パブリック・リレーションズは、主体と公衆の望ましい関係を構築・維持する営みである"パブリックリレーションズとは、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方である。" 駒橋恵子「117パブリックリレーションズとは118」日本パブリック・リレーションズ協会. 2021-08-07閲覧.。
個人や組織(国家・企業・団体など)は社会の様々な人々をステークホルダーとして持つ。個人・組織の目標を達成するためには彼らと良好な関係を築くことが不可欠である。この公衆に対して情報・意見を双方向に伝え受け入れながら、望ましい関係を構築し維持することがパブリック・リレーションズである"広報・パブリックリレーションズは、“関係性の構築・維持のマネジメント”である。企業・行政機関など、さまざまな社会的組織がステークホルダー(利害関係者)と双方向のコミュニケーションを行い、組織内に情報をフィードバックして自己修正を図りつつ、良い関係を構築し、継続していくマネジメントだといえる。" 駒橋恵子「119パブリックリレーションズとは120」日本パブリック・リレーションズ協会. 2021-08-07閲覧.。
自身に対して理解や信頼を獲得しようとする目的で行われる広報活動または宣伝活動を含む概念で、多くの場合頭文字の「PR(ピーアール)」や「PR活動」と呼ばれる。
従来、日本語の「広報」は と訳されるように断続的、随時的な「公的な情報」に限定された概念であったが、今日では広報という用語もパブリック・リレーションズとほぼ同義で用いられることが多くなった。
例えば、企業の場合、 は、一般大衆、消費者、従業員やその関係者、販売業者、仕入先の関係業者、株主、債権者、銀行などの金融関係、政府諸機関、教育機関、その他あらゆるステークホルダーがその活動の対象となりうる。
国際パブリック・リレーションズ協会(IPRA)が1978年に採択した規定の中で、パブリック・リレーションズについて双方向性コミュニケーションによる相互理解の必要性を強調し、企業側の調整概念に資するためマネジメントへのカウンセリングと、政策調整アクションの役割を求めている。
他の定義として、
などが挙げられる体系パブリック・リレーションズの原著は1952年の初版から2008年に10版を重ねている米国でPRのバイブルとも呼ばれる 。日本では戦前、戦中から写真週報のような広報・宣伝媒体を持っていたが、戦後に進駐軍経由で持ち込まれたパブリック・リレーションズはそれらとは異なる民主主義の新しい概念として受け止められた。すなわち、PRの主体となる企業や団体が公衆に好かれるようにする考え方そのものがパブリック・リレーションズであり、商品広告に限らず重役が社員に行う講話の内容や企業が株主に対して行う年次報告もPRである。その手段のひとつとしてパブリシティすなわち「広報」が存在する。PRにとって「広報」と公衆のニーズをくみ上げる「広聴」は車の両輪のような存在だと考えられていた。
名称 |
---|
対象 |
インベスター・リレーションズ(IR) |
同業他社 |
手法に注目した分類は以下が挙げられる。
マーケティング・パブリック・リレーションズ(, MPR)は企業と公衆の間で具体的な製品やサービスを介して発生するPRである。企業の商品・サービスがユーザー・社会へもたらす価値などの情報を(有償広告による提示でなく)自社ホームページなどで開示し、公衆と商品・ブランド・企業の関係を構築する。商品購入(selling)へ直結する側面があるため、販売促進/プロモーションあるいはマーケティング手法の一種とも言える"製品やサービスの必要性や社会への貢献をPRすることで、自社製品やサービス、企業活動はもとより企業の存在自体に好感を持たせるためのPR、マーケティング手法。" 日本パブリック・リレーションズ協会.「MPR(Marketing Public Relations)」 2021-08-08閲覧.。