秦野市
交通需要マネジメント(TDM)実施計画によるTDM教育の実施
自動車中心の交通需要抑制対策として、発生源の調整、手段の変更、時間帯の変更、経路の変更など、11の施策を対象としたTDM実施計画を策定。教育委員会との協働によりTDM教育にも取り組む。
事例本文
現代社会において、
交通需要が道路整備を上回る勢いで増加しており、
道路などの
交通施設の整備のみでは、
交通混雑の緩和に限界が生じてきていることから、
秦野市では2004年度に
国土交通省の支援を得て、自動車の効率的利用や
公共交通への利用転換を促す
「秦野市
交通需要マネジメント(
TDM)実施計画」を策定し、
2005年から
交通スリム化プロジェクトに着手した。
また、同年に国が進める「
環境的に持続可能な
交通(EST)モデル事業」の
実施地域として選定されたことから、市内の
交通渋滞緩和や
公共交通の利用促進などを目的とし、
普及啓発の面から当モデル事業を
環境省と協力して進めてきた。
交通スリム化プロジェクトでは、企業や
市民などの協力を得て、
ノーマイカーデー、
時差出勤、
公共交通車両優先システム(
PTPS)による
バス走行改善、
TDM教育など11の
TDM施策を選定し取り組みを進めた。
また2005年度から2009年度に向けて施策ごとにホップ・ステップ、ジャンプと位置づけ、学校教育でのモビリティマネジメント(
MM)の実施や、
環境的に持続可能な
交通(EST)事業の取り組みを充実させている。
5年間に市内の全
小学校(13校)で
TDM授業を実施した。
秦野市のプロジェクトで特筆すべきは、幅広い年代への普及・啓発を目的とした
TDM教育である。
この背景には若者の地元定着率の高さがある。
若年時からの
環境認識を向上させることで
交通環境意識の高まりが将来の市の
財産になると考えた。
また、地域内従業者の割合が高いことから短距離の自動車通勤者の割合も高い。
そこで、子どもを通した周知、啓発を着眼点に、
小学校5年生を対象に事業を展開している。
教育委員会との
協働で汎用
カリキュラムや副教材を開発し、
TDM教育資料「かしこい車の使い方」を完成させ、市内の
小学校で活用。
カリキュラムの汎用性の検証も行い、さらに2010年度からは
教員に対する
研修も実施している。
行動プランに基づいて日ごろ乗りなれていない
公共交通機関などを乗り継ぐ校外体験も実施。
切符購入を初めて体験する子どもたちにとっては効果的な授業となった。
一方、
環境省はESTをテーマとした
環境教育出前授業を
中学校で実施し、
生徒自身による家族の一週間の
自家用車の利用調査をもとに、
CO2削減に向けて身近にできることを考えた。
計画期間は2009年度で終了しているが、
TDM教育の学校現場での定着化に向けて、
2010年度以降も継続して
小学校5年生を対象に事業を展開している。
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