越前市
アーススマートプロジェクト〜スイーツ(お菓子)と学習机〜
環境への関心を高めることが地域経済の振興にもつながるというプロジェクトで、スイーツや学習机というアイテムで環境問題に関心のない人、若い世代へのアピールを成功させている。
事例本文
アーススマートプロジェクトは、2005年と2006年の2年間取り組まれた
キャンペーンで、
1年目は「バレンタインデーには
環境と健康を大切に考えたスイ-ツ(アーススマートなスイーツ)を、
地元のお店で買って、自分の愛する人、大事にしたい人に贈ろう」
と市役所の
ウェブサイトなどを通じて
市民に呼びかけた。
また、地元のケーキ店に
キャンペーンへの参加を呼びかけたところ、
従来から国産材料にこだわりを持って使用していた店や、
オーガニックの材料を選んで使っていた店が
キャンペーンのために新たな商品を作ったり、
オーガニックのチョコレートを仕入れたり、プリンやカップケーキでは
使い捨て容器を使わず、食べた後も家で使ってもらえるようにと、
おしゃれなこだわりの器で販売したりと、店独自の工夫をして参加した。
購入者の目印となるように
キャンペーン参加店の店頭には共通のポスターを掲示した。
2年目には地元の大学生とコラボレーションし、
実行委員会形式で
キャンペーンを展開し越前市内の8つの菓子店が参加した。
また、若者ならではのアイデアも活かされイベントなどでもチラシを配布、
大学やバレンタインデー用にスイーツやチョコレートをよく購入すると思われる年齢層の
女性が行きそうな美容室などにもチラシを置いてもらった。
実行委員会では、
環境に関心の薄い層にも興味を持ってもらえるよう
スイーツが買える店を紹介する
ブログも立ち上げ、
チラシ、ポスター、商品に貼るシールを大学生がデザインした。
その結果、地元のテレビや新聞、地域の雑誌をはじめ、越前市以外の
NPOも
その
ウェブサイトで紹介するなど、いろいろな場所で取り上げられ話題となった。
キャンペーンの参加店では、関連商品の売り上げが上がった店もあり、
環境と経済の両立という
目標について一定の成果が見られた。
「健康と
環境に配慮したスイーツ」としては、下記のいずれかの条件に該当するものとし、
作り方は各店で考えてもらった。
統一した基準は設けず、現在ある商品でもOKということにした。
・国内産の食材を使っている(輸送にかかる
CO2,排気ガスの削減)
・
オーガニック食材を使っている(畑の
生態系の保全)
・
保存料、
着色料、
添加物を使っていない(健康への配慮)
2年目にはスイーツだけでなく、
「木のぬくもりがいのちを支える
学習机(アーススマートな
学習机)
キャンペーンを合わせて行った。
小学校に入学予定の児童保護者に対し、
幼稚園、
保育園を通じて地場産材を使用した製品や、
化学物質の使用が少ない製品を選ぶことが
環境や健康によいという内容の啓発チラシを配布し、
アーススマートな
学習机を選ぶように呼びかけた。
越前市の武生は、もともと建具や家具の腕のよい職人がいることで有名だが、
その
地場産業を活かしたうえで、子どもたちの未来と健康を考え、
間伐材や国産材を使用した製品や、
低
ホルマリン加工などの
環境に配慮した商品や
学習机を選ぼうと提案した。
参加店では店頭に
キャンペーンポスターを貼り、宣伝素材である
杉の木の端切れでつくった宣伝素材を設置し
市民に関心を持ってもらえるよう販売促進に努めた。
現在、この
キャンペーンは実施されていないが、
2005〜2006年当時は多くの
市民を巻き込んだ
フェアトレードや食材や木材の
地産地消、
地域経済の活性化を合わせた
キャンペーンはまだほとんどなかった。
今でも画期的で非常に魅力的な
キャンペーンだったといえる。
自治体情報