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予算(よさん)とは、収入や支出の計画広辞苑第六版【予算】、また、一会計年度における中央政府や地方政府の歳入・歳出の計画。
日本語の「予算」には一定期間の収入と支出の予定や計画という意味があり、政府だけでなく企業や家計といった経済主体でも策定される。予算には、中央政府や地方政府などが歳入や歳出に関して編成する公会計のものと、企業などが収入や支出に関して編成する私会計のものとがある。一方、英語のバジェット(budget)は、もともと予算書を入れる革鞄を語源としており、一般的には政府が策定する強制力に裏打ちされた拘束力のある文書をいう。
予算とは、一定の期間における政府の支出計画を法律または法律に準じた形式で規定し、議会において承認されたものをいう。
財政学上の予算は社会を強制力によって統合する統治行為が存在すれば必ず存在するというものではない。封建領主が領主としての家計の支出計画を策定していたとしても、封建領主はそれを自由に変更できるから、拘束力のある文書としての性格を持たない。支配者が本源的生産要素を領有している国家では予算を作成する必要はない。被支配者が本源的生産要素を私的所有するようになって初めて国家に予算という概念が登場することとなった。
政府活動に伴う収入と支出をすべて予算に盛り込むとする原則をとると、一定期間ごとに議会承認を得る制度を採らざるをえない。この一定の期間を予算会計年度という。予算会計年度は通常は1年間である。日本やイギリスでは4月から翌年3月までを予算会計年度としている。フランスやドイツでは1月から12月までを予算会計年度としている。アメリカでは10月から翌年9月までを予算会計年度としている。なお、アメリカの州予算では予算の期間を2年間としている州もある。
欧米諸国など多くの国々では歳入法と歳出法という法律の形式で成立する。予算を法律とする形式を採用とすると、フランスのように歳入法が議会で成立しない限り、その年度の租税を徴収することができない。課税にも毎年度の予算での議会承認を必要とする方式を一年税主義という。
日本では法律という形式をとらず、国会の審議と議決を経て、法律に準じる形式で予算を成立させる(日本国憲法第86条)。日本では予算を法律とする形式を採用しないので、租税法が成立すれば、その法律が存在する限りは自動的に徴税することができる。予算と法律を区別したうえで法律(租税法)によって課税する方式を永久税方式という。
現代の財政運営では、より行政府に裁量と責任を与え、予算手続も多元化すべきであるという考えから、ハロルド・スミスなど現代的な予算原則を提唱する者が現れ、これらの予算原則は現代的予算原則と呼ばれている。
現代的予算原則は企業会計原則の公会計への適用を目指すものだが、財政には社会統合という統治を被支配者が行うという民主主義原理が基本にあり市場社会はこれを否定するわけにはいかないため、効率性の要請と財政民主主義のバランスをとる必要があると考えられている。
予算は会計年度ごとに作成されるが、1つの予算が運営される過程には通常3年度以上の年月を辿るとされ予算循環と呼ばれている。予算循環には、立案過程、決定過程、執行過程、決算過程の4つの過程がある。このうち予算の立案過程と決定過程はまとめて編成過程とも呼ばれる。
議院内閣制の国々では内閣が予算を立案して議会に提出する。アメリカは大統領制の国であり予算の作成も議会に権限があるが、1921年に大統領のもとに予算局が設置され、その予算書をもとに議会が歳出予算法を決定している。いずれの国でも実際の予算の立案は行政府が行っている。
航空/陸上運送量や隣国の軍事力等、客観的・統計的基準によって各行政部局の担当する行政サービス需要の前年対比伸長率を算定し、それを元に各行政部局への予算配分枠を決定し、部局予算枠内で内部留保と各部局の裁量権を許容する制度を言う。
実際問題として各部局への配分予算枠は歳出化経費を割り込む事はできないので、歳出化経費予算と新規事業予算を分け、基準年度歳出化経費と行政需要伸長率に基いて当該年度の歳出化経費枠ガイドラインを定め、行政需要が縮小して歳出化経費がガイドラインを超過している部局については、超過額に応じた法定率での人員削減や耐用年数延長を行い削減した上で超過を認め、残額を新規事業予算として基準年度新規事業費と行政需要伸長率に応じて各部局に配分する事になる。日本の国家予算は財政法に規定する一般会計予算及び特別会計予算で構成されており、このほかに各特別法に規定する政府関係予算がある。会計年度は4月~3月である。予算の法的性格について学説は、予算行政説、予算法律説、予算国法形式説(通説)に分かれている。通説によれば予算は法律とは異なる法形式として成立する。日本では歳入・歳出ともに国会の議決を必要としている。
予算は、予算総則、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為とする(財政法第16条)。
内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない(憲法86条)。予算を国会に提出する権能は内閣にあり(憲法73条第5号)、財務省が各省庁と協議の上作成し、閣議決定された後、1月中に国会に提出される(財政法第27条)。
予算は衆議院に先に提出しなければならない(憲法60条第1項)。参議院で衆議院と異なった議決をした場合に両院協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が衆議院の可決した予算を受け取った後に国会休会中の期間を除いて30日以内に議決しないときは、衆議院の議決が国会の議決となる(日本国憲法第60条第2項)。
予算が成立したときは、内閣は、国会の議決したところに従い、各省各庁の長に対し、その執行の責に任ずべき歳入歳出予算、継続費及び国庫債務負担行為を配賦する(財政法第31条)。各省各庁の長は、歳出予算及び継続費について、各項に定める目的以外に使用することはできない(財政法第32条)。
戦後、特に旧大蔵省時代は政府予算案の公開とともに、予算総額の数字の並びを用いて、旧大蔵省が語呂合わせを発表するのが恒例行事であった。好印象の言い回しで希望的な意味合いを持たせ、予算の広報と話題作りを狙ったものである。さらに、このニュースに合わせて報道機関各社が別途独自に語呂合わせを作ることもある。こちらの場合は、皮肉を込めたものが多い。現在でも、地方自治体のなかには、予算決定とともに語呂合わせを発表する所がある(大蔵省による一般会計予算の語呂合わせを参照)。
は、連邦政府所有の資金を経理するための連邦資金と連邦政府に信託される資金を経理するための信託資金で構成される。会計年度は10月~9月である。予算は通常13本からなる歳出予算法として成立し、歳入は単なる見通しとして提示が行われるにすぎない。大統領は予算の提出権を持たない。大統領は年初ごとに予算教書を議会に提出するが、予算教書は議会での直接の議決対象ではなく、各歳出予算法案の原型となる。歳入予算法案は憲法の規定により下院の先議となっており、歳出予算法案も慣習により下院の先議となっている。
イギリスの国家予算は統合国庫資金と国家貸付資金で構成される。統合国庫資金は日本でいう一般会計、国家貸付資金は日本でいう財政投融資計画に相当する。会計年度は4月~3月である。統合国庫資金の議定費は議定費歳出法という法律として成立する。統合国庫資金の既定費と歳入見積り及び国家貸付資金は議会による議決の対象となっていない。予算編成権は内閣に専属しているが、慣例で法案はすべて議員提出となっており、予算法案も大蔵大臣の名で提出される形式となっている。予算は下院に先議権がある。
ドイツの国家予算は総予算と個別予算で構成される。総予算は予算一覧、資金調達一覧、信用資金計画で構成される。省庁別の歳入や歳出などが個別予算の内容となる。会計年度は1月~12月である。予算は法律(予算法)の形式で成立する。予算法には歳入歳出額が示され付録として総予算が添付される。個別予算は議決対象ではあるが形式的には予算法の一部とはされておらず公布手続もない。予算編成権は内閣に専属しており、予算法案は連邦議会と連邦参議院に同時に提出される。
フランスの国家予算は確定資金操作と暫定資金操作で構成される。確定資金操作は一般会計に当たる一般予算と付属予算で構成される。暫定資金操作では償還を前提とする資金操作が扱われる。会計年度は1月~12月である。予算は法律(予算法)の形式で成立し、歳入も歳出も議会での議決を要する。予算編成権・予算提出権は内閣に専属しており、予算法案は国民議会に先議権がある。
企業で「予算」と言う場合、まず経営ビジョンに基づいて設定した具体的な目標があり、その目標を数字として表現したものであるグロービス MBA用語集。予算の分類のしかたはいくつかある。例えば「売上予算」「費用予算」「投資予算」などに分類することができる。
企業の予算は、収入・売上をどう見積もるか、というところに特に重点が置かれる。
グロービスのMBA用語集では、予算の立て方の原型を2つ挙げている。「トップダウン型」「ボトムアップ型」である。
ここで言う「トップダウン型」とは、経営陣が一方的に各部門の予算を決める予算の立て方である。これは、現場の意見が反映されていないので、現場の人から見ると予算がノルマと感じられてしまう傾向があり、現場の人の動機づけが難しくなるという面がある。いわゆるモチベーションや士気が下がってしまうのである。
「ボトムアップ型」は、各現場が自主的に予算を設定し、これを部門ごとに集計することを積み上げて、最終的に全社予算を設定する予算の立て方である。こちらのほうは、各現場の予算を合算しただけでは、会社全体としての利益目標とかけ離れてしまうといった側面がある。
どちらも大きな難点があるわけである。したがって、健全な経営が行われている企業では、しばしば問題点を減らし、両方の良い特徴を持つ予算が立てられるようにと調整作業が行われる。
例えば、経営陣は経営陣で企業として必要だと思われる予算原案・素案をつくり、現場側・各部門側は現場の視点で見た可能な予算原案・素案をつくり、相方がそれらを持ち寄って顔をつきあわせて議論を重ねるための場を設け、互いに、各数字を算定した事情を説明したり、相手の説明を聞いて相手側の事情の理解すべく努め、その上で、相方が納得できる数字を見出すべく調整作業を行うのである。