遊佐町
遊佐町立西遊佐小学校の地域密着型総合学習「まつのっこ学習」
今の地域の宝、地域のアイデンティティを確認することができる、地域をフィールドにした小学校の総合学習。
事例本文
遊佐町では、地域をフィールドにした
総合学習を行っている。
内容は、「調べる、聴く、考える」ことに重点が置かれており、児童自らが調べ、
地域の人に話を聞き、考え、議論することで地域の宝、
地域の
アイデンティティを確認することになる。
例えば、海岸林近くにある西遊佐
小学校。
2011年度の4年生は学区内にある黒松林をフィールドにして
学習を行った。
指導するのは地域の住人。
遊佐町の250年前の歴史にさかのぼり、先人たちの
まちづくりの苦労と、
なぜ遊佐にとって
クロマツ林が大事なものなのかを自分たちで調べ上げる。
児童たちは、それぞれ調べる対象を分担し、気候、
風土、地形、自然、歴史、
関わった人たちなど、地域の人たちの助けを借りながら調査していく。
開拓者たちの苦労した道をたどりながら、その当時の人たちの気持ちに思いを馳せる。
自分たちの住む地域の人々が、なぜ
クロマツ林を大切にしているのか調べていくうちに、
子どもたち自身が遊佐の
アイデンティティの象徴である
クロマツ林の保護へと
自然に関心を寄せ、行動に移せる流れとなっている。
多くの先人たちにより植林され、遊佐の暮らしと産業の基盤となった
クロマツ林は歴史的
遺産といえる。
地域の人たちの協力を得て調べた成果は、
250年前の偉人を顕彰する地域のお祭りで発表する。
そして、この授業は
小学校だけで終わらず、
中学校でも実際の保護活動に参加するプログラムが実施され、
学びの機会を得る授業が行われている。
また、6年生は、「命あふれる西通川にしたい」というテーマで、
総合学習を行っている。
西通川に住む生き物たちの命に直に触れ、
それを自分たちの生活とかかわらせて真剣に考える中で、
自然や
環境についての思いをもつとともに、
鳥海山の恩恵を受けながら生きる自分や地域について誇りを持つ経験をした。
西遊佐
小学校の
総合学習「まつのっこ
学習」は、
子どもたちが大切な
遺産を引き継ぎ、郷土のことを深く考え
愛する心を育む授業となっている。
さらに、発表会は
公民館でも開催され、
地域の人たちにとっても地元のよさを再発見する場ともなっている。
自治体情報
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