp
地熱発電電中研レビューNo.49 未利用地熱資源の開発に向けて -高温岩体発電への取り組み-
38 GW 6000 GW
風力発電牛山泉、風力発電(re-policy.jp)
3 - 30 TWh(陸上) 200GWp (280TWh) (洋上)
2,903万kl(原油換算) 4,022万kl
約810 - 約1,621万kl(原油換算) 約3,242万kl
1 - 9 GWp(ギガワットピーク 63 GWp
参考:日本の年間発電量は約1000TWh日本の発電電力量、最大電力消費量は約180GW真夏における電気の一日の使われ方の推移である。

利用状況と見通し

再生可能エネルギーはエネルギーの自給率を高めるほか、IPCC第4次評価報告書スターン報告などでも地球温暖化への対策の一環として挙げられ、その効果は数ある緩和手段の中でも最も大きい部類に入るとされているたとえば IPCC第4次評価報告書の原典、Figure TS.10 (Figure3.23)。また近年は関連産業そのものが急速に拡大しており、環境対策と同時に景気の刺激を狙った政策を打ち出す国も見られる「代替エネルギーで50万人雇用」オバマ氏強調、朝日新聞、2009年1月17日。このため今後の市場拡大やコスト低減を見越して、世界各地で導入の動きが活発であるNEDO海外レポートNo.1010日経Ecolomy、2008年01月23日

再生可能エネルギーは2008年時点で全世界の最終エネルギー消費量の約19%を占めていたREN21, Renewables 2010 Global Status Report(右図)。発電分野では18%を再生可能エネルギーが占め、その多くが水力で、それ以外の風力・太陽光・地熱などは全部合わせて約3%であった。近年は風力発電など、大規模水力発電以外の("non-Hydro"な)再生可能エネルギーの利用が伸びている。世界で新設される発電所に占める割合も近年急速に増えており、2006年には発電量ベースで6%であったものが、2010年には同30%(設備容量ベースでは34%)に達している(大規模水力を除いた値)UNEP, Bloomberg, Frankfurt School, Global Trends in Renewable Energy Investment 2011(要登録)、Figure 24.。特に風力発電は急速に伸び、2010年には世界の電力需要量の2.3%、2020年には4.5 - 11.5%に達すると言われるGlobal Wind Energy Outlook 2010, GWEC

2010年の再生可能エネルギーへの投資額は前年から32%増加し、世界で2110億ドルに達したと推定しているUNEP, Bloomberg, Frankfurt School, Global Trends in Renewable Energy Investment 2011(報告書本体、要登録)UNEP, Global Investments in Green Energy Up Nearly a Third to US$211 billion(プレスリリース)。特に途上国における新規投資額(720億ドル)が伸びており、2010年は初めて先進国での新規投資額(700億ドル)を上回ったUNEP, Bloomberg, Frankfurt School, Global Trends in Renewable Energy Investment 2011(要登録)、Figure 5.。また2010年は新規設備への投資額で初めて化石燃料を抜き、1870億ドルに達したと推定しているRenewable Power Trumps Fossils for First Time as UN Talks Stall, Bloomberf, Nov 25 2011

国際エネルギー機関 (IEA) が2008年6月に発表した報告書IEA, Energy Technology Perspectives 2008では、地球温暖化エネルギー資源の枯渇に対して何も手を打たなかった場合 (Baseline) は石炭天然ガスの利用量が増え、温暖化ガスの排出量が倍以上に増加し、再生可能エネルギーの導入量も殆ど伸びない可能性を指摘している。一方、世界が積極的に対策を進めた場合 (BLUE Map) は、2050年までにエネルギー部門からの温暖化ガスの排出量を半減すると同時に、再生可能エネルギーが発電量の46%を占める見通しを提示している

欧州では2008年12月、2020年までに一次エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合を20%にする包括的な温暖化対策法案を可決した欧州議会、温暖化対策包括案を可決、AFP BB News、2008年12月18日。中でもドイツは2010年の目標を3年前倒しで達成するなど以前の予測を上回る勢いで導入を進めており、関連産業への投資額は年間100億ユーロを超える規模に成長している松田雅央、Business Media 誠、2009年01月06日。2050年までに電力の50%を再生可能エネルギーで供給するという以前の目標は、2030年頃に達成される見通しであるBMU、Leitstudie 2010(一部のみ英語、大部分はドイツ語。Lead Study 2008は英語版あり)。また一次エネルギー供給においても、2050年には再生可能エネルギーが50%以上を占める見込みである

米国においては、2008年5月に米国エネルギー省が2030年までに総需要の20%を風力発電で供給可能との見通しを示しNew DOE Report Analyzes a Path to Reaching 20% Wind Power by 2030, 5/12/2008、新規導入量が2007年時点で他のすべての方式の発電所を凌駕するなど、風力発電の導入が急速に進んでいる。また続けて2008年6月には太陽光発電太陽熱発電で2025年までに電力の10%を賄える可能性が示されている。2010年は太陽光発電の年間導入量が1GWを超え、2012年には2GWに達する見込みであるAmerica Finally Joins the 1 Gigawatt PV Club, Greentech Media, October 7, 2011。中国等との競争に曝されてはいるものの、産業全体での貿易収支は黒字である中国に押しつぶされる米国の太陽電池業界、次は日本か、アットマークアイティ・モノイスト、2011年10月21日

日本における動き

先進各国の目標に比較して、日本での普及目標量は少なく、長年世界一を保ってきた太陽光発電の年間導入量でもドイツに抜かれるなど、政策の弱さが指摘されてきたNBOnline 2008年5月26日、飯田哲也、2008年4月、P.13Business Media 誠、2008年4月、遠州 尋美、2006年櫻井啓一郎、2008年Livedoorニュース、2008年03月24日

2008年1月に発表されたクールアース推進構想などを受けて、日本でも温暖化ガスの排出量削減の動きが加速している。2008年6月には福田ビジョンが発表され、2030年までに電力の半分以上を再生可能エネルギー原子力で供給する目標が示された。「太陽光、風力、水力、バイオマス、未利用のエネルギー」が挙げられている。特に太陽光発電の導入量を40倍に引き上げ、地方におけるバイオマスエネルギーの開発を促進するなどの内容が示されている。これを受けて経済産業省などに於いて普及促進政策の検討が進められたNikkei.net 6月22日 07:00の記事(経産省が新法を準備へ)太陽光発電の普及ペースの急減に対応し、2009年1月、経産省は緊急提言に沿って設備費用の約1割に相当する補助金を開始した(太陽光発電参照)。また2009年2月には環境省によって再生可能エネルギーの普及促進による便益の試算結果が発表された太陽光発電:2030年に55倍…環境省が試算、毎日新聞、2009年2月10日。2030年までに累計25兆円必要だが、累計の経済効果は2020年までに29 - 30兆円以上、2030年までに58兆 - 64兆円以上になり、また2020年には60万人の雇用を生み出すと推計されている太陽光発電増やすには固定価格買い取りを 環境省検討会、朝日新聞、2009年2月10日。普及政策としては固定価格買い取り制度の採用を提案した2020年に太陽光発電を現状の25倍に、環境省検討会、読売新聞、2009年2月11日太陽光発電「20年までに26倍」 環境省が試算、NIKKEI.NET、2009年2月10日。固定価格買い取り制度とは、再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を電気業者が一定価格で一定期間買い取ることを義務付ける制度である。再生可能エネルギーの買い取りに必要となる費用の一部は、賦課金として電気を使うすべての人から電気料金の一部となって集められる。この制度により、導入することにコストのかかる再生可能エネルギーの普及が進められると考えられていた。しかし、固定価格買い取り制度は太陽光発電だけに導入が偏ることや FIT認定を受けたのに発電を始めないケースが30万件以上発生するなどの様々な課題が発生した。そして2017 年4月に新しい認定制度に改正され、FIT認定を受けたのに発電を始めない事業者の買取期間が短縮されるようになった。

このうち太陽光発電については2009年2月24日、経産省より初期投資の回収年数を10年程度に短縮する助成制度の強化が発表された家庭の太陽光発電、現行の買い取り料金を2倍に 経産省が制度創設、MSN産経ニュース、2009.2.24家庭の太陽光発電、高く買い取り 電力会社に義務づけ、朝日新聞、2009年2月24日太陽光発電:電力会社の「固定価格買い取り制度」導入へ、毎日新聞、2009年2月25日太陽光発電、家庭からの購入価格2倍に 経産省が新制度。当初は2010年からの実施予定であったが、経済危機対策、エネルギー政策、地球温暖化対策の観点から前倒しされ新エネルギー部会(第37回)配付資料、2009年11月1日から開始された太陽光発電の新たな買取制度ポータルサイト。開始時の余剰電力の買い取り価格は1キロワット時あたり48円、エネファームエコウィルなどの自家発電装置を他に併設して居る場合は39円であり、設置後10年間は同じ価格で買い取られることとなった。後から新規に設置された設備の買い取り価格は、年々引き下げられている。補助金の効果もあり、日本の太陽電池生産量は拡大を再開しJPEAによる統計、2010年度は関連産業の規模が1兆円を突破した。関連雇用も、4万人を超えたと見られているIEA-PVPS, Trends in Photovoltaic Applications

2009年末からは、全量買い取りの導入、および対象を太陽光発電以外にも拡大することが検討されており、検討状況は経産省の専用サイトで公開されている買取制度ポータルサイト、資源エネルギー庁、各党による協議・修正を経て、同年8月23・26日、衆参両議院での全会一致の賛成をもって成立した再生エネルギー法案 衆院通過、NHK、2011年8月23日再生エネ買い取り法が成立、NHK News web、2011年8月26日。買取条件などの制度の詳細はまだ決まっておらず、地域経済振興や産業活性化への期待が集まる一方、電力料金の増加への不満、電力会社による受け入れ拒否の可能性に対する不安の声等も聞かれるニュースプラス:再生エネ法、きょう成立 鍵は買い取り価格 /北海道、毎日新聞、2011年8月26日再生エネ法案が衆院通過 「普及へ一歩」業界歓迎、東京新聞、2011年8月24日再生可能エネルギー特措法 残る課題 価格の決め方 買い取り拒否 優遇の線引き、MSN産経ニュース、2011年8月24日。一方で制度の導入をにらみ、これまで対象から漏れていた再生可能エネルギー源の事業化地熱発電、国内で事業化 丸紅が発電所、日経新聞、2011/10/6小水力発電開始へ 奈良・生駒、再生エネ法で黒字試算、朝日新聞、2011年10月13日や、新たな市場参入日本の風力発電市場、魅力増すか 国内外の大手民間企業が続々と参入、MoneyZine、2011年10月、関連投資の拡大YOCASOL、太陽光パネル増産投資 生産能力1.7倍に、日経新聞、2011/10/25太陽光マンション脚光 売電で収入 新制度が追い風、朝日新聞、2011年10月25日等の動きも見られる。買い取り価格の決定時期は、2012年の年明け早々が予定されている再生エネ特措法が衆院通過 年明け早々に価格決定、MSN産経ニュース、2011年8月23日。なお、2014年6月に経済産業省資源エネルギー庁は、日本の再生可能エネルギーの現状と予測を発表した。http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/shoene_shinene/shin_ene/pdf/001_03_00.pdf

2014年8月、沖縄電力は再生可能エネルギーの供給が電力需要を超える時期が見込まれるため発電設備や送電網に停電などのトラブルを引き起こすとして再生可能エネルギーの新規受入れの中断を発表した。9月25日は九州電力が、30日には四国電力北海道電力東北電力の3社が相次いで新規受入れ中断を発表し、再生可能エネルギー事業への新規参入に対して新興電力関連企業に大きな打撃を与えた四国、北海道、東北各電力も中断/再エネ買い取り、10月以降』 2014年9月30日12時50分(四国新聞再生エネルギーの新規契約の中断、電力5社に拡大 10月から』 2014年10月1日14時08分(J-CASTニュース経済産業省は政府が推進してきた再生可能エネルギー導入方針に基づく固定価格買い取り制度(FIT)の見通しと設計が甘かったとして制度の抜本的見直しに着手。2014年内に方向性をまとめる予定で、大規模太陽光発電の新規事業者の認定を一時的に停止し、あわせてすでに認定を受けた太陽光発電事業者の新たな発電設備の設置や増設も凍結し、太陽光発電に集中している再生可能エネルギーの供給量を制限するとしている大規模太陽光:参入凍結 経産省検討、電力量を制限』 2014年10月11日11時35分(毎日新聞

住宅用ソーラーパネル導入時のトラブル

住宅用ソーラーパネル設置には下記の困難がつきまとうので注意が必要である。

詐欺・騙されるリスク

国民生活センターに寄せられた太陽光の苦情で一番多いのが訪問販売だった。これを裏付ける数字として、国民生活センターのHPで数字が公開されている。

ソーラーシステムに関する相談が2014年で3,333件もあった。そのうち、1,851件が訪問販売による相談であり、彼らは「元が確実に取れる」などの謳い文句で巧みに話を展開するが、いかに訪問販売が危険なのかが分かる。具体的には「太陽光発電の契約をしたが、契約時の説明と実際の売電価格が異なっている」などである。

FIT制度が始まった2009年頃から、比較的築年数の浅い一戸建てを中心に悪質な訪問販売業者が巡回するようになり、一種の投資勧誘のような手法で営業されているため太陽光発電のイメージが悪化した。

訪問販売業者での契約は、クーリングオフ制度を活用すると契約した日を含めて8日間は契約解除が可能だが、悪質業者の場合は返金対応も苦慮することになる可能性が高い。
さらに悪質なケースは「詐欺」である。そもそも太陽光発電業者でもなく、契約と称しその日に現金をだまし取るケースもある。

当然だが設置後業者が倒産するとアフターフォローもなくなるので後は自己責任となる。実際、2020年1月に帝国データバンクが発表した内容によると、2006年から2019年までの間に、457社の太陽光発電関連業者が倒産している。

設置費用が高額

太陽光発電を導入するためにはほとんどの場合、一般的な太陽電池モジュールは長さ1.7m×幅1mで、家庭での電力消費量に見合った十分な発電量を得るためには20枚以上のモジュールの購入が必要となり、100万円以上の設置費用がかかる。

2021年経済産業省資源エネルギー庁(調達価格等算定委員会|経済産業省 )の資料によると、現在の住宅用太陽光発電の相場価格は137.5万円、平均設置容量は5.00kWとなっている。太陽光発電の導入費用は年々安くなっているが、それでも車を1台買えるほどの金額である。

2014年のグリーン税制がある頃は銀行にも太陽光用の融資があったり。信販会社もこぞって参入したが、2014年末に国会等で太陽光の買い取り価格が高すぎて融資もなくなった。

売電価格が年々下がる

太陽光発電は固定価格買取制度(FIT)により、10年間一定の売電価格で電力会社が発電した余剰電力を買い取ってくれる(10kW未満)。

太陽光発電設置者にとっての経済面で見たときの主なメリットはこの売電と自家消費による電気代の節約であるため、売電価格は重要な要素の一つだが、住宅の売電価格は10年前と比較すると約半値になっている。しかもこの先もさらに下がり続けるので将来性が見えない状況である。

メンテナンスが必要

太陽光発電はメンテナンスフリーだと考える人も多いが、清掃・パワーコンディショナーの交換などメンテナンスが不可欠である。 パネルの初期不良による故障は期間内であればメーカーの保証が受けられ、土砂崩れや台風による水害などで破損したケースでは動産保険など、保険などに加入している場合は保険を利用して交換が出来る場合もあるが、加入していない場合は実費での交換が必要となる。

太陽光発電システムで故障が多いのはこのパワーコンディショナーで耐用年数は10年ほどといわれており、交換には住宅用太陽光発電で1回あたり20万円程度の費用がかかる。

発電量が環境に左右

太陽光発電の発電効率は20%程度であり、当初のシミュレーションより発電量が少なかったことはよくある。発電効率が80%程度の水力発電、20~40%程度の風力発電に比べて低水準である。また、太陽光発電の発電状況は日射量に左右され、日が昇っていない時間帯は発電できないため、夜間の電力需要に対応できない。それに天候が良くても周囲にいったん大きな建造物が建つと以降の発電は絶望的となる。

設置が向いていない家

毎日の発電量を増やすには、太陽に向いた屋根にソーラーパネルを設置する必要がある。つまり、北半球では南向きの屋根、南半球では北向きの屋根の住宅のソーラーパネルの設置に適しているということになる。樹木や煙突などの遮光障害物を考慮すると、ソーラーをパネル設置に理想的な屋根スペースは50%以下になる。そのため、必要なパネルをすべて設置するには、一般的に大きな屋根が必要になる。しかし屋根の形が複雑な場合、太陽光パネルのサイズがうまくはまらず、総容量が思ったよりも小さくなってしまう場合が多い。また、積雪地域では、屋根および太陽光パネルに落雪対策も必要となる。

隣人トラブルのリスク

2014年にニュースでも取り上げられたのが太陽光発電の反射光トラブルである。太陽光パネルを大量に設置する産業用太陽光発電は、太陽光パネルによる近隣住宅への反射光が、しばしば問題になっており住宅用太陽光発電の反射光トラブルでは、裁判にまで発展したケースもある。

太陽光発電は、基本的には南面・東面・西面に設置する。北面設置の太陽光パネルの反射光は地上に向かいやすいため、隣人の家の中まで光が差す可能性が高まる。被害を受ける北側の家では、室内の温度が40℃近くなった、眩しくて生活できない、などかなり深刻な問題に直結する。

もう1つのトラブルは「音」である。太陽光パネル自体は音を発しないが、発電した電気を家で使える電気に変換する機械であるパワーコンディショナーは稼働中に高音を発する。屋外用のパワコンで都市部など隣家が近いところで、隣家の間取りなどを考えずに設置すると音でのトラブルに繋がる。

雨漏りなど施工不良、火災のリスク

太陽光発電は屋根に設置することもあり、ちゃんとした工事をしないと雨漏りに繋がる。しかし訪問販売業者は、施工コストを削るために足場が必要な現場でも設置しない、下請け業者を使って安く済ませる、メーカーの認定を受けていない等、工事の質が悪い。

雨漏りについては、建築した業者に許可等がなく設置をすると、建築した会社の保証なども効かなくなり、さらに訪問販売業者の対応もずさんであると、住宅にとって、雨漏りは構造躯体の腐食、シロアリの原因など致命傷に直結する。そういった防水処理の知識がない、または経験の浅い業者での施工により雨漏りに繋がっているケースも多々ある。

2019年1月28日消費者庁消費者安全調査委員会がまとめた報告書によれば、2017年11月までの約10年間で住宅用太陽光発電システムから火災、発火、発煙、過熱が生じた件数は127件。うち、少なくとも7件は屋根側にも延焼した(ただし、住宅用太陽光発電システムは、2018年10月時点で全国約240万棟に普及しており分母になる数は非常に大きい)。火災となったケースは、いずれもシステムと屋根が一体型となったもので、報告書では注意を呼びかけている

普及政策

現在用いられている普及政策は、固定枠(quotaまたはRPS)制と固定価格買い取り制度(フィードインタリフ制度、feed-in tariff law、固定価格制度)に大別できる。温室効果ガスの排出源そのものの競争力を相対的に弱める環境税(炭素税)の導入時は産業界が強く抵抗した。現在は再生可能エネルギー電力系統としてのスマートグリッドが世界的なビジネスとなっている。

現在主要なエネルギー源となっている化石燃料は、中長期でのコスト増大が危惧されているIEA, World Energy Outlook 2010 日本語エグゼクティブサマリー。さらに地球温暖化の抑制は急務となっており、IPCC第4次評価報告書では平均気温の変化を2までに抑えるには2050年までに温室効果ガスの排出量を半減する必要があるとされ、第三作業部会報告書において、再生可能エネルギーも重要な緩和技術に位置付けられている。また国際エネルギー機関も、2050年までの排出削減量のうち、再生可能エネルギーで21%を削減するシナリオを示し、普及のための政策的措置が急務であることを訴えているNow or Never - IEA Energy Technology Perspectives 2008 shows pathways to sustained economic growth based on clean and affordable energy technology, IEA, 2008年6月
その一方で既存の枯渇性エネルギー源には供給安定化などの目的で直接的・間接的に多額の補助金が支出されており、また既に広く普及しているため安価で流通している。これらは再生可能エネルギーを普及させる際の障壁となる。このような障壁を乗り越え、かつ必要な速度で普及させるため、様々な普及政策が用いられているFeed-In Tariffs: Accelerating the Deplyment of Renewable Energy, Miguel Mendonca, World Future Council, ISBN 978-1-84407-466-2

なお、こうした普及政策の有効性および必要性は、地球温暖化の抑制策の一環として、スターン報告IPCC第4次評価報告書でも指摘されている。政策に頼らない自主的努力の限界についても、指摘が為されている。

固定枠制

クォータ (quota) 制とも呼ばれる。これは一定割合以上の再生可能エネルギーの利用を義務づけるものである。特に電力においてはグリーン電力証書 (tradable green certificates) 制度を用いて、環境価値分を他に転売することを可能とする制度である。

導入初期段階においてはある程度の導入促進効果を発揮する。しかし導入の際の投資リスクが高く、また条件の良い限られた案件だけが開発されるなどの欠点が指摘されている。下記の feed-in tariff 制と比較して、長期的にはコストが削減されず、また普及促進効果も劣ることが経験的に知られている。日本のRPS制度もこれに属する。

固定価格買い取り制

フィードインタリフ制とも呼ばれ、再生可能エネルギーの設備を導入した時点で、その設備から供給されるエネルギー(主に電力)の買い上げ価格を、一定期間(たとえば20年間)保証する方式である。固定価格制とも呼ばれる。事業計画が立てやすく、投資リスクが低いため、再生可能エネルギーの普及助成費用を最小限に抑えられる特徴を有する。特に風力発電太陽光発電など、初期投資が投資額の大部分を占める方式で有効である。電力会社に対し、系統への接続や発生した電力の買い上げ義務を課するのも特徴である。買電価格は導入した時期が遅くなるに従って逓減する。この逓減のペースを普及状況とコスト削減の進捗状況に応じて定期的に調整することで、導入量と助成コストを制御する。この制御性、および制度的な柔軟性が他方式に比べて高く、導入量あたりのコストが最も低く済むことが経験的に知られている。このため現在までに最も実績を上げている手法となっており、世界50カ国以上で用いられ、再生可能エネルギーの助成政策として最も一般的な手法となっているA Policymaker’s Guide to Feed-in Tariff Policy Design, 米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)、2010年7月
制度的な柔軟性も高く、下記の炭素税(環境税)のほか、グリーン電力証書や税額控除などの手法とも併用されることが多いFeed-in Tariff Designs, Arne Klein, VDM Verlag Dr. Mueller, Saarbrücken 2008, ISBN 978-3-8364-6238-9。この制度の優位性は多くの公的機関によって認められ、2008年6月にはIEAも固定枠制などの他制度に対する優位性を認めている(固定価格買い取り制度を参照)。

環境税

環境税のうち、温室効果ガスの排出に対して課税するものがあり、これは炭素税とも呼ばれる。再生可能エネルギーの普及策という観点からは、これは化石燃料の競争力を相対的に下げる効果を持つ。上記の固定価格買い取り制度などと併用される場合もある。
海外諸国で既に導入され、多くの国で温室効果ガス排出量削減を実現している(環境税を参照)ことから、導入を検討中の国においても高い効果が期待されている。化石燃料に直接課税するだけでなく、再生可能エネルギー源に対する減免・還付等の財源にする場合もある固定価格買い取り制度と併用するドイツでは、環境税収の 9割を雇用にかかる人件費抑制(具体的には社会保険料の縮減。残り 1割は環境対策)に用いて、雇用への影響抑制に用いている日独気候政策シンポジウム2005の資料などを参照
日本でも有効な手段になると考えられており炭素税は対策として有効か?(国立環境研究所によるコラム)環境省は得られた税金を地球温暖化対策に用いる(特定財源とする)方式による炭素税導入を提案している環境税について(環境省)。しかし、欧州諸国などに比べて議論は進展しておらず、地方自治体で散発的に導入されるに留まっている。

その他の政策

導入費用に対する補助金、入札 (tender) 制、控除など税制上の優遇措置、低利融資、余剰電力購入 (net metering) などがあり、固定枠制や固定価格買い取り制度と組み合わせて用いられることもある。

日本では電力会社が自主的に余剰電力購入制度を設け、太陽光発電などの導入で成果を挙げてきた。2009年からは、太陽光発電については公的な助成制度となった。また地方自治体が独自の補助制度を設ける場合も多い。

2019年には国の審議会が再生可能エネルギー発電をさらに普及させるための送電線活用について答申をしている。https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/046_01_00.pdf

脚注

注釈

出典

参考文献

関連項目

外部リンク

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wikipediaより

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