都留市
市民公募債(つるのおんがえし債)による水車の設置
水車は、市民公募債(つるのおんがえし債)による設置で、市役所に電力を供給し都留市のシンボルとなっている。また、水車による発電の視察に訪れる人の増加による経済効果も生まれてる。
事例本文
都留市では
新エネルギービジョンを策定した際、
公共の施設で積極的に
自然エネルギーを導入する
「
公共施設での先導的活用プロジェクト」の実施を考えた。
公共施設などに設置し、目に見えるようにすることで
市民に
自然エネルギーに関心を持ってもらおうとした。
また、
市民グループが
エネルギーや電気をつくることを身近に感じてもらうおうと、
近くの川で水の力で明かりを灯したり、
信州大学が
水力発電の研究をし、
地元高校とともに市役所の構内を流れる家中川において
水力発電の実験を行ったりした。
そのような流れを受け、家中川
小水力市民発電所元気くん1号を
市制50周年記念のモニュメントと位置づけ設置した。
元気くん1号の資金調達には
市民参加で行うという理念の下に
市民も参加しやすい
市民公募債という方法をとった。
市民公募債を購入できるのは都留市に住民票のある二十歳以上の人とし、
1700万円を募集したところ、4倍以上の6800万円以上の応募があった。
利率はその年の国債に0.1%上乗せすることとし、実績としては0.9%でまわっている。
水車にとって川から流れてくるごみは大敵だ。
元気くん1号は、逆洗浄方式でごみを水車に入れない工夫もなされている。
木製でつくられた羽にも理由がある。
例えば長い棒状のごみが流れて来て水車に入り込んでしまった場合、
金属製の羽の場合だと壊れることはない代わりに軸に負荷がかかりすぎる。
そうなると専門の事業者による対応が必要になり
メンテナンスの費用が高額となる。
しかし木製であれば羽は壊れるが、損傷は羽の部分だけで済み、
職員が取り替えられ、
メンテナンスが簡単なのだ。
羽は松の木が使われているが、油分がたっぷり含まれていることで
水にぬれている限り(乾燥しないかぎり)半永久的に使えるという。
元気くん1号は開放型で多くの人に見てもらえるスタイルとなっている。
その後、都留市では元気くん2号も設置したが、その際の資金も
NEDOからの
補助金、
一般財源に加えて
市民公募債による資金調達を行っている。
元気くん2号は、2360万円の募集に対して、3190万円の応募があった。
発電実績としては、2010年度4月〜10月、市役所の使用電力の40%を2台の水車が賄った。
2011年は
省エネを実施した結果6月の自給率が78%となっている。
また、水車を設置したことによって、
市民の川のごみへの関心が高まった。
ごみが落ちていると水車が頻繁に止まったり壊れたりすることになる。
効率よく
発電させるためにはごみのない川でなければならないため、
ごみのない川づくりへの意識が高まったという。
また、水車を目的にした視察ツアーが増え、多いときには
1日120人もの人が訪れるなど、
経済効果も現れている。
3号設置後(2012年1月完成、3月稼働開始)は、設置の予定なしとのことだが、
環境保全への意識啓発、
自然災害時の非常電源としての可能性など、多くの副次的効果を生んでいる。
自治体情報
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